寂しげな姿 元アメリカ第7艦隊の空母「キティホーク」解体に向けた最後の航海
霧の中を進む姿が哀愁ただよっています。
アメリカ海軍最後の通常動力型空母
アメリカ海軍は2022年1月16日(日)、空母「キティホーク」が解体へ向け最後の航海を開始したと発表しました。
「キティホーク」は満載排水量約8万3000トン、全長325.8mある大型空母で、4隻造られたキティホーク級の1番艦として1960(昭和35)年5月21日に進水、翌1961(昭和36)年4月21日に就役しています。
1998(平成10)年以降は、空母「インディペンデンス」と交代して神奈川県の横須賀基地を事実上の母港とする形で運用されたため、日本人にとっても馴染みある軍艦となりました。その後、2008(平成20)年には日本を離れ、翌2009(平成21)年1月31日に退役。約半世紀にわたった現役生活に終止符を打っています。
ワシントン州ブレマートンからテキサス州ブラウンズビルの船舶解体施設に向け最後の航海を行う元アメリカ海軍空母「キティホーク」(画像:アメリカ海軍)。
退役したあとも予備艦としてワシントン州ブレマートン沖に留め置かれていたものの、最新鋭の原子力空母「ジェラルド・R・フォード」が就役するのに伴い、2017(平成29)年10月20日に除籍され、解体が決定しました。
最後の航海はタグボートによって、ワシントン州ブレマートンからテキサス州ブラウンズビルの船舶解体施設に曳航されているとのこと。なお、「キティホーク」は約2億6400万ドル(2021年の物価換算で約25億ドル:1ドル110円換算で約2750億円)で建造されたものの、スクラップ企業へは1セント(1ドル110円換算で1.1円)で売却されたそう。
ちなみに、この会社は姉妹艦の空母「ジョン・F・ケネディ」を引き取った会社でもあるといいます。