珍機「LCC仕様のANA機」ラスト1機「JA03VA」が離日 ANAのA320は全機新タイプに
いろんな意味で注目を集めた旅客機でしたね。
LCCバニラエアから転籍の3機
ANA(全日空)グループで使用されていたエアバスA320ceo「JA03VA」が、2022年1月14日(金)の14時半頃、同社退役によるフェリーフライト(回送運航)のため、羽田空港を出発しました。この機の離日で、「32G」と呼ばれたANAの一風変わった座席仕様をもつ旅客機が、すべて国内から姿を消したことになります。
羽田空港を離陸する元ANAの「JA03VA」(2022年1月14日、乗りものニュース編集部撮影)。
ANAの「32G」仕様機は、2021年11月に離日した「JA01VA」、12月に離日した「JA02VA」、そして今回離日した「JA03VA」の計3機。いずれも2019年までグループ傘下のLCC(格安航空会社)「バニラエア」で使用されていた機体です。
バニラエアは2019年10月、同じグループのピーチと合併。多くの機体がピーチへ転籍となったのに対し、この3機はANAへ移り、2020年から2021年上半期まで国内線へ投入されました。なおこのとき、客室を換装することなくバニラエア時代の180席(ANAのA320neoは166席)仕様のまま就航するというユニークな運用で、航空ファンを中心に話題を呼ぶ旅客機となっています。
フェリーフライトも目立ってた!
この日離日した「JA03VA」はバニラエアへ2014(平成26)年に導入。航空機追跡サイト「フライトレーダー24」によると、旅客便ラストフライトは2021年5月30日でした。フェリーフライトは、ソウル仁川行きNH9432便として運航され、このとき、塗装をすべて剥がされた状態の”白装束”で離日しています。
ちなみに「JA01VA」も同様の”白装束”で離日となった一方で、「JA02VA」はアメリカのLCC(格安航空会社)、アレジアント航空の塗装をまとった状態で日本を離れました。
なお、同機の離日によってANAのエアバスA320シリーズは、全機が最新派生型のひとつ「A320neo」となりました。この機はエンジン換装などで燃費効率、静粛性の向上が図られているほか、国際線仕様機となっていることから、豪華な内装を持つことが特徴です。