ラ・リーガ今季注目の11人/GK&DF編  MF&FW編>>

スペインのラ・リーガは開幕3試合が終わり、今週末は第4節が行なわれる。レアル・マドリードが3連勝と好スタートを切っているが、他チームにも活躍が目立つ注目選手が多い。そこでスペイン最大手スポーツ紙『マルカ』のマリオ・コルテガナ記者に今季おすすめの11人を選んでもらった。ここではGK&DFの5人を紹介する。

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レアル・マドリード2季目のダビド・アラバは攻守に高い貢献度でさすがの活躍 photo by Getty Images

無名の遅咲きがハイパフォーマンス

GK/フェルナンド・マルティネス(アルメリア)

 フェルナンド・マルティネスという名前は国際的にはもちろん、スペイン国内でも一般的にはほとんど知られていない。それは、彼がプリメーラ(1部)デビューを飾ったのが今年8月で、しかも32歳と遅咲きだからだ。

 3季に渡る激しいポジション争いを経て、昨季ようやくレギュラーの座を獲得。セグンダ(2部)42試合をわずか33失点に抑えてサモラ賞(最小失点率GK賞)を獲得し、チームのプリメーラ復帰に大きく貢献した。

 今季開幕のレアル・マドリード戦では好セーブを連発し、チームは逆転の末に敗れたものの、ベテランGKには称賛の声があがっていた。その後、アウェーでエルチェと引き分け、ホームでセビージャに勝利し、残留を目指すチームにおいて2試合連続での勝ち点獲得の立役者のひとりとなっている。

 3試合でリーガ最多の19セーブを記録し、デュエル勝率100%というハイパフォーマンスを披露しているため、彼がまだクリーンシートを達成できていないのは驚くべきことだ。

開幕3試合無失点のDFコンビ

DF/フアン・フォイス(ビジャレアル)

 フアン・フォイスに関しては昨季だけでも語れる事象がたくさんあったが、今季の開幕戦からの数試合で、その考えが間違いではなかったことを再認識できた。ウナイ・エメリ監督が彼を主力選手としているのはもちろん、数多くの指揮官たちも強く欲する選手へと成長した。

 そのなかで最も彼に執着しているのはバルセロナのシャビ・エルナンデス監督だ。しかしビジャレアルが高額な契約解除金を支払う以外に獲得の余地がないと明言し、交渉は成立しなかった。

 フォイスはなぜこれほど望まれる選手となったのか? それは本来のポジションであるセンターバック(CB)での絶対的な信頼を備えた上で、さらに右サイドバック(SB)として大きく成長したからにほかならない。ここまで全試合に先発出場し、安定感あるパフォーマンスでボールリカバリーやデュエルにおける能力の高さも示していた。

 フォイスの守備における活躍がなければ、バジャドリードとアトレティコ・マドリードに勝利し、ヘタフェに引き分け、勝ち点7を獲得することは難しかっただろう。チームメイトは彼の判断力やボールに対する堅実さ、オーバーラップを仕掛けるタイミングや相手ペナルティーエリア内に頻繁に進入する能力など、攻守に渡り高く評価している。

 残念ながら、その第3節ヘタフェ戦で全治2カ月の重傷を負ってしまったが、復帰後のプレーが楽しみな選手だ。

DF/ラウール・アルビオル(ビジャレアル)

 フアン・フォイスが絶好調だった理由のひとつには、経験豊富なベテランCBラウール・アルビオルの存在があることが大きい。スペインの伝統を受け継いだ優れたボールタッチを特徴とし、対人プレーやヘディングの強さが際立っている。9月4日で37歳になるが衰えを全く感じさせておらず、スペイン代表候補のひとりにも挙がっている。

 パス能力にも優れ、ここまでの3試合のパス成功数はリーガ4位(187本)、自陣でのパス成功数はリーガ2位(123本)というデータは、プレーが非常に正確な選手である証しとなっている。

 彼の好パフォーマンスによりビジャレアルは無失点、無敗を誇り、チャンピオンズリーグ出場圏内を狙える5位につけている。

攻守に能力を発揮

DF/ダビド・アラバ(レアル・マドリード)

 ダビド・アラバはレアル・マドリードで2シーズン目をスタートしたばかりだが、それを知らない人は、彼が10シーズン目と聞いても疑問に思わないだろう。昨季、強烈なリーダーシップを発揮してDFラインを統率し、エデル・ミリトンが時折見せた注意散漫なプレーを補い、加入初年度にしてチームを優勝に導く立役者のひとりとなった。

 今季はより多くのローテーションが実施されると予想されるが、適応期間をほぼ必要とせず、チームで4番目に出場時間の長い選手となった昨季同様、多くの試合でその勇姿を見ることができるだろう。

 また、今回はリーガに焦点を当てているが、UEFAスーパーカップのフランクフルト戦でのゴールも忘れることはできない。自身12年連続となるタイトル獲得を早々に確定させてから、今季のリーガ開幕を迎えている。

 初戦のアルメリア戦は休養のためベンチスタートだったが、途中出場後すぐにボールを拾ってFKから直接ゴールネットを揺らし逆転弾を記録した。続くセルタ戦でもアシストし、目に見える形で攻撃に貢献している。

 アラバは以前、時間が経つにつれCBのほうがしっくりくると告白していたが、開幕戦と第3節エスパニョール戦は左SBでプレーし、守備におけるユーティリティプレーヤーであることを証明している。

 また、パス成功率は90.82%、陣地でのパス成功率は82.28%と、洗練されたボールさばきで攻撃の起点にもなり、攻守に渡って能力の高さを見せつけている。

DF/ハビ・ガラン(セルタ)

 ハビ・ガランはすでに昨季、高い評価を受けていた選手だった。セルタが1年前に費やした約400万ユーロ(約5億6000万円)という移籍金は、その能力からすると、今非常に安いものに感じているはずだ。

 ここまでの3試合、1勝1分1敗と調子の上がらないセルタにおいて、エドゥアルド・コウデ監督は強烈かつ巧みな左足を備えるこの選手に大きな信頼を寄せている。エースのイアゴ・アスパスとともに注目されるに相応しい活躍を見せており、バルセロナが今夏、左SBの補強候補に挙げるまでになっていた。

 DFでありながら、今季のリーガで2番目にドリブルを成功させている(9回)。さらにクロスの精度も高く、1アシストを記録。しかし守備をおろそかにしているわけではなく、相手FWと激しく球際を競り合い、ここまでリーガで2番目にボールを争った選手(49回)、その勝利数が3番目に多い選手(25回)となっている。