アメリカで人気の野菜「フェンネル」って知ってる?パスタやスープに便利
アメリカで注目されている「フェンネル」という野菜をご存じですか? 日本ではまだなじみのないこの野菜について、アメリカ・シアトルに住んで十数年。子育てに奮闘するライターのNorikoさんにレポートしてもらいました。フェンネルは健康志向の方にぴったりの野菜ですよ!
パンデミックで地元野菜に親しむ生活
世界じゅうで新型コロナウイルス感染が拡大し始めて2年が経ちました。Withコロナの生活で大きく変わったことのひとつに、買い物があります。
買い物先での感染を防ぐために回数を減らし、食品はデリバリーで注文することが増えました。サブスクも、毎週のミールキットに加えて、地元農園からのつめ合わせパックを隔週で追加。ファーマーズ・マーケット(青空市)も屋外という安心感があり、よく利用しています。
●日本でも平安時代から栽培されていた歴史が…
そんな中、アメリカではポピュラーでも日本人にはなじみのない野菜にめぐりあうことがしばしばあります。そのひとつが、今回取り上げる「フェンネル」です。「茴香(ウイキョウ)」という別名の方が知られているかもしれませんね。
じつは日本でも平安の時代から栽培されていた歴史があり、最近はミニフェンネル、ミニウイキョウという日本人向けに食べやすく小さめに改良された品種も出回っているとのこと。
ヨーロッパでは薬用ハーブとして一般的ですが、中国でも漢方や香辛料に使われています。インドカレー店などでは口臭予防のミント代わりに、フェンネルシードと呼ばれるフェンネルの種がカラフルにコーティングされて、店内に山盛りで置かれていることも。
気になる味や食感ですが、たとえるなら玉ネギとセロリの中間のよう。葉の見た目が似ているディル(ハーブの一種)と同じセリ科です。アメリカではさまざまなアレンジもされているので、代表的なレシピを紹介しますね。
●フェンネルの葉と茎を使った「フェンネルペースト」
材料
フェンネルの葉と茎 2株分(約4カップ)
塩 小さじ1
ニンニク 2片
レモン汁 1個分
エクストラバージンオリーブオイル 1/2カップ
【つくり方】
(1)材料すべてをフードプロセッサーにかける(もしくはハンドミキサーなどを利用)。
(2)やや粒々感が残るくらいのペースト状になったら完成。サラダのドレッシングとして、トーストに塗って、あるいは魚のグリルやパスタのソースにも使える。残りは容器に入れて冷蔵(保存期間は2、3週間が目安)。
●フェンネルと言えば、のテッパン料理!「フェンネルスープ」
材料(4人分)
フェンネルの白い株部分 2株分
ジャガイモ 1個
タマネギ 1個
ニンニク 1片
塩、コショウ 適宜
スープストック(または固形コンソメ2個と水) 3と1/2カップ
エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1
バター 大さじ1
牛乳 1カップ
【つくり方】
(1)フェンネルの株は硬い根を取り除き、皮をむいたジャガイモとタマネギ、ニンニクとともにすべて薄切りに。火が通ってしんなりするまでオリーブオイルとバターで炒め、塩、コショウをふる。
(2)スープストックを加えて煮立たせ、牛乳を入れて、さらに塩・コショウを振り15分ほど弱火で煮込んだら、材料すべてをフードプロセッサーにかける(もしくはハンドミキサーなどを利用)。
(3)スープ皿に盛りつけて完成。あればフェンネルの葉(分量外)を飾る。
そのほか、葉から白い株部分まで、セロリのように生でも火を通しても食べられます。おもにサラダやパスタ、グリルなど、シーフードと合わせる料理に活躍。
利尿効果でむくみも取れやすく、ダイエット中の方にもぴったり! 古来より消化を助ける成分が重宝され、胃腸薬の材料にもなるくらいなので、飲みすぎ、食べすぎの翌日に取り入れてみてはいかがでしょう。
日本ではそろそろ歓送迎会、花見の季節となりますね。変異ウイルス感染のピークアウトが見られるアメリカの大半の地域では、マスク着用不要の新指針が出たところです。日本各地でも規制緩和が進み、今年こそ春を満喫できるといいですね。