※この記事は2015年09月18日にBLOGOSで公開されたものです

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18日、永青文庫（東京文京区）で、春画をテーマにした国内初の展示会「SHUNGA 春画展」の内覧会が行われ、多くの報道陣が詰めかけた。

展示会にあわせ、雜誌でも特集が組まれるなど注目が高まっている「春画」。書籍や雜誌といった"印刷物"では目にする機会が増える一方で、様々な事情から"オリジナル"の展示会開催を受け入れる博物館や美術館が無かったことから、実現は難航してきた。

海外では一昨年、大英博物館で開催された展示会「春画 日本美術の性とたのしみ」が大きな反響を呼び、宇多田ヒカルさんが日本で開催されないことを残念だとするツイートしたことも話題になった。そのような中、永青文庫理事長の細川護煕元首相が受け入れを決断、今回の展示会開催となった。

細川理事長は「春画は日本の文化と切っても切れない、世界に誇れるものです。喜多川歌麿や葛飾北斎も素晴らしい作品を残しています」と挨拶。
三宅秀和学芸課長も、「（春画は）日本人が非常に親しんできたものだった。」「個人で楽しむだけのものではなく、性器をモチーフにしたものが登場するお祭りが全国にあるように、健康や子孫繁栄を祈る意味で婚礼の調度品にもなっていた。春画を通じて、今よりもオープンだった昔の日本人の姿も想像できる。」と説明した。

今回の展示会では、歌麿、葛飾のほか、鈴木春信、鳥居清長、菱川師宣など、浮世絵の大家たちによる春画が楽しめる。内容も、将軍家や大名、富裕層が絵師に描かせた"一点もの"の肉筆の絵巻物、屏風から、庶民向けに販売されていた「豆判」まで、制作年代、表現形式・形態も実に様々だ。永青文庫が所蔵する、細川家伝来の作品も展示される。

ただし、表現の内容に鑑み、18歳未満は入場することができず、会場では年齢確認も実施する。三宅学芸課長は、「90年代から少しずつ一般の評価や関心も高まり、最近では少しずつだが展示される機会も増えてきました。このように多くのマスコミの方が取材に来られ、開催すること自体がニュースになるということが、まさに現代の私たちの"常識"が何かを示していると思います。今回は18歳未満は入場禁止ですが、将来は映画のように"R15"ということで高校生の方に鑑賞いただける機会も出てくるかもしれません」と話していた。

開催期間は9月19日（土）から12月23日（水）まで。

・SHUNGA 春画展｜Twitter