頭痛や肩こり、不眠、不安感…。病院に行くほどではないけど気になるその不調、じつは自律神経の乱れが原因かもしれません。自律神経のバランスを整える簡単な習慣で、心と体をすっきりさせましょう。

自律神経のバランスを整えて体調改善に

不調が続くものの、病院に行くほどではない、病院に行っても原因がはっきりしない…。そんな体や心の不調に悩んでいませんか?

「その不調はもしかすると自律神経の乱れからくるものかもしれません」と話すのは久手堅司さん。自律神経失調症外来の医師として、不調を抱える多くの患者の治療を行っています。

●自律神経は交感神経と副交感神経のバランスが大切

交感神経とは…心身が活動的で興奮時や緊張時に優位に働く。血圧を上げる、脈を早くするなど、体にアクセルをかけた状態になる

副交感神経とは…心身が落ち着き、リラックス時に優位に働く。血圧を下げ、呼吸をゆっくりにし、体を休息モードにきり替える

「自律神経とは末梢神経の1つで、体の機能を維持するために働くシステムのこと。この自律神経には、“交感神経”と“副交感神経”という2つの神経があり、互いにバランスをとることで、安全な体内環境を保とうとしています。この2つの神経のバランスが崩れると、さまざまな不調が引き起こされるというわけなんです」

自律神経のバランスを整えるには、生活習慣の改善に加え、骨格のゆがみを治すアプローチも重要なのだと久手堅さん。

「たとえば自律神経が乱れているから肩がこるのではなく、骨格がゆがんで肩がこるから自律神経が乱れてしまうのです。とくにコロナ禍では、スマートフォンの見すぎやデスクワークの増加、運動時間の減少などで、結果として骨格がゆがみ、自律神経のバランスを乱す人が増えています。ぜひ骨格のメンテナンスも取り入れましょう」

●あなたの不調レベルは?自律神経のバランスをチェック

普段の体調や日常生活を振り返り、当てはまる項目にチェックを。自律神経の乱れ度合いを判定できます。

□朝起きるのがつらく、目覚めが悪い
□眠れない、寝つきが悪く疲れがとれない
□いつも疲労感やだるさがある
□慢性的に首こりや肩こりがある
□頭痛やめまいが起きやすい
□胃痛、胃もたれなどの胃の不調が起きやすい
□のどがつまっているように感じることがある
□動悸や胸のざわつき、不安感がある
□イライラ、モヤモヤで落ち着かないことがある
□パソコンやスマホを長時間使用することが多い

●0〜3個当てはまる人は……良好
●4〜7個当てはまる人は……不安定
●8〜10個当てはまる人は……大きく乱れている

 

●自律神経を整える朝のルーティン

朝は副交感神経から交感神経にきりかわる時間帯。うまくスイッチをきり替えてバランスを整え、気持ちいい1日をスタートさせて!

・起床時は日光を浴び、水を飲む

朝の太陽光には体内時計をリセットし、自律神経をきり替えるセロトニンの分泌を促す働きが。「また、コップ1杯のさゆを飲めば、内臓温度が1℃上がり、基礎代謝も10〜20%アップします」

 

・目覚めのストレッチ

耳をほぐしてゆがんだ体の軸を整えます。ストレッチで耳の血行をよくして、交感神経のスイッチをオン!
「パソコンやスマホ使用時の姿勢でゆがんだ脊椎をリセットする効果もあるので、日中にも取り入れて。1日3〜4回ほどを目安に行いましょう」

<耳水平伸ばし>

耳たぶの少し上をつかんで痛くない程度に水平に引っぱり、5〜10秒キープ。

<耳斜め引っぱり>

右耳の上部と左耳たぶを斜めに引っぱり、5〜10秒キープ。左右入れ替え同様に。

<耳回し>

両耳をつかんで前後に大きく回して耳回りの筋肉をほぐします。10回ほどが目安。