近年ブームの「サウナ」、ダイエットに効果的? メリットを医師に聞く
2019年以降、テレビドラマなどの影響でサウナがブームとなっており、首都圏を中心にサウナ施設の開業が目立ちます。サウナに入ると、どのような健康効果が期待できるのでしょうか。TCB東京中央美容外科の総括院長で、心臓血管外科医としての勤務経験もある、寺西宏王(てらにし・ひろお)医師に聞きました。
疲労回復などに効果的
Q.サウナに入ることで、どのような健康効果が期待できるのでしょうか。
寺西さん「サウナで体を温めると全身の血管が広がり、血流が良くなります。すると全身の細胞に血液が行き届き、必要な酸素と栄養が巡るので、疲労回復や健康効果につながります。
体が温まることで筋肉の緊張を緩和させるので、副交感神経が優位となり、不安感などからの身体的解放によるリラックス効果も期待できます。サウナと冷水浴・冷水シャワーを併用する『交代浴』がありますが、これは自律神経機能を高め、ストレスの解消やうつ病の予防につながるといわれています。
さらに全身の血流の改善は胃腸の働きを活発にし、サウナによる適度な疲労感は快眠効果を高めるともいわれています。サウナによる体温の上昇によって、疲労物質などは汗とともに体外に排出され、汗腺・皮脂腺を清潔に保ちます。
栄養状態の改善、良質な睡眠、汗腺・皮脂腺の清潔は、健康はもちろんのこと美肌効果にもつながるでしょう」
Q.では、サウナにはダイエット効果も期待できるのでしょうか。
寺西さん「もちろん期待できます。サウナで体温を上げることで新陳代謝が促進され、消費カロリーが増えます。サウナで多量の汗をかくことは、むくみの改善にもつながります。
しかし、サウナだけで体重を大幅に減らすのは現実的ではないため、食事の改善と運動に取り組んだ上で利用する必要があります。サウナは、あくまでダイエットを効率的にする方法と捉えることが重要でしょう」
Q.サウナに入る際の適切な時間帯や頻度について、教えてください。
寺西さん「サウナは、個人の生活スタイルに合わせてさまざまな利用法があるので、時間帯や頻度に関して正解はないように思います。
サウナによる快眠効果を最大限に高めたい場合は、寝る1〜2時間前の利用が最も効果的と考えられます。サウナに入った後は体の深部体温が高く、皮膚の表面温度が低い状態になりますが、その後時間をかけて深部体温が下がり、眠るための理想的な体温に推移します。
つまり、サウナに入るタイミングを考慮すれば、サウナ後に得られる副交感神経の高まりと深部体温の低下によって快眠効果を最大限に高めることができます。
ただし、毎日、サウナに長時間入ったり、頻繁に入ったりすると、かえって疲労が蓄積する可能性があります。ある調査では、仕事前の朝サウナが日課となっている人が多いようですが、体への負担や仕事への影響を考慮する必要があると思います。
慣れの度合いにもよりますが、『1回数分のサウナ』『休憩』を3セット程度繰り返すのが一般的かと思います。朝サウナの場合は、休憩なしの1セットにするなど、体への負担を減らすのがお勧めです」
サウナの利用時は大量の汗をかくので、水分補給を忘れずに行いましょう。