4月に那須塩原市の養豚場で豚熱が発生し、4万頭近くが殺処分となったのは記憶に新しいところですが、この豚熱の感染源となる野生イノシシへの対策として栃木県は24日、ヘリコプターを使って日光市などの山林へ経口ワクチンの散布を始めました。

人の立ち入りが難しい場所へのイノシシの対策として県は24日から30日まで日光市や那須塩原市、那須町など5つの市と町の山林でヘリコプターによる経口ワクチンの空中散布を行います。

県内や隣接する福島県、茨城県で野生イノシシの豚熱への感染が継続して発生していることから4回目の今回は生息数が多いエリアを選び、合わせて160平方キロメートルに8千個の経口ワクチンを撒きます。

県内ではことし4月、那須塩原市の養豚場で豚熱が発生し、およそ3万9千頭が殺処分され、養豚業者には大きな打撃となりました。

これまでに豚熱への感染が確認された野生イノシシ62頭のうち53頭が今年度になって確認されているなど、豚熱の脅威は依然として残っています。

県は散布が終わり次第、野生イノシシを捕獲してワクチンの抗体が付いているかの検査を行うなどして豚熱への対策を進める方針です。