計58両が須磨沖の海底に眠っています。

半世紀を経てはじめて現状が明らかに


広島電鉄で第二の人生を送る元神戸市電の車両(画像:広島電鉄)。

 神戸市は2023年2月7日(火)、西神中央の埋蔵文化財センターで、約50年前に須磨沖に沈められた神戸市電の車両の現在について、写真と部品の展示を開始しました。

 これは先月から開催されている冬季企画展「神戸・うつりかわる町とくらし3〜昭和ノスタルジー〜」の追加展示物として置かれるものです。

 神戸市電は1960年代に交通事情の悪化にともない順次縮小され、1971(昭和46)年に全廃。神戸高速鉄道や市営地下鉄、市バスなどに役割を譲りました。

 その際に大量に余った路面電車の活用法として、須磨沖に「魚礁(魚の住みか)」として沈めることが決定。58両が順次海底へ投入されたのです。

 それから半世紀が経った2021年12月、地元の漁師組合と海中写真家・宮道成彦さんで海底調査をおこない、元市電車両の現状がはじめて明らかになりました。今回の展示では、海底で撮影された写真と、採取された車内スイッチ類などの部品が公開されます。

 企画展は3月5日まで。あわせて「市電のはしる風景」コーナーでは、かつての市電の姿を写真等で楽しむことができます。