テレビゲームの音楽をアップロードしているYouTubeチャンネルが、任天堂による著作権侵害申請で1日の間に1300件以上の著作権侵害通知を受け取ったと報じられています。

Nintendo Sends Copyright Strikes To YouTube Music Channel

https://kotaku.com/nintendo-dmca-copyright-strike-youtube-music-mario-soun-1848449021

ゲーム音楽を中心とした動画を多数を公開しているYouTubeチャンネル・GilvaSunnerは2022年1月29日に、「著作権ブロック」に関する通知を1300件以上受け取ったことを報告しました。対象となったタイトルのリストには、「ゼルダの伝説」シリーズや「スーパーマリオ」シリーズなどのタイトル合計16作が記載されています。



GilvaSunnerによると、同チャンネルの動画は収益化されていないにもかかわらず、著作権侵害によりブロックの対象になってしまったとのこと。これについて、ゲーム系ニュースサイトのKotakuは、「ファンの創作物に対する任天堂の実績を知っていれば驚くべきニュースではありませんが、今回YouTubeから削除された音楽はSpotifyなどのサービスなどで聴けないものだったので、ファンにとっては頭が痛い状況です」とコメントしました。

任天堂がGilvaSunnerの動画を削除したのは今回が初めてではありません。同チャンネルでは、2019年と2020年にも任天堂による著作権ブロックで大量の動画が削除されています。GilvaSunnerは2020年に動画がブロックされた際には、「私は動画から利益を得ていませんが、それがコンテンツのアップロードを正当化するものではないというのは理解しています。ですから、今回の任天堂の対応に驚いたり怒りを感じたりすることはありません。しかし、他に方法がほとんどないのは少し残念に思います」と述べていました。



Kotakuは、今回の著作権ブロックについてや、今後同社がストリーミングサービスなどで音楽を提供する計画があるのかなどについて任天堂に問い合わせましたが、記事作成時点では回答が得られていないとのこと。著作権侵害に対する任天堂の姿勢についてKotakuは、「任天堂が自社の著作物のアップロードを取り締まることが法にかなっているのは事実ですが、ファンが任天堂の過去作の素晴らしいBGMを聴く方法があまりないのは残念です。任天堂がファンの作品や改造ゲームをすぐに削除してしてきたことを考えると、同社の方針は当面変わりそうにありません」と述べました。

任天堂はこれまでにも、熱心なファンが7年かけてコモドール64に移植したファミリーコンピュータ用アクションゲーム「スーパーマリオブラザーズ」を削除するなど、著作権の侵害に対して厳しい対応を取ることで知られています。

7年かけてスーパーマリオブラザーズをコモドール64に移植したものの任天堂に著作権侵害から削除申請されてしまう - GIGAZINE