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埼玉西武ライオンズ…生還…!ざわ…ざわざわ…!!

奇跡の勝利で我が埼玉西武ライオンズは生き残りました。2021プロ野球ドラフト会議、巣こもり需要に沸く他球団のなかで存亡の危機に瀕する西武は最後の大博打に出ていました。人生に絶望した人間が最後に向かう先が競馬場であるのと同様に、親会社が傾いた埼玉西武ライオンズは「クジ」に運命を委ねたのです。

ドラフト会議を前に公表された、西日本工大・隅田知一郎さんを1位指名するとの方針。ここにはもちろん「一途な愛」をアピールする狙いもあるでしょうが、僕の推察では真の理由は違います。天啓です。西武は天啓を受け、そしてその信仰に身を委ねるように「私は指名するぞ。私は指名するぞ。私は指名するぞ」とブツブツ言っていたというのが真実であろうと思うのです。

ご存知のように今季は5位か6位が確定し(たぶん6位)、親会社は資産切り売りの真っ最中。人生で言えば「詰んで」いる状態です。ついこの間「栗山巧2000本安打記念住宅」を売ると宣言したばかりなのに、その舌の根も乾かぬうちに建設担当の西武建設を売り払うという報道が出るのですから世話ぁありません。どこの世界に身売り真っ最中のデベロッパーを信じてローンを組む顧客がいるのかと。いくら建てるだけとは言え。

そんな状態ですから、西武の目はうつろでホテル従業員のクチからは「アパ…アパアパ……」という呪詛のようなものがこぼれているはず。そこからの逆転イッパツマンを探るには、野球しかないのです。もしもライオンズが大人気となり、オオタニサンみたいなのが現れたら、秩父山中までの電車が大混雑して再び会社も浮上するかもしれないでしょう。秩父プリンスホテルとかできちゃうかもしれないでしょう(※どことなく刑務所みたいな名前だが)。

今年のクジで大勝負をする。破戒的にそう決めたあとで、どの馬を買うか…じゃなくてどの選手を指名するかを考えた、きっとそういう順番なのです。「ドーンと買う」が先に決まっていたのです。年末の中山競馬場で暴れているオッチャンと同じ思考回路で。新聞の有力候補記事を見ながら勝負馬券を検討していたとき、おそらく西武の目には隅田さんの名前が目に飛び込んできたはずなのです。

左腕、即戦力投手、隅田知一郎。

そのときビビビと連想されたわけです。5日に戦力外通告をした多和田真三郎さんのことが。次代のエースと期待を寄せるも、病によってしばし球団を離れることとなった希望が、ここに甦っているじゃないかと。「多和田真三郎…」「隅田知一郎…」「タワタシンサブロウ…」「スミダシルイチロウ…」と。カイジに出てくる坂崎のおっちゃんの顔で「これは、サ、サイン…!天からのサイン…!」くらい思ったことであろうと。一度そうなったおっちゃんに「シルイチロウではなくて、チヒロです」なんて声はもはや届きません。指名公言。猪突猛進。当選祈願。一発逆転。飯田常務。楽天撲滅。楽天撲滅。楽天撲滅。その一念で西武はドラフトに臨み、そして生き残ったのです。くーーー、感動的な生還劇ですね!

↓こういう感じで最後のクジに未来を委ねて、ダメなら身売りの覚悟だったのだろうと推察します!


そういう最後の大勝負をしようというとき、野球で成功した連中になどクジを託すことはできません。連中はぬるま湯…!所詮は成功者…!困っている顔をしているだけで自分は安全圏…!解説でもYouTubeでも食い扶持はいくらでもあるとタカをくくっている…!最終的には独立リーグだろうが台湾だろうが引く手あまた…!とてもこのクジに一世一代の勝負を賭ける覚悟などない虚仮の集団…!と奮い立ってやってきたのが西武鉄道出身、元池袋駅駅長の飯田常務です。

鉄道から野球に移ってきた飯田常務にしてみれば、現在の会社の危機は人生の危機そのものです。半生を捧げた鉄道会社が窮地にあり、その浮沈を占うクジを引こうというのならせめて自分が引きたい。「3割打てれば超一流」などと言っている連中に任せてはおけない。10割…!10割勝つ…!そのために飯田常務はかなり危ない橋も渡ったことでしょう。

