夢奈さん(20代・仮名)

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 “アイドル戦国時代”と言われて久しいが、今もなおアイドルは増え続けている。とくに近年は、事務所には所属せず、フリーランスで活動するアイドルたちがSNSを中心に目立つようにもなってきた。

 筆者もフリーでグラビアアイドルをやっているが、メリットとして挙げられるのは、自分の好きな仕事を選択できるうえ、ギャランティも事務所にピンハネされず、全て自分の懐に入ること。デメリットとしては、誰も守ってくれないぶん、仕事の内容や金銭関係で揉める可能性があることだ。

 フリーのライブアイドルとして活動していた夢奈さん(20代・仮名)は、SNSでファンと直接交渉し、個人撮影会を行ったが、危険な目に遭ってしまった経験があるという。

◆SNSでファンから「個人撮影をやらないか?」

 彼女はコロナ禍の真っ只中、ライブができないことから個人で撮影会を始めることになった。

「ライブアイドルとして、ちゃんとしたお披露目はまだでしたが、SNSはやっていたので応援してくれるファンはいました。そのうちの1人から『個人撮影をやらない?』というDM(ダイレクトメール)がきたんです。周りの友人でもSNSのDMを通じて撮影会をやっている子がいたので、どんな感じなのか聞いて自分もやってみようかな、と。1対1の撮影会ならば感染リスクも少ないだろうと思って。どうせコロナ禍でライブもできないし、バイトもできない。金銭的にも困っていたので」

 個人撮影会の依頼主は地方に住む40代の男性だった。彼のSNSには、アイドルに限らず、色々なジャンルの女の子を被写体にしたポートレート写真が載っていた。そのなかには夢奈さんの友人の写真も含まれており、クオリティも高かったという。

◆3時間1万円「楽なバイトだなって思いました」

「初めて撮影した場所はお台場でした。待ち合わせて挨拶したあとは、歩きながら撮影。3時間拘束で1万円。正直、楽なバイトだなって思いました」

 お台場の場所柄、まわりはカップルばかり。撮影の様子をはたから見ても「多分デートにしか見えなかったと思う」と夢奈さんは苦笑する。

 その後、2回、3回……と撮影会を続けるうちにカメラマンからの要求に不審な点が出てきたと話す。

「遊園地とか高尾山とか、いろんな場所を指定されるようになって。遊園地はほぼ遊んでいるだけで、写真なんか撮ってないし。高尾山なんて早朝集合の夜解散で1万5000円(笑)。さすがにもっとくれるかと思ったのに」

◆“撮影会”とは名ばかり、ギャラ8万円の1泊旅行

 “ちょっとおかしいな” とは思いつつ、夢奈さんはカメラマンと旅行にも行ったというから驚きだ。

「撮影会とは名ばかりで、たんなる旅行です。熱海に行ったんですが、行き帰りの移動やホテルは別で、お昼ごはんと夜ごはん、観光に付き合って1日で8万円を提示されたのでアリなのかなって……。この旅行がキッカケで彼との関係がおかしくなったのかもしれません」

 解散したあとから、彼のSNSは夢奈さんの写真と夢奈さんに向けたポエム一色になったという。「少し気持ちが悪い」と思ったが、翌月も撮影会を行った。

「次第に慣れてしまって、もう定期的なバイトの感覚になってしまっていました。その日は、昼過ぎから下町を散歩して、夜はイルミネーションを見ながらの撮影でした。私は午前中は講義があったのでクタクタ。帰りの電車で少し寝てしまったら、急に手を繋がれて……そこで目を覚ましました」

◆謎の理屈「本気で好きになったからお金を払いたくない」

 触れられたのは初めてだったので、さすがに注意した。だが、それに対して彼は居直ってしまう。さらには、ギャラの支払いを拒否するように……。