体の芯からアツくなれる“辛旨鍋”の決定版11選!
寒い日には、体の底から温まる辛い鍋が恋しくなる。
今回紹介するのは、痺れるような麻辣味の「火鍋」と、旨さと辛さの最強タッグ「韓国鍋」。
この冬何度だって食べたい、珠玉の辛い鍋11選。これさえ読めば都内の辛鍋に詳しくなれる!
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※まん延防止等重点措置期間中につき、来店の際には店舗へお問い合わせください。
1.『中村 玄』の麻辣香鍋
素揚げの妙技で旨みをプラス!劇的辛さの“汁なし火鍋”
唐辛子の中から具材を掘り出す感覚は、宝探しのようで楽しい。ヤマクラゲなどが鍋らしからぬ多様な食感を演出。トッピングする肉や魚介の「具材」700円〜は、2人前なら3〜4品が基本だ。野菜による「鍋底(=ベース)」2,600円
辛い鍋だがスープはなし。野菜もゴーヤなど、鍋ではあまり使われない品目を含め、約20種類が入る。
十数年前、北京で流行した“汁なし火鍋”に着想を得て、現地の美味しさはそのまま、野菜以外の具材を好みで選ぶスタイルにアレンジしたものである。
四川の唐辛子と20種の素揚げ野菜を巧みに合わせた後引く味わい
辛さは6段階から選べるが、標準的な「辛」でもかなり刺激的。痺れる花椒もビシッと効いている。
その一方で、コクのある旨みが口中に広がり、クセになる。その秘密はすべての具材を素揚げするから。
最初に四川産の朝天唐辛子を煎り、香ばしさを極限まで引き出すのもポイント。自家製火鍋醤など、調味料もあらかじめ炒め、油に香りを移していく。
野菜は素揚げ、肉と魚介は粉を振って油通し。こうすることでコクが生まれ、旨みや甘みも封じ込められる。
中国料理ならではの手法だ。
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料理名にふさわしい香りの共演で、独特な深みはこうして作られるのだ。
食べ進めるうちに汗が吹き出してくるが、野菜の凝縮した甘みも感じられ、気づけば虜になる魔性の火鍋だ。
鍋のお供は、羊肉のピリ辛焼売!
『中村 玄』は、前菜や点心など鍋以外の一品料理にも定評がある。
「羊肉とパクチーのピリ辛焼売」1,000円は、クミンが香るエスニックな味付けで辛い鍋の箸休めに最適だ!
料理長に聞いた推しの〆
〜辛さで卵の甘さが引き立つ“炒飯おじや”〜
残ったスープに和える麺が定番だが「ほかにないという意味ではご飯がオススメ。ウチでは白飯でなく、卵炒飯で“炒飯おじや”が楽しめます」。
火鍋のエキスパートが見出した!独自の“東京火鍋”を堪能する
2.『ファイヤーホール4000 麻布十番』の薬膳火鍋
火鍋のエキスパートが見出した!本格的で豪華な“東京火鍋”の優越
火鍋は8,500円から展開するコースのメインで、オススメは豪華食材が目白押しな「白金コース」11,000円(写真は2人前)。肉骨茶には当帰や党参、熟地黄、川芎と4種の生薬が入り、美肌効果も抜群だ。前菜、デザートつき
『ファイヤーホール4000』の店主・菰田欣也さんは、中国の国家資格である栄養薬膳師の免許を持つ、名実ともに火鍋のエキスパート。
『ファイヤーホール4000 麻布十番』では滋味深さに定評のあるスープをベースにしながら、独自性も果敢に追求している。
麻辣湯は、四川・成都の豆板醤に自家製完全発酵豆板醤を加え、辛さに深みを与えた。白湯には中国の発酵漬物である“酸白菜”を入れて旨みを増幅。
4種の生薬が香る東南アジアの薬膳スープ・肉骨茶は、昆布とカツオだしを合わせることで親しみやすい味に仕立てている。
高級食材も惜しみなく投入された極上コースが麻布十番で話題沸騰
菰田さんが目指すのは“東京にふさわしい火鍋”で、具材も豪勢。
黒毛和牛や群馬「くちどけ加藤ポーク」などを厳選し「白金コース」ならアワビやズワイガニなど、時季に応じて高級海鮮も登場する。
辛さと香りで本場を実感するが、食べやすくスルスルと胃に収まっていく。品格さえ感じさせる味わいこそ、菰田さんが思い描いた火鍋の理想型なのだ。
鍋のお供は、中華風の前菜で!
