東京・西麻布にある在日ウクライナ大使館

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ウクライナに対するロシア侵攻を非難するとともに、世界各国の大学がロシア連邦の教育機関との協力を停止しています。当館が日本大学にも侵略国との協力関係の断絶を呼びかけました》

在日ウクライナ大使館が3月10日にTwitterでつぶやいたこの投稿が物議を醸している。

ロシア軍による軍事侵攻が激しさを増すウクライナ。南東部の小児病院までもが空爆を受けるなど、理不尽な戦争に反発する声が世界的に高まっている。

そんななか、在日ウクライナ大使館はTwitterでウクライナの情勢を定期的に発信し、Twitterを通じて寄付金を募るなど、ウクライナをサポートするべく日本から尽力していた。

そんななか、呟いた冒頭の投稿。ロシアの教育機関との協力関係にある日本国内の大学に関係を解消するよう求めたのだ。あわせて呼びかけた日本の大学のリストが記された写真も投稿していた。

ウクライナが卑劣なロシア侵攻を受けるなか、ロシアの町との「姉妹関係」を保ち続けるのは偽善のように思われます。当館が日本の都道府県及び市に対して、ロシアの地域及び市との姉妹関係の断絶を呼びかけました》

これを受け、ネット上では議論が勃発。ロシアへの怒りには理解を示しながらも、大使館が分断を煽ることに疑問を示す声が相次いだ。

《坊主憎けりゃ袈裟まで、は違うのでは?お気持ちは理解したいと思っています。けれど姉妹都市の件といい、今あるルートを平和的に利用する事を考えて欲しいです。断絶ではなく、偽善と言われようとも》
《姉妹都市提携を切れもそれをウクライナ大使館から言っちゃうのはダメでないですか!?》
《在日ウクライナ大使館、ロシアと関係ある姉妹都市や大学と断絶するように呼びかけてるけど完全に逆効果だな。ロシア許すまじのハードな支持層には効くけど、ウクライナ大変だなと同情していたソフトな層は気持ちが冷めてしまうし一度冷めた気持ちはなかなか戻らない》
《ロシアに関することを学んでいるからといってそれは当人の政治的な立場には関係ないし、まともな大学が応じるはずもないあんな軽薄で短絡的な呼びかけをして何になるのか分からない》

さらに、在日ウクライナ大使館の一連の呼びかけを“内政干渉”と指摘する声もあがっている。

ウクライナ大使館が斜め上の方向にぶっ飛びすぎてて目も当てられんな 内政干渉は好感度下げるだけだからやめときなさいよ…》
《内政干渉はやめていただきたい。日本がロシアの自治体とどう付き合っていくのかは日本が考えて決める事です》

3月11日現在、該当の投稿はすでに削除されており、在日ウクライナ大使館は次のように投稿した。

《ロシアの大学や自治体との交流停止を求めたことについて、様々なご意見をいただきました。確かに行き過ぎたお願いだったかもしれません。ただウクライナの、特に男子学生は今海外に行くことも、学ぶことすらできません。そのことを皆さんに知ってほしかっただけです。ご容赦いただければ幸いです》