会場となるグランドプリンスホテル新高輪はご存知の通り、西武グループのテリトリー。つまり、どんなカラクリでも仕掛けられるということ。すべての通路、すべての個室に設置された高精細カメラと万能AIが当たりクジの行方を見守り、常務が装着した骨伝導イヤホンを通じて「上から2枚目です」と伝えることだって、やろうと思えばやれなくはない。それぐらいの覚悟で、クジに臨んだのであろうと。

そして、この勝負に西武は勝った。

まさに地下からの生還でした。

来年は何かいいことがあるかもしれない、そう思って過ごせるくらいには希望を得ることができました。そんな大勝負があったこと、どうか皆様の記憶にも留めておいていただければと思います。いつの日か、「あのドラフトがなかったらミクシィライオンズはあと5年早く誕生していたよね」なんて懐かしく振り返る日もあるでしょうから。ありがとう飯田常務。クジしか上がり目のない我が埼玉西武ライオンズに当たりクジを運んでくれて!至福、至福、至福の心境です!

↓ゴッドハンド飯田、2番目に触れたクジをつかむ作戦で見事に当たりクジをゲット!


↓隅田さん、来年24勝してくれるかな!それぐらい足りないのだ!


投球はそのままでいいですからね!

余計なことはせず、今のその素晴らしいままでいてください!



さて、このように今年はクジ大勝負に勝ったことで、西武民としてはホクホクのドラフトとなりました。まぁ、これぐらいはホクホクさせていただきましょう。他球団の皆様はこれからCSとか日本シリーズでホクホクされることでしょうが、コチラはもう「飯田常務グッズ発売」とか「飯田常務が受験生の合格を祈願してお守り配布」とか「飯田常務が西武球場前駅の一日駅長に就任」とか、それぐらいしか明るい話題がありませんので。ということで、2021年ドラフトの寸評です。

横浜DeNAベイスターズ

1位指名で最速152キロ右腕の高校生・小園健太さんを引き当てたことで、100点未満はなくなった。高校⇒大学⇒高校⇒大学⇒高校⇒大学というリズム感も絶妙で、投手を中心に各ポジションを幅広く指名する充実のドラフトに。番長肝入り?の「三浦銀二」さんは横浜「銀」蠅的なイメージでの売り込みのため、なるべく早期に髪型をリーゼントにさせてほしい(全強制的に)。


北海道日本ハムファイターズ

昨年は髪型ダルビッシュこと伊藤大海さんを獲得し「ダルビッシュコレクター」としての評価を不動のものにしたドラフト大好き球団は、今年も新たなダルビッシュを指名。天理のダルビッシュこと達孝太さんは「ダルビッシュ、マックス・シャーザー、トレバー・バウアーを3で割った投手が理想」「大谷さんはすごいのはすごいけど迫力はない」「目標はメジャーリーグで活躍すること」と言い放ったらしく、早速ダルビッシュぶりを発揮している模様。中学校の卒業文集時点で将来は「5年100億円の大型契約」をイメージするなど、とにかくスケールが大きい。「日ハムが好きそうな選手」という意味で納得感しかない完璧な指名となった。



中日ドラゴンズ

場内と世間を騒然とさせたブライト健太さんの1位指名に始まり、6人指名・ウチ5人が野手・育成ナシという大胆な指名には「もはや球団運営を諦めたか?」「諦めてないけど金がないのか?」という疑いも浮上してくるが、これも何らかの与田イズム(悪い意味で)なのだろうか。まぁ確かに、今の中日球団に足りないやる気・元気・岩鬼を感じさせてくれるのはブライト健太さんかもしれない。ゴルフ並みのアッパースイングで豪快にかっ飛ばす姿は、かつてのリナレスを彷彿とさせ、中日感は存分にある。

↓中日の補強ポイントに合致している気はする!