前菜ではひと口サイズの「チャイニーズオードブル2種盛り」が登場。
この日はホタテと青柳のネギソース、スパイスが効いたよだれ鶏という組み合わせ。「白金コース」より。
店主に聞いた推しの〆
〜スープがよく絡む、細めの自家製中華麺〜
雑炊と中華麺を用意するが「麺が圧倒的に人気です。好みのスープで煮ても美味しいですし、スープを取って、つけ麺スタイルで食べても抜群」。
“一鍋で三度”美味しい欲深さ!贅を極めた3色火鍋
3.『火鍋 三田』のフカヒレ清湯3色火鍋
辛くて甘くて滋味深い、“一鍋で三度”美味しい欲深さ!
上から時計回りに、フカヒレ清湯スープ・白湯スープ・麻辣スープ。1週間前までの要予約。コース 14,300円(写真は2人前)
フカヒレ清湯スープは、干し貝柱を戻し、鶏ガラを弱火で煮込んで金華ハムの旨みを抽出。フカヒレを入れて仕上げる。
白湯スープは、鶏ガラを強火で炊いて油分を乳化させた濃厚かつ甘いスープで、干しエビやクコの実も入る。
麻辣スープもベースは鶏ガラ。甘草や草果、陳皮、ナツメグなど、複雑味を醸す各種香辛料が入る。
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“3色スープ”でバラエティを謳う火鍋店も増えている昨今だが、ここまで手間をかけている店はそうない。
多くの薬膳を使い、本場・四川の味を追求する専門店が『火鍋 三田』だ。
麻辣湯なら現地から取り寄せた唐辛子や花椒をはじめ、約20種のスパイスを使用。強烈な辛さと痺れはもちろん、複雑な香りまで表現している。
濃厚で甘みすら感じる白湯にも、高麗人参や当帰など高価な生薬を惜しみなく投入。ただマイルドなだけでない、奥行きある旨みに仕上げている。
煮込む具材によってスープが複雑に変化!
白眉は上海ガニなど、旬な高級食材の滋味を生かす清湯。1〜3月はフカヒレで、このスープの仕込みに1週間を費やす。
あらかじめ煮込んで提供されるフカヒレからは、コラーゲンが溶け出し、滋養が体の隅々まで行き渡る。
辛さの調節は、スープをどう組み合わせるかで自由自在。
肉、魚介、野菜と合わせて30品以上の豪華食材を入れて風味の変化も楽しめる、まさに贅を極めた3色火鍋なのである。
料理長に聞いた推しの〆
〜麻辣スープで麺をゆがいた特製担々麺〜
中華麺は、そのまま鍋で煮込んでスープと食べて美味しいのはもちろん「肉味噌を追加すれば、汁なし担々麺にアレンジすることもできます」。
雲南きのこたっぷりの火鍋は、医食同源の美味しさ!
4.『御膳房 二十四節気之華魂和装』の雲南きのこ烏骨鶏火鍋
きのこが火鍋の新たな魅力を引き出す!
