京急の最初の路線「大師電気鉄道」が開業した日 川崎〜大師間 -1899.1.21
123年前の1月21日、現在の京急の最初の路線である、大師電気鉄道が開業しました。
京急発祥の地
大師線を走る京急1500形電車(画像:京急)。
1899(明治32)年の1月21日。現在の京急大師線にあたる大師電気鉄道の川崎駅〜大師駅間が開業。現在の京浜急行電鉄としての、最初の路線が産声を上げました。
国鉄の川崎駅から川崎大師までの、参拝客を運ぶために建設された路線です。当時はこのような参詣用に鉄道が敷かれる例は多く、1922(大正11)年の池上電気鉄道(現在の池上線)が池上本門寺へ、1897(明治30)年の成田鉄道(現在のJR成田線)に続いて1926(大正15)年に京成電気軌道がそれぞれ成田山新勝寺へ、アクセス路線を全通させています。大師線はこの「参詣路線」のパイオニアとも言えます。
その後大師線は臨海工業地帯への通勤路線としても成長を続けます。川崎大師から東側へ、小島新田駅から南へ回り込むような形で延伸を続け、1945(昭和20)年に桜本駅までが開業。その後川崎市電への転換や廃止・休止を経て、1970(昭和45)年に現在の小島新田を終点する形になりました。
現在、京急大師線では地下化事業が進行中。東門前〜小島新田間は完了し、産業道路駅は地下化し、駅名も大師橋駅に変更されました。残る川崎大師〜東門前間でも工事が進められています。なお、京急川崎〜川崎大師間はショートカットする別ルートで地下線を新設する構想がありましたが、2017年に正式に中止となりました。
さて、大師電気鉄道の起点となる川崎駅は、開業当時は現在の京急川崎駅よりやや西側にありました。のちにこの駅は六郷橋駅に改称され、1944(昭和19)年まで営業されます。1926(大正15)年に現在の位置に線路が移設されましたが、この時に移設開業した六郷橋駅のホーム跡は、国道15号との交点付近の線路沿いに今も残っています。