Vリーグ選手おすすめ。新作“ベルト付き”バレーボールシューズの評価をVリーグ選手陣に聞いた
スポーツトレーナー鴻江寿治氏とスポーツブランドのデサントが開発し、身体の歪みなどを解消させてポテンシャルを引き出すことを目的としたベルト「コウノエベルト」。
デサントでは、コウノエベルトのシリーズ商品をさまざまな種目で展開しています。
バレーボールシューズにおいても、「SKY LO KB-コウノエベルトバレーボールシューズ-」を開発。靴ひもだけではなく、足の甲部分をコウノエベルトで締めることでフィット性を向上。
バレーボール特有の動きであるジャンプや接地、フットワークの瞬間に起きやすい足ブレを軽減するための構造になっています。
実はバレーボールVリーグでも多くの選手がこのシューズを使用。
そこで今回、パナソニック パンサーズの清水邦広選手、深津英臣選手、兒玉康成選手、ウルフドッグス名古屋の山田修造選手、小川智大選手にインタビュー。シューズの使用感やシューズ選びのポイントなどを聞いてみました。
※本記事のインタビューはオンラインビデオ通話で実施いたしました。
「足首の不安を解消してくれた」清水選手が感動したホールド感
画像:清水邦広選手
――まずはパナソニック パンサーズの清水選手にお話を聞ければと思います。シューズを選ぶ際に、特にチェックしているポイントについて聞かせてください。
清水:私は足首を故障しがちなうえに、ポジション的にもジャンプする回数が多いので、クッション性と足首がしっかり固定されるかを特にチェックしています。足首のホールドが弱いシューズですと、足首への負担が大きく故障につながるので。
また、足の形に沿ってシューズが曲がるかも重要です。足は指の関節で曲がりますが、シューズによっては足の真ん中で曲がるものも少なくありません。シューズがどこで曲がるかもチェックしています。
――そのようなこだわりを踏まえて、コウノエベルトバレーボールシューズの履き心地はいかがでしょうか?
清水:足首の悪い私にとっては最高のシューズです。コウノエベルトバレーボールシューズを履くようになってから、足首が痛くなくなりました。ほど良い硬さがあり、しっかり足首をホールドしてくれるので、シューズの中で足がブレず負担を軽減してくれます。
また、重さもちょうど良いですね。重いシューズはジャンプがしづらくて論外ですが、軽さを重視したシューズはどうしても柔らかくなりがちです。コウノエシューズは高いホールド感を保てるギリギリの軽さなので、安心しながらプレーできます。
※清水選手は特注のミッドカットモデルを着用
――履き心地以外にも、ほかのシューズとの違いがあれば教えてください。
清水:ほかのシューズに比べてコウノエシューズは作りがとても丈夫ですね。私たちは毎日ハードな練習をしているので、ときには1ヶ月でシューズがダメになることも珍しくありません。
つま先部分から靴の底が剥がれてしまったり、縫い目部分から破れてしまったり。
コウノエシューズは同じようなトレーニングをしても、比較的長く使えています。ほかのシューズが1ヶ月で破れるようなトレーニングでも、コウノエシューズなら2~3ヶ月は履き続けられていますね。
デサントのバレーボールシューズを避けていた深津選手も愛用するほどの改良
画像:深津英臣選手
――深津選手は以前もデサントのシューズを履いていたことがあるようですね。そのときの印象について聞かせてください。
深津:私の高校ではデサントのウェアを着用していたので、高校時代はずっとデサントのシューズを履いていました。
正直、当時の印象は最悪でしたね。グリップがひどくて湿気が高い日はとても滑るので、雨の日なんかは使い物になりませんでした。
その経験もあって、高校を卒業してからデサントのバレーボールシューズは避けていたのですが、たまたま機会があってコウノエシューズを履いてみたんです。
すると、信じられないほどグリップが改善されていて、高校時代のイメージを覆してくれました。今では多くの人に勧めているほどです。
――グリップ以外にも、改良されていた点はありますか?
