サードウェーブは、ノートPCブランド「THIRDWAVE」において、新シリーズ「Sシリーズ」を発表しました。「SA503i / SA505i / SA507i(以下、SA50Xiと略記)」の3機種を2022年5月19日19時から受注開始します。

○基本性能に加えて見た目にもコダワリの新シリーズ

事前製品説明会では、冒頭、サードウェーブ 製品・マーケティング統括本部 本部長 佐藤和仁氏が「カラバリ、キーボードのピッチと剛性感で好評を得ており、本日の製品もその内容を踏襲したうえで機能を追加している」とあいさつ。次に、サードウェーブ 製品・マーケティング統括本部 THIRDWAVE Product manager 笠浪潤氏がSA50Xiの製品概要を紹介しました。

笠浪潤氏によると、従来から提供しているDXシリーズは企業向けを強く意識した製品で、BTO対応やプラスチック筐体のコスト最重視設計、そして追加購入に向く2世代デザイン継承という内容でした。対して今回のSA50Xiは、2021年11月18日に発表した「THIRDWAVE F-14TG」同様にUI / UXを改善したキーボードや、Thunderbolt4による拡張性、アルミ外装に加えて、ACなしでも長時間利用できるバッテリを搭載し、PD化が行われています。

サードウェーブ 製品・マーケティング統括本部 本部長 佐藤和仁氏

サードウェーブ 製品・マーケティング統括本部 THIRDWAVE Product manager 笠浪潤氏

従来のDXシリーズが、BTO対応でコストと企業向けを強く意識したのに対し、Sシリーズは快適な打鍵環境、外部拡張性、モダンデザインと屋内モバイルを重視

キーボードに関してはデスクトップの標準キー配置、ピッチを意識した19.6mmピッチや逆T字テンキー、独立電源ボタンに加えて(15.6インチで)余ったスペースにテンキーを配置しているのが特色です。テンキーは「ネイルチップ・テンキー」と称しており、かなりキーピッチが狭いもの。タッチパッドがテンキーパッドになる仕組みも用意しました。

従来サードウェーブのノートパソコンではタッチパッドに指紋センサーを搭載している製品が多かったのですが、今回の製品では本体横に細長い指紋センサーがあります。今どきのスマホライクなセンサーなので違和感は少ないでしょう。

アルミ外装は天板にありそうなロゴもなし。カラーリングもカラバリがありませんがシルバーにしないところに個性を感じます。

外部インターフェースは、USB-C端子が2つ(USB 3.2:PD / DisplayPort ALT / Thunderbolt4対応)とUSB 3.2 Gen2対応のUSB TypeA端子、USB 3.2 Gen1対応のUSB TypeA端子、USB 2.0、HDMI(2.0b)、ヘッドセット、MicroSDXC(128GBまで対応)。USBが5つあるのはかなりいい感じです。

「THIRDWAVE」のSシリーズとして発売される新製品SA50Xi

ロゴのないシンプルな天板。65WのPD電源が同梱されるので、お出かけ時はこの電源でスマホ充電も

キーボード部。「THIRDWAVE F-14TG / raytrek X4-T」とほぼ同一のキーボードにテンキーを追加

従来、THIRDWAVEのノートパソコンはタッチパッドに指紋センサーを埋め込んでいましたが今回はありません

代わりにテンキーを多用したいという人向けの「フロスト・パッド」を搭載。ジェスチャー操作は便利ですが、机の上ではマウスを使う人が多いのでこれもアリでしょう

「raytrek X4-T」とSA50Xiを並べたところ。モバイル性を重視しないならば15.6インチ製品のほうが便利です

左側面は奥から手前にUSB 3.2 Gen.2(Type-A)、USB 3.2 Gen.1 Type-C / Thundervolt4(USB PD電源 / Displayport 1.2対応)×2、HDMI 2.0b

右側面は奥から手前にヘッドセット端子、USB 3.2 Gen.1(Type-A)、USB 2.0(Type-A)、MicroSDXCカードリーダー、指紋センサー

○上海ロックダウンと物流の混乱で出荷は遅れるかも!?

企業向けなので「経費で買える10万円」が目標とのことですが、昨今の半導体不足と為替変動もあり、価格はSA503iが91,980円、SA505iが102,980円、SA507iが124,980円。真ん中の製品が「税別ならば10万をギリギリ切る」とのことですが、SA503i / SA505iはメモリ8GB / SSD256GBなのが、やや気になるところです(SA507iはメモリ16GB / SSD512GB)。

メモリとストレージ以外では、モデルごとにCPUが異なります。SA503iがIntel Core i3-1115G4、SA505iがIntel Core i5-1135G7、SA507iがIntel Core i7-1165G7を採用しており、SA503i以外はIntel Iris Xeグラフィックス対応です。

その意味では、SA505iが文字通りガッツリど真ん中のスペックでイチ押しだと思いますが、8GBのメインメモリはOfficeアプリや多くのWebブラウザタブを開く人には少々厳しい感じがあるので、長く使いたい人にはSA507iがおススメです。

今回発表の製品スペック一覧。半導体不足と価格上昇は理解できるのですがメモリ増設・交換できないのでRAM16GBが最上位モデルしかないのが少々厳しいところ

外部ポートの説明。これだけポートがあれば普段使いには十分すぎるほどでしょう。USB-C端子を左右ひとつづつが理想ですが、設計上難しいのです





なお、Webカメラにはプライバシーシャッターが付いています

今回のSシリーズ製品は2022年5月19日に受注開始ですが、製品出荷予定日は(事前説明会時点で)SA505i/SA507iが5月26日、SA505iが6月2日です。笠浪氏によるとコロナ禍と中国のロックダウンによって遅れ気味になっており、直前で変更が入る可能性もあるとコメントしていました。

BTO要素なしですが、内部拡張性に関してM.2 SSDが交換可能になっています