すっきり暮らし4人が「捨ててよかった」もの。持たないルールで家も心も快適に
暑い夏は暮らしも”すっきり”としたいもの。しかし、いざ片づけをしようと思っても「なにを捨てようか…」と迷ってしまう人も多いのではないでしょうか? そこで今回は、暮らし上手さんが実際に「捨ててよかった・持たなくてよかった」と感じたものについてまとめてご紹介します。
ものを減らしてすっきり暮らす。お気に入りは手放さなくてOK
カウンセラー・エッセイストの若松美穂さんは、片づけや整理が進んで暮らしやすくなったそう。ここでは、捨ててよかったものについて教えてくれました。
●捨てたもの1:毎日持ち歩くミラー
処分が進んで、残ったものを見直していくと、どうしてこんなになるまで使っているんだろう? 好きじゃないのに、無理やり使っているな〜と気がつく場合があります。
切れない包丁、傷がついたグラス、あまり好きではないハンカチや文房具、メイク道具など。
私は、バッグの中に入れておくミラーは、すぐに使えて(ケースを開いたりしなくてよくて)小さいものが好みです。
サイズ感が好みで何年も使い続けていたら、ボロになってたことにも気がつかず。
けっこうすごい状態に(右)。びっくり!
ものはあまり増やしたくないけれど、買い替える楽しみはあってもいいかな〜と思っています。無印に同じくらいのサイズがあったので、買い替えました。
ものを買うとき、ひとつ捨ててひとつ買う。2つ3つ捨てて、ひとつ買うなら、なおよしですよね。
●捨てたもの2:子どもたちの高校の制服や、高校・大学時代の部活グッズ
卒業しても取って置いた、子どもたちの高校の制服。
思い出のものですが、そろそろいいかなという気持ちに子も親もなってきたので、エイっ! と処分しました。
部活で使っていたものも同様です。今は彼らのスマホの中に、たくさんの写真(思い出)が残っていますから、それで十分なのかもしれません。
●捨てたもの3:自分のジーンズ
定番アイテムといわれていますが、意外とトレンドがあるジーンズ。
私も何本か持っていたのですが、流行も体型も変わります。家族に今、「似合っているよ」と言われたものを1本だけ残し、ほかは手放しました。
持たなくても、豊かな暮らしを実現するコツ
3LDKの団地に住む小笠原洋子さん。家には余計なものはありませんが、一角にはかつて仕事として関わっていたアート作品や画集がズラリ。窓際には手づくりのモビールが揺れ、センスが感じられます。
「現役時代には、それなりに家具や服も持っていました。でもね、あるとき、大きな洋服ダンスを処分せざるを得なくなって。それで『ものから自由になる解放感』を実感したんです」
そんな小笠原さんの持たないルールを伺いました。
●「持たなくていい」と決めているもの
実家の片づけや引っ越しから学んだ「いるものといらないものを明確に分ける」という考え方。世の中では「当たり前」でも、自分にとって不要なら持たなくていいいと小笠原さんは言います。
・レースのカーテンをやめて窓にモビールを飾る
「カーテンはホコリがたまりやすく、洗濯も手間なんです」
そこでメモ用紙でつくったモビールを目隠し代わりにおしゃれさもしっかり演出。
・おおきなタンスを処分。一部を残し、棚として活用
存在感がありすぎた大きな洋服ダンスは引き出し部分だけ残して処分。「むき出しの天板にクロスをかければ、すてきなローチェストに」
・掃除の手間のかかるマット類は廃止
実家のじゅうたんをひとりで処分した苦労から「床にマットは敷かない」と決意。
「なにもなければ汚れてもサッとふくだけでOK」
「片づかない家」にありがちなもの3つ。今すぐ捨てて身軽になる方法
おうちが片づかない理由は、「ズボラだから」ではなく、「ちゃんとしたいから」かもしれません。仕事でさまざまな「片づかない家」を訪れた経験のあるライフオーガナイザーの下村志保美さんが教えてくれました。
●片づかない理由は意外にも「ちゃんとしたい」から
片づけが得意な人は「きちんとしている人」、「ちゃんとしている人」、というイメージがあるように感じます。
ですがじつは、そこまでちゃんとしていなくても「このくらいでOK」と完璧を求めすぎない人こそ、日々の片づけがスムーズにできているのだと感じます。ここでは、片づけがはかどらない原因になっている「ちゃんとしたいもの」3つをご紹介します。
●1:「分別がわかりにくい」「捨てにくい」ゴミ
簡単に分解できるものであればバラして分別できますが、そうでないものはどうやって捨てていいのか分かりません。その結果、「捨てたいのだけれど、捨て方がわからないからもち続けている」。
・木製のハンガーだけど引っかける部分は金属
・プラスチック製のバインダーだけど、金属の留め具がついている
・革のベルトだけど金具が金属
など…。
また粗大ゴミに出したいけれど、申し込み時にどの品目を選べばいいのか分からず申し込めないものも。
