オリンピックの正式種目に採用されるなど近年人気の高まっているスケートボード。広島も例外ではありません。

しかし県内ではそうした人気に水をさすような出来事も起きていました。

福山市の緑町公園に5月14日にオープンした水遊びができる噴水施設。

早くも子どもや学生たちでにぎわう人気スポットになっています。

子どもを連れた母親「あんまりなかったのでこの辺に、簡単に水遊びができるところがありがたいです」

しかし・・・

寺田琢哉記者「水遊びをする人でにぎわっているこちらの施設ある問題が起きています」

子どもたちがかけまわるウッドデッキに空いた穴。穴の周りにはスケートボードとみられるタイヤの跡が。

この被害が確認されたのはオープン当日の午後7時ごろ。仮復旧をしたものの修理には10万円近くかかるといいます。

さらなる被害を防ぐため夕方になるとブルーシートとカラーコーンで周囲を封鎖しているといいます。

子ども連れた母親「エフピコのほうにスケボーの施設とかがあるので、できればせっかくきれいにしてもらったのでちゃんと分けてお互いに楽しめたらいいなと思います」

人気と比例するように増える問題。

一方広島市でも…

週末、多くの親子連れでにぎわう中区・千田公園。

斉藤俊幸記者リポ「あーやってますね、子どもたちが遊ぶ公園のすぐそばでスケボーする若者がいます」

10人前後の若者たちが公園のブロックを使って楽しむその横には「スケートボード禁止」の文字が…

市は公園条例の「利用者に迷惑を及ぼす行為」にあたるとして禁止しています。

さらに市によると、ボードによってブロックが削れたり、ワックスとみられる黒ズミがついてしまったといいます。

保護者「離れたところであれば問題ないとは思うんですけど、子どもが走り回っているところの近くであれば危ないと思うことはありますね」

記者「実際にお子さんの危ないシーンはない?」

保護者「ここではないですけど、至る所でそういうシーンはありますので、その近くに行ったときに流れてきたスケボーに接触しそうになったりしたことは過去にあります」

一方でこんな意見も…

保護者「あんまりあちらには行かないので、むしろそういうのが開放的でいいなと思ったりするし流行っているのもあって、この子もスケボーをさせたいなと思っている。子どもも自分自身で気を付けたり興味を持ってみてる時もあるので…」

人が通る時には練習をやめるなど配慮しているように見えるものの、小さな子供も遊んでいるため急に飛び出すと危なそうです。

当のスケートボーダーたちにとってはそこまでして使わざるを得ない事情があるといいます。

記者「ここ禁止エリアじゃないですか」

スケートボーダー「はいはいはいはい」

記者「それでもこの場所でやるのは理由があるんですか?」

スケートボーダー「まあやっぱりこの場所の環境ですかね…この高さとか、路面が良かったりとか」

記者「禁止とかってのがあったらやりづらいんじゃない?」

スケートボーダー「ここはOKしてほしい。やるなっていうんだったら場所を作ってほしい」

市内にスケートボードのできる公共施設はたった1カ所。

楽しみたくても気軽に楽しめる環境がないというのが現状です。

そして、その1カ所も

広島スケートボード協会 寳田会長「補修作業中で現状使えない状況。6月末から7月にかけてまた再稼働するようになるが、それまでみなさん滑る場所がないので『難民状態』」

どこならスケートボードを楽しめるのか。

この状況を改善しようと4月、寳田さんらが中心となり協会を設立。

来年には旧市民球場跡地に専用施設も建設される予定で、環境は徐々に変わりつつあります。

広島スケートボード協会 寳田会長「せっかくこうやって盛り上がっているところが悪いイメージになるのはあまりよろしくない。行政とも上手く連携をとりながらそれをやることで地域の方たちにも応援してもらえるように活動していければ」

オリンピックの盛り上がりでこれまでにないほどの注目を浴びるスケートボード。

競技人口が増える中、受け皿となる場所の確保が不可欠です。