長年、多くの食通や著名人から愛されてきた名店には、それだけの理由がある。

明治時代から続く、創業100年以上の老舗店でいただくご褒美鍋をご紹介しよう。

歴史のある“和”の空間で味わう伝統の味は、特別な体験になるはずだ。



※まん延防止等重点措置期間中につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。



明治5年創業という老舗の「あひ鴨すき焼きコース」12,000円(2人前〜)は、割り下などの味付けはなし。関東数ヶ所から厳選して仕入れる合鴨を、その脂で焼くだけというシンプルな鍋。濃厚な旨みを直に楽しめる逸品だ

伝統技法で引き出した鴨の甘みを楽しむ大人のすき焼き


備長炭で十分に熱せられた鉄鍋に合鴨の皮の脂を溶かしたら、まずは分厚く切られた抱き身を並べてジュ〜ッ。

香ばしく焼けたらひっくり返し、肉の下からもジュワッと脂が溶け出してきたら、食べ頃のミディアムレアに焼き上がった証拠だ。

自身の脂をしっかりまとったその肉におろし醤油をたっぷり絡めて口に運べば、合鴨の濃厚な旨みと風味が口いっぱいに広がっていく。

しかし余韻は実に軽やかで、また次の肉をと箸が伸びてしまう。気づけば200gある鴨肉がなくなっている……。

それが、明治5年に創業して以来100年以上続く『あひ鴨一品 鳥安』の「鴨すき鍋」だ。

店主曰く「味を丸くする力がある」という合鴨の脂は、肉だけでなく野菜にも効力を発揮。千住ねぎは香ばしく甘く、春菊もほろ苦さの中に甘みを感じさせる。

明治の頃も現在も、この鍋で浮かべるみんなの笑顔は同じに違いない。


― CLOSE UP!―

焼きあがったら、おろし醤油でいただく。

辛みが強めの青首大根と、塩味の強い醤油が鴨の旨みを引き立てる。



店舗は歴史ある趣を感じる一軒家。

個室が多く設けられ、広々とした贅沢な空間は特別な日に使うにもぴったり。

大人の優雅な時間を過ごせること間違いなしだ。


◎鍋のお供におすすめ◎

鰹節と昆布出汁に、かしわのささみと団子、なめこ、などが入った「お吸い鍋」もコースでは提供される。

芳醇ながらすっきりとした味わい。コク深い鴨すき鍋とも好相性の一品だ。


店主に聞いた推しの〆
〜鴨の甘さが生きた鶏そぼろ〜





「使うのは合鴨の切り落とし。ごはんに合うよう、醤油、お酒、生姜を使い、濃い目の味付けにしています」と店主。

〆なのにお代わりしたくなる美味しさ。



落ち着いた、歴史のある“和”の空間でいただく鴨すき鍋は、特別な日のご褒美に最適の鍋といえるだろう。

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