22年ぶりに来日する、演出家ムヌーシュキン率いる太陽劇団 『金夢島』を東京・京都にて上演
2023年10月~11月、東京・京都にて、太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)『金夢島 L’ÎLE D’OR Kanemu-Jima』が上演される。この度、公演詳細解禁、特設サイトなどがオープンとなった。
太陽劇団は1964年にフランスで演出家アリアーヌ・ムヌーシュキンを中心に旗揚げされ、25ヶ国以上、総勢約110名の多国籍・多民族のメンバーがいる、世界屈指の演劇集団。パリ郊外の劇団の本拠地はカルトゥーシュリ(旧弾薬庫)を改装し、劇場、アトリエ、食堂、住居まで備える舞台芸術の理想郷と言われている。ヒエラルキーをもたない独自の劇団運営と集団創作によって舞台芸術の創造と劇団の在り方を革新し、独創的な作品を生み出し続け、唯一無二の演劇集団として、世界中の演劇に影響を与え続けている。
(C)Michèle Laurent
(C)Michèle Laurent
東洋の伝統文化や民俗芸能に深い関心を示し、舞台表現に取り入れてきた太陽劇団。ムヌーシュキン自身も能、歌舞伎、大衆演劇など日本の芸能文化への憧憬を、劇団旗揚げ前から持ち続けてきたと言われており、2017年に久しぶりに来日したムヌーシュキンは、世阿弥が流された佐渡島等を巡る中で本作『金夢島』の構想を固め、創作を始めた。2019年には京都賞を受賞し、2001年以来となる来日の機運が盛り上がったが、コロナ禍で創作も滞り、来日公演も延期を余儀なくされてしまう。しかし 2021年秋『金夢島』はカルトゥーシュリで初日を迎え、そして、2023年、太陽劇団が22年ぶりの日本上陸を果たす。
(C)Michèle Laurent
(C)Michèle Laurent
上演される『金夢島』は、ムヌーシュキンが全身全霊の愛を捧げてきた東洋、なかでも日本の文化芸術に向けての大いなるオマージュとも言え、また、ムヌーシュキンと太陽劇団の集大成でもある作品となっている。
(C)Michèle Laurent
(C)Michèle Laurent
【あらすじ】
病床に伏す年配の女性コルネリアが、ガランとした室内で目覚める。部屋の窓から見病床に伏す年配の女性コーネリアが、ガランとした室内で目覚める。窓から見える風景は風変りな日本のようである。携帯電話の着信で目覚めた彼女は「いま、私は日本にいる」と話し、帰国を促す相手に、着いたばかりなので帰るつもりはないと抵抗する。しかし付き添いのガブリエルが電話を代わり、「コーネリアは日本にいると思い込んでいます」と相手に説明し、これは病人の幻覚だと説明する。
コーネリアとガブリエルが狂言回しとなって、コーネリアが夢の中で見る、日本を思わせる架空の島「金夢島」での出来事が舞台上で展開されていく。
金夢島の女性市長のヤマムラと、その補佐をするアンジュ、秘書のカイトウは、地域振興のため島での国際演劇祭を計画しており、世界各地の劇団が応募してきている。一方で、市長と対立するタカノやワタベといった男たちは、海千山千の弁護士ヒロカワに相談して市長から主導権を奪おうとしている。ヤマムラたちは島の伝統や自然を守っていきたい立場だが、タカノたちは、島のリゾート開発を目論む外国人資本家や建築家アマノと結託し、のどかな漁港を埋め立ててカジノ建設を企てていた。二つの思惑が交錯して、国際演劇祭の行方には暗雲が立ち込めていた……
アリアーヌ・ムヌーシュキンからのメッセージ
アリアーヌ・ムヌーシュキン (C)まつかわゆま
親愛なる日本の皆さんへ
太陽劇団は初来日から22年を経て、ようやく日本に帰ってこられることになりました。
2年以上の忍耐と努力、希望と失望、コロナとマスク、悲しい別れもありました。
でも、ようやく夢が実現します!
私たちの新作『金夢島 l’île d’Or Kanemu-Jima』を皆さんにお見せできることに、
俳優、スタッフたち劇団員全員が大きな感動に包まれています。
私たちの舞台は、夢の中の日本、時には悪夢のような、想像上の、時には風変わりな
熱烈に愛する日本です。
私は日本から私生活や芸術において多くの恩恵を受けました。
この公演はそんな日本に対する情熱的な愛と限りない感謝の気持ちを込めたものです。
太陽劇団が皆さんのもとへ。
日本へ。
10月に東京へ! 11月に京都へ!
とても待ち遠しいです。
大変光栄です、私たちは。
近いうちに!
アリアーヌ
「演劇とはまさに人間性の祭典そのものだ!」
(フセヴォロド・メイエルホリド)
2023年2月2日、パリにて
Chers amis au Japon,
Le Théâtre du Soleil revient enfin au Japon, 22 ans après son premier voyage.
Après plus de deux ans d’attente et d’efforts, d’espoirs et de déceptions, de Covid, de masques, de séparations
et de deuils, enfin le rêve se réalise.
Je voudrais que vous sachiez l’immense émotion que nous ressentons, tous, comédiens, techniciens,
administrateurs, toute la troupe, à l’idée de vous présenter ce spectacle, notre Île d’Or, notre Kanemu-jima, qui
met en scène un Japon rêvé, cauchemardé parfois, un Japon imaginé, parfois farfelu, toujours adoré pour ne
pas dire vénéré.
Un spectacle qui, en vérité, est un geste d’amour passionné et d’infinie Gratitude envers ce pays qui m’a tant
appris et à qui je dois tant dans ma vie personnelle et dans mon art.
Le Théâtre du Soleil arrivera bien.
Au Japon.
En octobre à Tokyo, en novembre à Kyoto.
L’impatience est immense.
Si honorés nous sommes.
A bientôt !
Ariane
« Le Théâtre n’est rien d’autre qu’une fête de l’humanité » Vsevolod Emilyevich Meyerhold
Ariane Mnouchkine, Paris, février