蓋がついたオリジナルの火鍋(ホウゴウ)でじっくり煮込むスタイル。まずきのこのエキスたっぷりのスープを味わってから、きのこそのものを楽しみ、野菜を食べる。順を追うことでスープの味も変化していく。コース 18,000円
中国南部の山奥にあり、湿潤な気候の雲南省はきのこの名産地である。
かの地の郷土料理を、美しい盛り付けで提供する『御膳房 二十四節気之華魂和装』の看板メニューは、きのこ鍋だ。
きのこは現地から取り寄せたヤマブシタケをはじめ、常時全10種のラインナップを誇る。
ヤマブシタケ、トキイロヒラタケ、タモギタケ、ヤナギマツタケ、カキノキダケ、アワビタケ、ジャンボナメコ、ハナビラタケ、黄エノキ、ハクレイタケ、冬瓜、カボチャ、長芋、白菜
きのこから滲み出た多彩なアミノ酸が、痺れる辛さに旨みを与える
スープは丸々一羽の烏骨鶏をメインに、イベリコ豚のスペアリブや北海道産貝柱、雲南ハムも加えて丁寧にとった極上の上湯。
本来は、各種きのこの豊かな旨みが溶け込んだ滋味深いスープを味わう料理だが、半分以上の客がこれをベースにした辛い鍋を所望。すると、豆板醤や辣油などで調味した特別バージョンとなる。
立ち上る湯気からスパイシーで、真っ赤な油が絡む具材を食べれば、口から火を噴くほど激辛。しかし、スープには重層的な旨みも潜んでおり、不思議とやみつきになる。
「きのこは美容と健康に効果的なんです」と語るのは、店主・徐 耀華さん。
この店がコンセプトに掲げる医食同源の美味しさで、辛さとともに優しさも沁みる。
金色に輝くゴージャスな店内。
店名の“華魂和装”とは、伝統的中国料理を和食器と内装で提供するという意味。そのため、ウェイティングプレートには魯山人の器も採用されているのだ。
鍋のお供は、高級食材を使った一品料理!
鍋に至るまで高級食材を使った一品料理が続々登場。
写真は「フカヒレの汽鍋蒸」。雲南省の“汽鍋”で蒸し上げたアオザメのフカヒレで、生薬である金虫草も入る。コースより。
店主に聞いた推しの〆
〜雲南スタイルにこだわる自家製米線〜
米線とは雲南省でよく食べられるお米の麺。
「現地と同じ薬膳食材を多く使っていますから、合わないわけがない。麺ももちろん自家製です」。
代官山で台湾火鍋と台湾クラフトビールのマリアージュ!
5.『AKUBI』の台湾火鍋
次なる台湾ブームを先取る、火鍋とクラフトビールの共演!
2色鍋は花椒や唐辛子が効いた麻辣湯と鶏の旨みが凝縮した白湯。辛さは3種から選択可。優しい味付けなのでタレを入れて味に変化を。2人前2,800円で具材を追加する方式
スパイスや漢方がたっぷり入った火鍋は、美肌効果もあって女性ファンも多いご馳走。そんな火鍋でいま新しいのが、代官山の『AKUBI』が提案する楽しみ方だ。
近年続く台湾グルメのブームを受け、この店が推すのは、台湾火鍋と台湾クラフトビールのマリアージュ!
かなり珍しい組み合わせだが、ビールは台湾を中心に10タップを用意する。
上品な麻辣スープとホップの効いた台湾ビールは、無限に飲み続けられる
いま台湾で勢いのある「タイフーブリューイング」のビールを5種ほど常備。度数12%のフルーツエールから、台湾産金柑を使った軽やかなラガーまで個性豊かだ。200ml 850円〜
実はオーナーがビール業界で活躍する火鍋マニアで、台湾で火鍋を食べ歩いてシェフとともにスープを開発。
滋味深いスープの名脇役となるのは、現地でおなじみの発酵白菜だ。白菜を入れることで旨みと酸味が増し、そこに酸味が効いた台湾のクラフトビールを合わせれば、まさに“旨ずっぱ”な味わい。
麻辣と白湯で銘柄を変えるのはもちろん、計40種もある具材に合ったビールを探るもよし。近年進化を遂げる台湾クラフトビールの複雑さが、ワインに劣らず食材を引き立てる。
いま大人の好奇心を刺激するのは、熱き鍋とクラフトビールの未知なる出合いなのだ。
「4種肉盛りセット」(鶏セセリ、豚バラ、牛ザブトン、ラム)2人前2,080円、「野菜セット」(白菜、豆苗、ニラ、豆もやし、長ねぎ、人参、大根、カブ)2人前1,280円。
鍋のお供にぴったりの、サイドメニューが充実!
