東武東上線「末端区間で終電大幅繰り下げ」の理由は? 「電車で帰れる」生み出す「恵みの57分」
東武東上線では、末端区間ともいえる寄居〜川越市間で1時間近い終電繰り下げが行われます。昨今では大都市圏でも終電の繰り上げが進む中、異例とも言える動きですが、なぜこのようなダイヤ改正となったのでしょうか。
森林公園〜寄居間は最大57分も繰り下げに
東武東上線では、2023年3月18日に予定しているダイヤ改正で、寄居〜川越市間の平日上り終電が大幅に繰り下がります。寄居〜森林公園間は最大57分、森林公園〜川越市間は最大52分もの繰り下げとなります。
末端区間で終電繰り下げが行われる東武東上線(画像:写真AC)。
これにより、現行のダイヤでは、小川町駅乗り換えで寄居駅23時11分発・川越市駅着24時12分であった終電が、ダイヤ改正後は寄居駅24時08分発・川越市駅着1時02分となります。
都心から見ると”末端部”ともいえる区間でピンポイントに行われる、終電の大幅繰り下げ。昨今では大都市圏でも終電の繰り上げが進む中、異例とも言える動きです。なぜこのようなダイヤ改正となったのでしょうか。
今回の終電繰り下げの理由について、東武鉄道によると「沿線のお客様の利用が見込まれるようになったため」(広報部)とのこと。
当該沿線では近年変化が起きており、たとえば2020年には、ホンダ埼玉製作所寄居完成車工場の隣接地に、東上線の新駅「みなみ寄居駅(ホンダ寄居前)」が開業。その後、ホンダ狭山工場の機能も寄居工場に集約されています。
ホンダ埼玉製作所は交替制勤務を採用しており、6時30分から15時15分までの「1勤」、15時05分から23時30分までの「2勤」、23時20分から翌日6時40分までの「3勤」といったシフトになっています。今回のダイヤ改正後で終電が繰り下がると、これまで電車で帰れなかった「2勤」の終業者も、川越市駅行きの終電に間に合うようになるというわけです。
3月18日のダイヤ改正で東上線ではこのほか、相鉄新横浜線・東急新横浜線との直通、TJライナーや川越特急の増発、停車駅変更、運転本数の見直しなどが行われる予定です。