ツイストV字シットアップの姿勢

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コロナ禍による外出自粛要請や、テレワークの推奨、今夏の酷暑などが原因で、運動不足を感じているという人は多いかもしれません。

しかし、心身の健康維持のためにも、適度な運動は習慣にしておきたいところ。

そこで、“腹筋職人”の異名を持つ、アリーナのブランドアンバサダーでトレーナーの中村藍さんに、筋トレ初心者の女性でも取り組みやすく、かつ効果的なエクササイズを紹介してもらいました。

種目は5つ。どれも道具は使わず、自宅で手軽に行うことができます。

これを週2回(余裕がある人は3回)のペースで続けていけば、筋肉量の増加によって代謝がアップし、脂肪が燃焼しやすく太りにくい体を手に入れることができるでしょう。

バストアップやヒップアップ、きれいなくびれ作りにもつながるエクササイズなので、ボディラインの崩れを感じている人にもおすすめです。

筋トレメニュー #01【プランク】

「体の土台作りに欠かせません」と中村さんが語る体幹トレーニング。

そのなかでもプランクは、ビギナーでも取り組みやすい種目です。主に腹直筋、腹横筋、腹斜筋といったお腹周りの筋肉と、脊柱起立筋、広背筋といった背中の筋肉を中心に鍛えることができます。

体幹、つまり胴周りの筋肉を鍛えることは、美しい姿勢づくりにつながります。また、体幹を強くすることで、エクササイズのフォームが安定し、トレーニング効果が高まるというメリットもあります。

うつ伏せの姿勢から、両肘と両足のつま先を突いて体を持ち上げる。1枚の板になるイメージで、頭からかかとまでをなるべく一直線にする。

肘は肩の真下に(肘が肩の真下にないと体幹ではなく、肩や胸に効いてしまう)。腰が落ちてしまわないように注意する。30秒キープ。

通常のプランクの姿勢がきつくてキープできない人は、膝つきのプランクからスタート。
肘を肩の真下につくのは同様。頭から膝までをなるべく一直線にする。30秒キープ。

筋トレメニュー #02【膝つきプッシュアップ】

プッシュアップ(腕立て伏せ)が苦手という女性は多いですが、動作がシンプルで上半身の大きな筋肉の1つである大胸筋にアプローチできるため、代謝アップのためにもぜひ取り組みたいエクササイズです。

「プッシュアップは私も苦手なのですが、膝をついたタイプはトライしやすいはずです。加齢などが原因で崩れた胸の形が若い頃のように戻るわけではありませんが、現状を改善し、それを維持することはできると思います。」

うつ伏せの姿勢から。両手を肩幅の1.5倍ほど開いて床に置き腕を伸ばす。両足をそろえて上げる。手の位置はみぞおちが目安。 肘を曲げて、頭から膝までを一直線に保ったまま体を床に近づける。胸だけを床に近づけるイメージで行うと、胸ではなく肩の筋肉に効いてしまうことがあるので注意する。 息を吐きながら、手のひら全体で床を押して、体を持ち上げる。このときも頭から膝までは一直線のまま。10回繰り返す。

前から見ると、このような感じになる。

筋トレメニュー #03【スクワット】

下半身には、大臀筋、ハムストリングス、大腿四頭筋といった大きな筋肉が多く、一般的に全身の筋肉量のおよそ3分の2が集まっていると言われています。

運動不足によって下半身の筋肉量が減ると、基礎代謝が低下して太りやすくなってしまいますし、冷えやむくみにつながる可能性もあります。

「お尻と太ももに効かせられるスクワットは、下半身を効率良く鍛えることができるトレーニング。基礎代謝を上げて痩せやすい体を作りましょう。」

両足を肩幅の1.5倍ほど開き、背すじを伸ばして立つ。つま先と膝は少し外側に向け、両手は胸の前で合わせる。 股関節を曲げ、臀部を後方に突き出すようなイメージで、臀部が膝と同じ高さになるまで腰を落とす。このとき、膝が内側に倒れたり、背中が丸くならないように注意。 両足で床を押すようにして元に戻る。20回繰り返す。

