グローバル企業の58%、AIの脅威は「誇張ではない」と回答。米イエール大の調査
最近、米・イエール大学チーフ・エグゼクティブ・リーダーシップ・インスティテュート(CELI)によるオンラインイベントで、AIに関する調査が行われました。参加したのは、コカ・コーラ、Zoom、ウォルマートなど、米国のみならず世界を牽引する大手グローバル企業のCEO。小売、製造、テック、製薬、メディアなど、さまざまな業界のビジネスリーダーが集まり、調査に答えています。
その結果、CEOの34%が「AIが10年後に人類を滅ぼす可能性がある」と回答。8%は「5年後に人類を滅ぼす可能性がある」と答えたのです。また、AIがもたらす可能性のある悪影響について、58%が「誇張されたものではない」と答えたことがわかりました。
実は先日、テック関連のCEOが中心となり、AIの危険から社会を守るための措置が必要であると声明を発表したばかり。この声明に署名した人の中には、ChatGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEO、Googleの副社長を務めていたジェフリー・ヒントンのほか、Microsoftなどの幹部もいます。
しかも、AI開発の第一人者と言われるヒントン氏は最近、自分が開発に携わった技術が、いかに知能化が進んでいるかを懸念し、その技術に警鐘を鳴らすことを決意したそう。ヒントン氏はCNNのインタビューで、「AIが人間よりずっと賢くなったら、人間がかけた制限を回避するなど、操作が非常にうまくなるだろう」と語っています。
EU議会は、生体情報を使った監視技術の利用禁止や、AIが生成したコンテンツの開示義務など、AI規制案の策定を進めており、日本でもそれを参考に規制について議論が進んでいます。
AIが人間にとって脅威的な存在であることは、AIの開発に最前線で携わる人が最も強く感じており、各種の規制が必要な段階が迫っているようです。
【主な参考記事】
CNN. Exclusive: 42% of CEOs say AI could destroy humanity in five to ten years. June 14 2023