まさかUFO？要潤の月食写真に「謎の物体」 ネット騒然、その正体は...専門家に見解を聞いた
「これって、U、UFOですかね？」――。俳優の要潤さん（41）が2022年11月9日にインスタグラムに投稿した、8日の皆既月食の写真が注目を集めている。
要さんは撮影した月の拡大写真などを投稿しているが、その画像には、一見して何なのか判別しづらい「謎の飛行物体」が写り込んでいる。これについて、要さんが疑問を投げかけると、ファンを巻き込んでの推測合戦に発展した。
いったい、この物体は何なのか。J-CASTニュースが専門家の見解を聞いた。
「えー！凄い なんなんでしょうか」
投稿で要さんは、3枚の写真を公開。1枚目は赤褐色に輝く月を引きで撮ったもので、2・3枚目は月を拡大したものだ。これについて、要さんは、
「昨夜の皆既月食＆惑星食。アップで見てみると、謎の飛行物体が...(赤丸部分)！？ 連続で見ると移動してるし...これって、U、UFOですかね？」
と、2枚目と3枚目に正体不明の物体が写り込んでいると指摘する。
事実、2枚にはそれぞれ小さい黄色い点が写っており、月とカメラの間の上空に存在している何らかの物体のようにも見える。
写真を見たファンからは「えー！凄い なんなんでしょうか」といった疑問の声のほか、「要さん、凄い U.F.Oですね」「UFOであって欲しい」といった「UFO説」に賛同する声、さらには、「宇宙のゴミ又は人工衛星 じゃないかな？」「宇宙ステーションじゃないですか？」といった、その正体を推測する声も寄せられている。
その後、要さんは10日にこの投稿についてツイッターで、「おはようどんです。昨日の月の飛行物体がUFOよりも人工衛星の筋が濃くなって来ましたので報告します」とファンに呼びかけ、これに対しても「UFO信じてる派です」「あら、違いましたか」といった反応が寄せられるなどしている。
専門家が指摘した「6つの可能性」
今回、J-CASTニュース編集部は神奈川県平塚市の「平塚市博物館」で天文分野の学芸員を務める藤井大地氏に、要さんの写真に写り込んでいる物体について分析を依頼した。
取材に対し、藤井氏は6つの可能性を指摘。その中でも1番可能性が高いものとして「ホットピクセル」という、写真を撮影した機材側に原因がある可能性を指摘した。
藤井氏いわく、デジカメやスマホカメラの撮像素子を構成する素子の1つ1つが経年劣化していくと、それが異常な電気信号を発することがあるという。その結果、写真の何もないところに点が出来てしまう「ホットピクセル」という現象が起き、何らかの物体が写り込んでいるように見えることがあるという。
その次にあり得る可能性として、撮影中に宇宙から飛んできた放射線が素子に当たり、その結果として、やはり異常な信号が発せられて白っぽい点として記録された可能性を指摘した。
また、それ以外の可能性として藤井氏は、月面に隕石が当たった際に発生する「月面衝突閃光」の可能性、さらには、「人工衛星」「流星」「飛行機」の可能性も指摘したが、いずれも上記の2つよりは可能性が低いという。
まず「月面衝突閃光」については、月面に隕石が落下した際に光が放出される現象だが、その光は微弱であり、通常は三日月など月が細い時に光っていない箇所で見られるものであると指摘する。
また、「人工衛星」「流星」については、点に妙にピントが合いすぎているように見えるのが不自然であること、「飛行機」については、本当に飛行機だった場合は黒っぽい影、つまりシルエットのような感じでぼんやりと写り込む可能性が高いことを挙げた。
「移動疑惑」はどう説明できるのか
なお、要さんは「連続で見ると移動してるし...」と、光る点が撮影中に動いていたのではないかと訴えているが、これに対して藤井氏は、「ホットピクセル」が原因だった場合の可能性として、複数枚の写真を撮影している最中にデジカメやスマホがブレた際に、月に対してホットスポットの位置がずれてしまい、その結果、光る点があたかも移動したかのように見えてしまう可能性を指摘した。
（J-CASTニュース編集部 坂下朋永）