深津:足にとてもフィットしてくれるのが良いですね。私はセッターで細かい動きも多いのですが、どんな動きにもシューズがついてきてくれる感覚があります。昔のデサントのバレーボールシューズと違って、コウノエベルトが付いていることもフィット感を高めてくれたと思います。
「清水選手の足首を守れるなら」同じ悩みを持つ兒玉選手も期待を込めて着用
画像:兒玉康成選手
――兒玉選手も以前デサントのバレーボールシューズを履いていたようですが、そのときの印象を教えてください。
兒玉:私が初めてデサントのバレーボールシューズを履いたのは、高校時代です。当時のシューズはホールド感が弱くて、よく足首を痛めていた私には向いていませんでした。それ以来、デサントのバレーボールシューズを履こうとは思いませんでしたね。
むしろ、デサント以外のバレーシューズもホールド感が物足りなくて、バスケットシューズを履いていた時期もあります。バレーと違って接触がある分、ホールド感があって足首への負担を軽減してくれますからね。
――なぜコウノエシューズを履いてみようと思ったのでしょうか?
兒玉:私と同じように足首を傷めがちな清水選手が履いていたからです。清水選手が足首をよく故障していたのを知っていたので「清水選手の足首を守れるシューズなら、自分の足首も守ってくれるかもしれない」と期待して試してみました。
試しに履いてみると、これまでのバレーシューズの概念を覆すホールド感と、ミドルブロッカーには欠かせないグリップ感に驚きました。グリップがさまざまな方向に効くので、切り返しの多いミドルブロッカーでも、安定したプレーを可能にしてくれます。
黒のカラーが、パンサーズのユニフォームのデザインにもマッチするのも嬉しいですね(笑)。
※兒玉選手は特注のミッドカットモデルを着用
どのポジション、どんな体型の選手にも履いてほしいシューズ。足首に不安のある選手にもおすすめ
――3人から見て、どんな選手にシューズをおすすめしたいですか?
清水:足首に負担がかかるスポーツなので、ケガが怖い選手にはぜひ試してもらって、少しでも安心してプレーしてほしいと思います。もともと捻挫するのが珍しくないスポーツですが、特に小中学生は捻挫しやすいので、ケガの予防のためにもおすすめですね。
深津:バレー選手ならどのポジション、どんな体型の選手にもおすすめできるシューズです。例えば体重の重い選手はクッション性を求めますし、リベロは軽いシューズを求めるなど、さまざまな要望があると思います。
コウノエシューズはあらゆる要望に対して“ちょうど良い”んですよね。ほど良いホールド感とグリップで、幅広い要望に応えてくれるので、どの選手にもおすすめしたいです。このシューズさえ履いておけば大丈夫だと思います。
兒玉:ケガが多い選手にはぜひ試してもらいたいですね。特に子どもは日々成長しているので、故障しないためにもぜひ履いてみると良いと思います。トッププレイヤーの多くが履いているので「形から入るタイプ」の人にとっても、上手くなるきっかけになるのではないでしょうか(笑)。
甲高で上手くフィットしない…。山田選手の悩みを解消した構造
画像:山田脩造選手
――ウルフドッグス名古屋の山田選手と小川選手にもお話を聞かせてもらいました。まずは山田選手ですが、どんなきっかけでこのシューズを履き始めたのでしょうか?
山田:履き始めたのは昨シーズンですね。長く履いていたシューズが廃番になり、それからいろいろ試したんですが、自分に合うシューズがなかったんです。ただ、コウノエベルトバレーボールシューズは僕の要望にマッチする部分が多くて、使用するようになりました。
――要望とはどんなものですか?
山田:僕が求めるのは、履いたときにきちんとシューズが足にフィットしつつ、でも締め付けられすぎない、一定の自由度が保たれた状態です。ちょっとワガママかもしれませんが(笑)。
締め付けが強すぎると動きが制限されるし、緩すぎると力を入れたときにシューズの中で足がグラつく。バレーボールはジャンプのような瞬発的な動きが多いので、足ブレはマイナスです。
特に僕の足は甲高で、紐をきつく締めると甲の一番高いところは締まるものの、足先は緩くなってしまうんですね。そのなかでフィット感がちょうど良いシューズを探してきましたが、なかなかありませんでした。
――その点について、コウノエベルトバレーボールシューズはどうでしょうか?