横から見た写真。腰を落としたとき、太ももが床と平行になるイメージ。膝とつま先が外側に向くようにする。胸は開いたまま。骨盤が後傾しないように注意する。

筋トレメニュー #04【ヒップリフト】

ヒップリフトは、スクワットと同じようにお尻と太ももの筋肉を鍛えることができるエクササイズ。特にお尻には効かせやすく、ヒップアップが効率良く狙えます。

「痩せやすく太りにくい体になるためには、下半身の筋肉量を増やすことがとても大切なので、下半身のエクササイズを2種目入れています。

“下半身の筋トレは脚が太くなるのが嫌”という人もいますが、脚が太くなるほど筋肉量を増やすのはかなり難しいですし、時間もかかります。

自体重での筋トレではほとんどの場合、脚が引き締まる程度なので安心してください!」

仰向けの姿勢から。両足を腰幅に開き、両膝を曲げて両足を臀部に近づける。両腕は「ハ」の字に開いて伸ばす。手のひらを床に。臀部を床から離す。 両足で床を押し、臀部と太ももの裏側の筋肉を使い、息を吐きながら体を持ち上げる。みぞおちから下を持ち上げるイメージで行い、肩甲骨は床についたまま。肩から膝までが一直線になるようにする。 元の位置に戻る。臀部を床につけることなく20回繰り返す。

腰を下げたときも、臀部は床から離したまま。

筋トレメニュー #05【ツイストV字シットアップ】

「ダイエットという観点から見ると、腹筋を鍛えることの優先順位は高くありませんが、お腹周りを引き締めることでくびれが出てきます。」

通常の腹筋運動と、ひねりを加えた動作を組み合わせることで、お腹の前側に位置する腹直筋、横側に位置している腹横筋、腹斜筋をバランス良く鍛えることができます。

床に仰向けに寝て、両腕を頭上に伸ばす。体を左側にひねるように上体を起こしながら、左脚を上げ、右手と左膝を近づける。首の力を使わないように注意。 元に戻る。 今度は体を右側にひねるように上体を起こしながら、右脚を上げ、左手と右膝を近づける。 元に戻る。 最後に上体を真っ直ぐに起こしながら、両脚を上げ、両足と両手を近づけ、元に戻る。10回繰り返す。

膝と手を近づけるとき、余裕があれば写真のようにクロスさせる。脚を伸ばしたまま行うのが難しければ、膝を曲げても構わない。

以上の5種目を週2回、3~4ヶ月取り組めば体の変化を実感できるでしょう。

ダイエットやボディメイクなどの目標達成のためには、筋トレだけでなく、食生活の改善がとても重要だと中村さんは言います。

「筋肉を付けたい、痩せたいと思うならば、食事を見直す必要があると思います。まずは、自分が毎日どんなものを食べているのかを把握するところから始めましょう。

例えば、1週間食べたものを全部写真に撮ってみると、多くの人が糖質と脂質ばかり摂取していることに気が付くはずです。肉や魚、大豆製品など、たんぱく質を積極的に摂って、栄養バランスの良い食生活を心掛けてください。」

また、日常生活を少し工夫することで、エネルギー消費量を増やすこともできるそう。

「私がよくおすすめするのが、エスカレーターやエレベーターをなるべく使わずに階段を使うこと。これだけで1日のエネルギー消費量はかなり変わります。信号待ちをせずに歩道橋を使うようにしたり、帰り道でちょっと遠回りをして、散歩をするのも良いと思います。」

そして何よりも、これらを継続していくことが大切。

「エクササイズも食生活の改善も楽しむことが大切です。そのためにも無理は禁物。自分の心と相談して、辛いときは思い切って休みましょう!」

 

<プロフィール>

中村藍

1992年8月3日。東京都出身。3歳から約20年間水泳に励み、日本選手権出場の経験あり。競技引退後に太ったことをきっかけにジムに通い始める。27歳のとき、体調を崩し自分に自信をなくしたことをきっかけに、真剣にボディメイクをスタート。コンテストでは2度の優勝。現在はBEYONDジム表参道店パーソナルトレーナー、SIXPAD HOME GYMのインストラクターとしても活動中。

 

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