冷菜21品、温菜17品を揃えるのも『AKUBI』の魅力。
「生海老の老酒漬け」500円はエビの頭に詰まった味噌が濃厚。さっぱりとした味わいの鍋の合間に食べるのがおすすめ。
料理長に聞いた推しの〆
〜肉味噌をのせた担々麺〜
もちもちとしたパンズー麺を煮込み、肉味噌をのせて坦々麺風に〆るのが推し。
「うちのスープは少し煮詰まって旨みが凝縮したところがゴールです」と話す。
銀座の艶やかな空間いただく、韓国伝統の旨辛大衆鍋!
6.『卜傳 銀座店』のプデチゲ
艶やかな空間でメインを飾るのは、韓国伝統の旨辛大衆鍋!
「プデチゲ」2,360円(2人前)。麺に味が良くしみ込むように、少し時間をかけてしっかり煮込むと美味しさが増す。韓国の唐辛子数種類を合わせて作った自家製のヤンニョムジャンがスープの旨みを引き立てる
華やかな銀座コリドー街の一角にある『卜傳 銀座店』。
黒を基調としたインテリアに、大きなシャンデリアがきらめく艶やかな空間がいかにも銀座らしい。本店は岡山にあり、およそ40年前に韓国家庭料理の店としてスタートした。
店主は何度も韓国へ足を運び、美味しいと評判の店に通い詰めたという。
肉から染み出したエキスが、絶品スープを仕上げる
「プデチゲの発症は戦後の貧しい時代。栄養を取るために米軍の残り物のスパムやソーセージなどの肉類を料理に使ったのが始まり、といわれています。庶民が生きるための試行錯誤が詰まった鍋です」と歴史的背景まで勉強し尽くしている。
だからこそ、ここ『卜傳』の「プデチゲ」はクオリティが高いのだ。
ベースには豚骨スープを使い、煮込むほどにスパムやソーセージ、さまざまな野菜の出汁が溶け出していく。
その極上の旨みを吸った麺が最高で、自家製ヤンニョムジャンのジワジワとくる辛さもやみつきに。
汗をかきながらも、最後の一滴までスープを飲み干したくなるのだ。
鍋のお供は、新鮮なワタリガニでさっぱりと!
当日の朝、生きたまま店へ届く新鮮なワタリガニを使用した「カンジャンケジャン」。
半日程度、特製の醤油ベースのタレに漬けている。鮮度がいいので身は甘く瑞々しく、特製のさっぱりしたタレとよく合う。
1g 18円。1杯約300g前後。※要予約。
頭上に輝く大きなシャンデリアが目を引く。天井まで届くワインセラーや壁際のボックスシートなど、韓国料理店としては異色のゴージャスなインテリア。
左手には広いオープンキッチンがあり、調理風景も眺められる。
店主に聞いた推しの〆
〜韓国風焼きめしのポックンパ〜
「最初から麺が入っているので最後はごはんで〆るのが鉄板です」。
残ったスープでポックンパという焼き飯を作ってくれる。岩海苔の塩気がいい。
豪華な魚介がたっぷり!悶絶の旨辛スープを体感する
7.『水剌間』のケジャンヘムルタン
多彩な海鮮とワタリガニによる旨辛スープが深い味わい!