山田:良いと思います。ベルトがあるので、紐とは違う部分も締めることができますよね。しかもゴムのベルトなので、細かく調整できる。紐とベルトの2ヶ所でちょうど良いフィット感を作れるので、甲高の自分にとってはありがたいですね。
手で持つより、履いてみると「軽く感じた」という小川選手
画像:小川智大選手
――小川選手はどんなきっかけで使用し始めたのでしょうか?
小川:昨シーズンの途中から履き始めたのですが、きっかけはチームメイトの山田選手と永露選手が履いているのを見て、単純に見た目がかっこいいなと(笑)。黒色が好きなのですが、見た目のかっこよさに加え、好きな色も使われていたので、もう完全に見た目で使い始めるようになったんです。
ただ、使ってみると思った以上に良かったですね。僕がシューズに求めるのは「軽さ」です。ポジションがリベロなので、スパイクやブロックはなく、レシーブが基本。ボールを拾うために早く動くことが重要になるので、軽さを求めていますね。
――その軽さについてはどんな印象ですか?
過去に履いたシューズより重量自体は重いと思います。実際に手で持って比べてみると、1つ前に履いていたシューズより少し重く感じる。
でも、いざプレーしてみると重さを感じなくて。おそらくシューズの構造やフィット感の良さがこの感触につながっているのだと思います。明確には説明できないのですが。
昨シーズンはこのシューズを履いて賞を取れた(※Vリーグ サーブレシーブ賞、ベストリベロ賞、Vリーグ日本記録賞・サーブレシーブ部門)ので、自分に合っていることは確かですね。
――小川選手は、ベルト機能を使っているのでしょうか?
小川:僕は使っていません。ジャンプする機会が多くないので、そこまで締め付けなくて良いんですよね。ただ、スパイクを打つ人には有効だと思います。
このベルトは自由に調節できるので、必要なら使えば良いし、特にいらなければ使わずに紐で調整すれば良いし。自分に合わせて使えるのも良いと思います。
オールラウンドに使えるシューズ。バレーを始めた人たちの「最初の1足」にもおすすめ
――2人から見て、どんな人にこのシューズを勧めたいでしょうか?
山田:バレー部に入ったばかりの人、これからバレーを本格的にやる人の「最初の1足」にも良いと思いますね。あるいは、まだポジションが決まっていない人など。
というのも、今のシューズはポジションに特化して作られたものが多いと思います。でもこのシューズは、オールラウンドに使えるし、いろいろな人の足にフィットする構造なので。
小川:僕も同じですね。大学生や社会人はある程度自分のポジションも固定されて、より特化したシューズを好む人が多いですが、中学・高校はまだいろいろなポジションに対応できるシューズが良いはず。そんな人にも向いているのではないでしょうか。
――ありがとうございます。まだデサントのバレーボールシューズはそこまで印象が強くないので、みなさんの活躍が後押しになります。
小川:確かに、バレーボールでデサントというとユニフォームなどのウェアの印象が強いですね。ただ、昔からあるメーカーのシューズでも自分に合わないものはあると思うので、とにかく一度履いてみて、そのときの自分の感覚を大切にするのが良いと思います。これからバレーをやる人には、選択肢の1つとしておすすめしたいですね。
山田:そうですね。デサントのバレーボールシューズはあまりなじみがなくて最初は入りにくいかもしれませんが、単純に使っていて良いですし、男女を問わずバランスが取れたシューズという印象です。実際に使っている身として、一度試してみても損はないと思いますよ。
清水邦広
パナソニック パンサーズ 背番号1 ポジション:オポジット
深津英臣
パナソニック パンサーズ 背番号2 ポジション:セッター
兒玉康成
パナソニック パンサーズ 背番号21 ポジション:ミドルブロッカー
山田脩造
ウルフドッグス名古屋 背番号1 ポジション:アウトサイドヒッター
小川智大
ウルフドッグス名古屋 背番号24 ポジション:リベロ