この場合は、インターネットなどでゴミの捨て方をもう一度確認した上で、自治体の担当に問い合わせると教えてくれます。
これらは、きちんとしている人が陥りがちな罠。「ちゃんと分別しなくちゃ」と思うあまり、片づけが進まない原因になっています。
●2:「バチが当たる」「捨てにくい」神様グッズ
・お守り、お札などお参りでいただいてきたもの
・子どもの受験のときなど親戚から頂いたもの
・縁起をかついだしゃもじやだるま
これらも処分しにくいもののひとつです。
そのままポイとゴミ箱に捨てるのは気が引けるので、次に神社に行ったときに「ちゃんと」お返ししよう、と思ったまま棚の上に置きっぱなしになっているお家をたくさん見てきました。
・仏事のときの清めの塩
・会葬返礼状
などもどうやって捨てたらいいのか分からず、紙袋などに突っ込まれたままになっている方もいらっしゃいました。
「ちゃんとしないとバチが当たる」と思いつつも結局ホコリだらけになっていたり、放置されたり。「ちゃんと」保管できていないのであれば、それは逆効果です。
私はそんなお客様には、「神社に返しに行けないのであれば、きれいなゴミ袋などに入れて感謝の気持ちをもちつつ自治体のゴミに出すこと」を提案しています。大切なものをホコリまみれのまま放置するよりもずっといいと思うからです。
ちなみに仏事の清めのお塩は固まらないよう乾燥剤などが入っていることが多いようですので、食用には使えません。これもまた普通ゴミで処分しましょう。
●3:「途中で挫折してしまった」「捨てにくい」もの
・梅仕事
・テーブルコーディネート
・ガーデニング
・ナチュラルクリーニング
などに関するグッズ。すてきなライフスタイルにあこがれて働いてみたものの、実際は毎日忙しくそこまで手が回らなくて放置しているものはありませんか?
せっかく買ったのだからちゃんとそれらを使いこなしたい、完成させたい、できる女性になりたい…という気持ちは分かりますが、いつのまにか「したい」が「しなくては」とプレッシャーになっていることに気づかないまま苦しんでいるお客様もいらっしゃいました。
今のライフスタイルには合わないことを認めて手放すと、家も心もすっきりします。
私自身もフルーツ酒をつくっている人を真似てつくってもましたが、結局飲みきれていません。ちゃんと飲みきってから…と思っているもののいつになることやら。思いきって処分します。
捨て活で“着ない服の基準”をつかむ方法
60代の洋服コーデや着こなし、リメイク術を、YouTube「手作りとシンプル生活」で発信している関東在住のpokkeさん。日常コーデや、服の捨て方、リメイク動画が人気です。そんなpokkeさんが考える「60代の捨てるべき服」について伺いました。
●60代になったからこそ手放す服3つ
年齢とともに、気分や体型に合った服は変わります。pokkeさんが今の気分や体型と違う服を手放していったら、自身が捨てる服には共通点があることに気づきました。
●1:もったいないから捨てられない服は、結局その後も着ない
たとえば6年前に着たパーティ用のワンピースは、思い入れもあり長年手放すことができませんでした。あるとき「これからは着よう!」と意気込みコーデも考案。しかしその後も、1回しか着ませんでした。
ほかにも4万円のコートも、もったいなくて捨てられずにいました。しかし新しく無印良品で買った8990円のコートを着てみたところ、無印のコートの方が軽く、すぐ好きになったそうです。
これらの体験から、「もったいないと感じても、今の自分の気分でない服は結局着ない」ことを実感したそうです。
●2:衿ぐりが開いて落ちる服は、面倒になるから手放す
衿ぐりが大きく開いた、ずるずると落ちやすい服もたくさん処分したpokkeさん。
以前は着用時、服がずれたときには都度直していました。しかし今では、その手間さえ面倒だと感じるように。「以前はできたおしゃれのための我慢が、だんだんできなくなってきました。同じように重い服も、もう難しいです」とpokkeさん。
今は同じように鎖骨が見える服でも、タンクトップのようなピタッとしたずれない服を愛用しています。上から羽織ものをかけて、ヘルシーに着こなしています。
●3:ぴったりした服は、着ていて心地よくないから捨てる
以前はぴたっとしたトップスに、ふんわりしたスカートを合わせるのが好きだったpokkeさん。
しかし最近では、タイトめのトップスや、お腹まわりがぴたっとした服は気分ではなくなりました。代わりにお腹をカバーできる、ゆとりがあるトップスを好むように。
ほかにも体重が変わらなくても、年齢とともに下がりやすいと言われる二の腕部分や脇部分。pokkeさんもこのあたりがきつく感じる洋服は、手放したと言います。
新しく服を買うときも、試着時に腕をぶんぶんと回すなどして、きつさや動きにくさがないかを確認します。