韓国の南の地方の鍋で魚介がたっぷり入る。生のワタリガニをタレに漬けたケジャンをぶつ切りにして丸ごと加え、新鮮な魚介と一緒に煮込むと、豊富な出汁が出る。その出汁がしみた野菜が絶品。「ケジャンヘムルタン」4,400円(2〜3人前)
美味い韓国料理は家庭的な店、というイメージがあるが、そのセオリーは『水剌間』には当てはまらない。
恵比寿駅前の地下に広がるフロアは、李朝の家具を配したスタイリッシュな空間。ガラス張りのオープンキッチンを眺めるライブ感もワクワクさせてくれる。
そして、洗練された料理はどれも完成度が高い。ことに野菜たっぷりの「プルコギ」が有名だが、その陰に隠れた密かな名物が「ケジャンヘムルタン」。
その名の通りケジャン(タレに漬けた生のワタリガニ)と、まぐろやエビなどの豪華な魚介が豊富に入ったピリ辛な鍋だ。
まろやかな海鮮スープの香りが食欲を刺激する
ベースは牛出汁と野菜から取ったスープ。
そこにワタリガニや魚介類からじっくりと出た濃厚な出汁が結びつき、食べ進むにつれて最強の“Wスープ”が完成する。
数種類の韓国唐辛子を重ねているので、辛いのに、甘みや香りが重層的で味わいは繊細。
ジワジワ辛さが押し寄せ、額に汗がにじんできても、なぜか箸が止まらない逸品だ。
鍋のお供は、幸せのポッサムキムチで!
韓国ではお祝いの席で食べられる「ポッサムキムチ」1,400円も自家製。
白菜で新鮮な魚介を数種類包み込んだこのキムチは、客の目の前でハサミを入れて切る。
店長に聞いた推しの〆
〜濃厚なスープで煮込むインスタント麺〜
韓国のインスタント麺がおすすめ。「麺が濃厚なスープをたっぷり吸うから美味しくなります」。
麺をくたくたになるまで煮込み、スープごと飲み干したい。
月島で出合う韓国焼肉の名店の旨辛ホルモン鍋!
8.『韓灯』のプルコプチャンジョンゴル
韓国焼肉の名店が繰り出す、旨辛ホルモン鍋がクセになる!
もともと常連客のみの裏メニューで提供していたが、評判の良さを鑑みて、2022年よりオンメニューが決定!水と化学調味料も不使用で、素材そのものの味わいを最大限に引き出している。「プルコプチャンジョンゴル」1人前2,980円(2人前〜)
ホルモンの上質さが光る焼肉と、オモニ手作りの韓国家庭料理で定評のある名店『韓灯』。
旨み豊かな熟成キムチとともにいただくポッサムなど、いずれ劣らぬ逸品が揃うなか、根強い人気を誇るのが『プルコプチャンジョンゴル』こと『韓灯』オリジナルの韓国モツ鍋だ。
それも、精肉店でも修業を積んだご主人・金 英徳さんの確かな目利きと長い付き合いのある精肉店との信頼関係の賜物。
加えて、丁寧な下ごしらえがホルモンのポテンシャルを更に引き上げる。
ホルモンの甘みと唐辛子の辛みのハーモニー!
「本来、うちのモツ鍋は辛くないんですが、辛くしてとのリクエストが多いので、新しく辛い鍋も作ったんです」と、店主の金さんは語る。
まず、唐辛子は辛みの強いものも含めて数種をブレンド。
モツもマルチョウやシマチョウのような脂の旨みの強い部位に変え、辛さと甘みの巧妙なバランスを図った。
水分はほとんど加えず、野菜とホルモンから滲み出る濃密な旨みと辛みが心も体も熱くさせるのだ。
王道の焼肉メニューも見逃せない!
