どんどん暑さが増すこれからの季節に気をつけたいのが、ときには命まで脅かすこともある熱中症。そこで、救命救急医・犬飼公一先生に、熱中症の基礎知識から、間違いがちな対策、さらに処置の方法まで教えてもらいました。正しい水分摂取について学びましょう。

正しい熱中症対策はどっち?<対策編>

熱中症対策も、普段から習慣化しておけば安心です。

●水分補給のタイミング。正しいのは「のどが渇く前に飲む」vs「のどが渇いてから飲む」

→乾いてからでは遅いことも! のどが渇く前に飲むことを習慣化

汗をたくさんかく夏は、のどが渇き始めてからでは、手遅れになることもあります。水分補給はのどの渇きとは関係なく行い、習慣化することで熱中症の対策をしましょう。

●夏にシャツを着るなら「インして着る」vs「出して着る」

→熱がこもらないよう、シャツは出して着るのが正解!

上着をスカートやパンツに入れると熱がこもりやすくなります。できるだけ風とおしのいい服装を心がけて、素材も汗をかいてもサラッと着られる吸水速乾性のものがおすすめです。

●熱中症対策で注意するべきは「7月」vs「8月」

→8月のお盆を過ぎると急増! 雨が増えたら要注意!

一年のうち熱中症患者が急増するのは、暑さに体が慣れていない5月と、雨が降り湿度が高くなるお盆以降の8月。軽い運動や入浴など、日頃から汗をかく習慣をつけましょう。

●水分補給の1日当たりの必要摂取量は「1.2リットル」vs「800ml」

→1.2リットル! 一度に飲む必要はなく、コップ1杯の水を8回くらいに分けて水分補給を。

最低でも1日1.2リットルの水分補給を心がけましょう。起きている時間を16時間と仮定すると、2時間ごとに150mlを8回に分けて飲むと、ちょうど1.2リットル。もちろん、それ以上飲んでもOKです。

●日差しを避けて休憩するなら「風がとおる木陰」vs「コンビニ」

→まず探すべきは、冷房の効いたコンビニ。近くにないなら風がとおる木陰でもOK。

暑さで体に少しでも異変を感じたら、近くにあるコンビニへ。冷房が効いていて、飲み物も購入できるコンビニはイチオシの避難スポットです。


【ポイント】エアコンの設定温度で油断しない! 心がけるべきは室温を28度にすること

家の中での熱中症を防ぐための室温は、28度が目安。エアコンの設定を28度にしても、室温が30度を超えているケースもあるので、エアコンを上手に活用し、室温が28度を超えないように注意しましょう。