11年前の1月16日、JR東日本の通勤車両であるE331系電車が最後の運用に就きました。

JRで最初で最後の連接車


廃車のため回送されていくE331系電車(画像:写真AC)。

 2011(平成23)年の1月16日。JR東日本のE331系電車がこの日を境に、運用を終えました。

 E331系電車は2007年、京葉線で運用開始。同じ時期にE233系電車が中央快速線でデビューしています。

 このE331系には、これまでの通勤車両には無い、新たな技術がいくつか投入されました。代表的なのが連接車体です。車輪の台車が2つの車体を受ける形で、小田急のロマンスカーや江ノ電などいくつかの鉄道で採用されてきましたが、JRの車両としては初の試みでした。

 一般的なJRの通勤車両は1両20m・4扉ですが、E331系は13.4〜16.5mで3扉。投入された京葉線では、一般車両が10両なのに対しE331系は同じ1編成の長さで14両もありました。

 その他にも独自の列車情報管理システムや、座席を回転してロングシートからクロスシートに切り替えられる、現在では「L/Cカー」とも呼ばれる機構、ドアからスライドして張り出せる車椅子用スロープなど、新機軸が盛りだくさんの車両でした。

 さて、試験走行の後に満を持して登場したE331系ですが、運用開始直後からトラブルに見舞われ、運用の休止と復帰を繰り返したのち、この日の2011年1月16日を最後に離脱、のちに廃車となります。旅客運用は1年半にも満たない短命に終わり、製造されたのも結局この1編成のみとなりました。