「ホルモン盛り合わせ」1,980円(2人前)。
レバーやマルチョウ、シマチョウ、センマイ、ハツ、ミノ、ホッペなど8種類の新鮮なホルモンの盛り合わせ(内容は日替わり)。
タレは、昆布だしと醤油をベースにニンニクや唐辛子、フルーツなどで作るオリジナル。化学調味料は一切使っていない。
「皮付き豚のポッサム(小)」2,100円。
皮付きバラ肉を茹でたものを、キムチや野菜の和え物とともにサンチュで包んでいただく。
「山のチヂミ(小)」1,360円。
黒毛和牛のミンチとニンニク、ニラが入る。生地とタレも一から手作りしている。
オモニの金 順貞さんが北九州で韓国料理店を始めたのは34年前。その後上京し、2005年に月島で再スタート。
落ち着いた雰囲気の店内にはカウンター席や掘りごたつの席も用意。
店主に聞いた推しの〆
〜素材の出汁が凝縮されたうどん〜
「麺でもご飯でもできますが、辛い鍋の〆にはつるりと喉越しの良いうどんがおすすめです」と断言。
辛いが味わいのあるスープも一緒に楽しみたい。
恵比寿の絶品カムジャタンの秘密は、自家製のコチュジャンにあり!
9.『コーラ 恵比寿店』のカムジャタン
骨付き肉のピリ辛スープを全吸収!ジャガイモの圧倒的存在感
日本でも今やポピュラーになった、豚骨とジャガイモがメインの「カムジャタン」。
しかし、ここ『コーラ 恵比寿店』の鍋はひと味違うと評判だ。
店長の小藤田雅信さんは、日本で美味しいと評判のカムジャタンを食べ歩き、本場韓国へも何度も足を運んで独自の味を作り上げた。
「カムジャタン鍋S」1,980円(2〜3人前)。後から調節できるように辛さは控えめに仕上げた。春菊を入れるのは日本風だが、リクエストすれば本場韓国では定番のえごまの葉をのせてくれる。トッピングは「牛ホルモン」605円や「韓国もち」385円なども用意
豚骨の甘みを引き出す!水あめ不使用の自家製コチュジャン
ポイントはスープと自家製のコチュジャンにある。
スープは豚の頭や足などを加えず、豚の背骨のみでとるので雑味がなくクリアな仕上がり。スープを炊く際に余分な脂も丁寧に取り除くため、旨みはしっかり凝縮されコク深く、優しい味わいで胃にもたれない。
「市販のコチュジャンは水あめが入っているのでべったりした甘さが出ます。それがイヤで、水あめを入れないものを自家製で作っています」と小藤田さん。
豚骨についた肉はほろほろと柔らかく、箸で外すことができる。
じっくり煮込んで出汁がじゃがいもに染み入り、スープへと崩れ落ちていけば、辛さもまろやかで程良い具合に。体の中からじんわり温まる、まさに冬にぴったりな鍋だ。
鍋のお供は、とろけるチーズトッポギで!
「チーズトッポギ」715円は、韓国もちと野菜を自家製のコチュジャンで炒めた。
トロリととろけるチーズがたっぷり入り、辛みがチーズのコクでまろやかになる。
店長に聞いた推しの〆
〜濃厚スープをたっぷり吸うしっとりご飯〜
「濃厚なスープをご飯と炒め、しっとりと仕上げた韓国風おじやがおすすめです」。
使用する米は白飯、麦飯、ミックスから選べる。「おじやセット」550円。
釜山生まれの激辛タコ炒めを鍋にアレンジ!
10.『草思庵』のナチポックム鍋
釜山生まれの激辛タコ炒めをアレンジ!
