初飛行から20年、インドにとっては夢見た一里塚かも

日本は到達していない“国産ジェット戦闘機×正規空母”

 インド海軍は2023年2月6日、国産戦闘機「テジャス」が国産空母「ヴィクラント」における発着艦に成功したと発表しました。


インド海軍の空母「ヴィクラント」で着艦テストを行う、インド国産戦闘機「テジャス」(画像:インド海軍)。

 発表によると、「テジャス」の発着艦は海軍パイロットの操縦で行われたそうで、洋上の空母「ヴィクラント」の着艦したのち、こんどは艦首のスキージャンプを利用して発艦に成功したとのこと。

 そもそも「テジャス」は、LCA(Light Combat Aircraft:軽戦闘機)の名称で1980年代から開発をスタートしたインド独自開発のジェット戦闘機で、水平尾翼のないデルタ翼形状の単発エンジン機です。

 まずは空軍型の実用化が進められたものの、度重なる開発遅延によって初飛行は2001(平成13)年1月にずれ込み、運用開始も2016(平成28)年1月になってしまいました。それでも、完全作戦能力(FOC)を2020年3月に獲得するなど、徐々に活動の幅を広げています。

 海軍型(艦載型)も当初は2008(平成20)年の初飛行を予定していましたが、同様に開発は遅延し、当初の計画から4年遅れの2012(平成24)年4月に初飛行しています。

 ただ、その後2020年1月に旧ソ連製の未成艦を改装して就役させた空母「ヴィクラマディティヤ」への着艦テストを無事終えており、このたび念願の国産空母での発着艦に成功しました。

 インド海軍も今回の試験成功は歴史的なマイルストーンであると明言しており、オリジナル設計の戦闘機と空母を開発し、製造、運用したことでインドの工業技術が持つ高い能力を実証したと述べています。