(写真・時事通信)

 体調不良により、コンサートツアーの中止を発表しているEXILEのATSUSHI。7月7日には、参加する音楽ユニット「MIDNIGHT LONELY BOYZ」が1stデジタルシングル「LUNAR」をリリース。8日には、自身のInstagramのストーリーズで、だし巻き卵を作る様子を公開した。

 新曲発表や私生活の投稿で、ファンからは歓喜があがっているが、同時に体調を心配する声も――。

《体調不良のため療養を行っているEXILE ATSUSHIですが、徐々に回復はしているものの、長時間のパフォーマンスができるまでには至っていない状態です》

 所属事務所がATSUSHIについての情報を更新したのは、6月2日のこと。3月中旬に一酸化炭素中毒が疑われる症状があり、延期していた公演について、すべて中止とすると発表した。

「4月23日、事務所が一酸化炭素中毒を公表した時点では、休養は『6月4日まで』と具体的な期日が設けられており、順調に回復に向かっていると思われました。

 ライブは2時間を超えて歌い続ける、非常にハードな内容ですから、今回の発表は、ATSUSHIさんの体調がまだ万全の状態には戻っていないという判断があったのでしょう」(芸能記者)

 一酸化炭素は、一度に大量に吸い込んでしまうと、たった1分から3分程度でも死に至ってしまうことがある、無色透明・無臭の気体だ。しかし、吸入した際の症状は直後に出るものだけではない。

 本誌は、事務所がATSUSHIの症状を発表した4月、函館稜北病院総合診療科の舛森悠医師に話を聞いている。

「一酸化炭素を吸い込んでから、遅れて症状が出現したり、後遺症をもたらしたりする『遅発性脳症』と呼ばれるケースです。吸い込んで数日から数週間後に、まるで認知症になったかのように、物忘れが多くなったり、体の動きが鈍くなったり、言葉が出てこなくなる、といった症状が出現することがあるのです。

 ATSUSHIさんの症状がどのようなものかはわかりませんが、一度、治癒したように思える場合でも、上記のような症状が出現している際には、医療機関受診をおすすめします」

 一酸化炭素中毒は、炭素を含む物質が不完全燃焼した場合に発生する。多くの事故が、屋内の密閉された空間で炭火を使用したことによって起こっている。

 SNSでは元気な様子を投稿してくれたATSUSHIだが、一刻も早い快復を願うばかりだ。

取材協力・吉澤恵理(医療ジャーナリスト)