作り方にコツがあるこの鍋は、手慣れたスタッフが作ってくれる。キャベツがしんなりしてきたら、オリジナルの辛いタテギ(調味料)を加え、野菜から出た水分で蒸し焼きにする。「ナチポックム鍋」1人前1,760円(2人前〜)
『草思庵』は、西麻布の交差点から六本木方面へ進んですぐの裏道にある、隠れ家のような一軒。
料理はどれも薬膳に基づいており、体を浄化するような爽やかな味わいが特徴。ここで食べたいのが「ナチポックム鍋」。
ナチポックムとは、韓国・釜山の名物料理で、激辛なタコの炒めものだ。それを鍋にアレンジした。
まず、鉄板で野菜とタコをオリジナルの甘辛いタレで炒め、そのあとに野菜を加え、水分をじっくりと出していく。
プリッと食感のタコに絡むコチュジャンの辛みに悶絶!
「釜山では激辛が当たり前ですが、うちでは野菜の甘みやタレで辛さを調節し、食べやすく仕上げています」と、韓国出身のシェフ・カン ビョンチャンさんは語る。
鍋に顔を近づけると、熱気と青唐辛子の香りが鼻を刺す。ひと口食べればじわりと辛さが口に広がり、徐々に体が熱くなるのを感じる。
タコは完全に火を入れ続けても硬くならず、プリッとみずみずしい状態で食べ進めることができる。
ユニークな食感が後を引くと、リピーターも多数。クセになる逸品だ。
鍋のお供は、体が温まる一品
丸ごとのにんにく、玉ねぎ、高麗人参などと一緒に甘辛く煮込みトロトロになった「豚足漢方煮」1,650円。
豚足のコラーゲンと出汁がよくからむ。漢方で体が温まる効能もある。
民家を改装した店内は、カジュアルで落ち着いた雰囲気。壁の飾り棚がおしゃれだ。
3階建てのフロアは、1階がテーブル席、2階は靴を脱ぐ掘りごたつ式、3階はグループなどの大人数用の半個室。
シェフに聞いた推しの〆
〜旨辛エキスをからめたおこげご飯〜
「ご飯を焼き付けておこげを作って食べるのがおすすめです」。
野菜の出汁と調味料をしっかり絡めて香ばしく仕上げたご飯は、お酒のつまみにもなる。
海の幸と山の幸が溶け合うスープがたまらない!
11.『笑龍』の薬膳火鍋
山の幸から海の幸まで、なんでもござれで満ち足りる
女性に根強い人気の鍋といえば「火鍋」。白湯と麻辣湯の2つのスープを同時に味わえるのが魅力だが、その贅沢さを極めたのが『笑龍』の「特選鱶鰭(フカヒレ)コース」だ。
コラーゲンたっぷりの白湯スープは、美肌に導いてくれる鶏、豚、野菜などを、時間をかけて滋味豊かに仕上げる。
一方の麻辣湯は、不老長寿の願いを込めて、白湯スープに自家製の麻辣醤を加え、ナツメ、桂皮、八角など多種の漢方を加えて煮込む。
さらに、この特選鱶鰭コースのスープは、紅白の麻辣湯・白湯の他に、フカヒレ・すっぽん・烏骨鶏が選べる。
辛さの要となるのは、唐辛子。カプサイシンが多く含まれており、デトックス効果やアンチエイジングに期待できる。
ここに、山の幸と海の幸をたっぷりとイン。
しかも鍋で終始せず、土鍋で煮込まれた「フカヒレの姿煮」も味わえるという豪華絢爛さ。
食べている側から翌日の肌が楽しみになる、最強の美容鍋がここに。女性でなくとも気になるはずだ。
瀟洒で落ち着いた店内は、遊び慣れた大人にぴったり
店があるのは、駒沢通りを少し入ったところにある、代官山にもほど近い閑静な住宅地の一軒家。
シックで艶やかな店内には個室もあり、貸し切りにも対応。お忍びデートにもぴったりの隠れ家だ。
そんなところも、大人たちの心をくすぐっている。
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冬の寒さを吹き飛ばす「火鍋」と「韓国鍋」。
大人をワクワクさせるとっておきの辛い鍋で、今宵も温まろう。
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