埼玉西武ライオンズ

1位で4球団競合の隅田知一郎さんを当て、2位でやはり有力大学左腕の佐藤隼輔さんを獲得。注目の左を2枚獲得できたことは100点を超えて200点ドラフトと言ってもいい。ただ、例年であれば「器の大きさだけで獲ってみたロマン枠」や「ポジティブボディ枠」、「沖縄群馬枠」など趣味枠が入ってくるべきところが、それらしき指名が見当たらないあたりには、じょじょに身売りの準備が進んでいるのではないかと底冷えする不安も。


広島東洋カープ

1位指名はハズレハズレで黒原拓未さんの交渉権を獲得。「采配も弱い、育成も弱い、クジも弱い」と広島界隈からは佐々岡監督の評判がすごぶる悪いが、きっと遠大なる計画があるのだろう。3位以降の指名では「トヨタ自動車」「愛工大名電高」「Honda鈴鹿」「岐阜商高」と中部地方を狙い撃ちする指名がつづいている点と、中日が6人しか指名しなかった窮状を鑑みるに、「まず中日を確実に沈める」というのが直近の方針か。ちなみに、他国の首相が日々どんなツイートしているのかは正直知らないが、日本の首相はドラフト見てカープのツイートをしてた。カープ国民の鑑。



福岡ソフトバンクホークス

「金に物を言わせた暴力」とはこのこと。本番指名が5人、そして育成指名が14人。「え!?これから野球部を作る必要がある漫画か何かですか?」みたいな指名数には、ソフバンの来季の凄まじい反撃というものが予感させられる。今季は優勝できるかもしれないオリックスだが、「ひとりやふたり壊れたくらいでガタガタ言うな」「足りなければ、育てればいい」「代わりはいくらでもいるんだよ」とうそぶくソフバンとの壊し合いとなれば、来季以降は分が悪いか。「まだ4軍は作らない」方針だそうだが、そのために「3軍が満杯で出場機会が乏しい」ことになっているとかいうムチャクチャな話も。漫画「MAJOR」で見た夢島と同じシステムだ。もしかしてミクシィより先にLINEモバイルが西武を買いに来たりして、事実上の4軍化とする可能性もあるのだろうか。厳密に言うとソフトバンクとLINEMOは別会社らしいし(だから、ソフバンからLINEMOに移動するとソフバンの料金は1ヶ月分まるまる取られる/やり口が汚い)。またここから千賀とかが出てくるのだろうと思うと、気が遠くなる。

↓人間で「ここからここまで全部ちょうだい」をやってる感じ!


読売巨人軍

西にソフバンあれば東に巨人あり。こちらも獲りに獲ったり、本番7名+育成10名の17名指名。クジ引きは11連敗となったが、これだけ獲ればひとりくらい当たるんだろう…知らんけど…。いくら何でもひとりくらい当たるんだろう…知らんけど…。




東北楽天ゴールデンイーグルス

1位で指名された選手が泣き、2位で指名された選手が泣き、3位で指名された選手が大喜びという幸福感があふれるドラフト。一般のファンからは有名選手への指名ではないことに一抹の不安も広がっているようだが、その点は安心してもらって構わない。「楽天の倉庫」ともっぱらの評判の西武が、今年の目玉・隅田さんを獲ったのだから。そのままの品質で置いておいてもらえれば、あとで美味しくいただきますの余裕ドラフトなのである。

↓2位の安田悠馬さんは「今までの人生が走馬灯のように流れてきた」と死ぬ直前みたいな感想で号泣!


阪神タイガース

昨年はサトテル獲得で大成功ドラフトとなった阪神。今年は小園健太さんのクジに敗れるも、ハズレ1位で高校BIG3の一角である森木大智さんをファンの期待に応えて指名。高地出身の高卒1位指名は、あの藤川球児さん以来とのことで早くも「球児2世」の呼び声が。黄色と黒の法被に身を包んだ姿は、すでに立派な猛虎。即戦力から高校生大砲まで幅広く獲得し、2年連続ドラフト成功待ったなし!



千葉ロッテマリーンズ

注目の1位は市立和歌山高校で小園健太さんとバッテリーを組んだ松川虎生さんを指名。リーグこそ別れたものの、バッテリーがともに1位でプロ入りという漫画のような展開にファンも胸をときめかせた。指名記者会見では早速記者からロッテのお菓子を持たされ、食いしん坊万歳みたいなショットを撮影。西武方面からも「ウチで欲しい逸材だったなぁ」との声が漏れた。ロッテに入団すると工場に連れていかれて「パイの実は64層もあってすごいと思いました」と言わされるのが恒例だが、不二家のホームパイは700層あり、浜松のうなぎパイは9000層もあるので、64層程度であまり驚かないように。

↓お菓子を喜んでいる少年にしか見えないwww


東京ヤクルトスワローズ

ヤクルトと言えば「ハズレ1位」に縁のある球団だが、今年はハズレ1位のクジで山下輝さんの交渉権を獲得し、期待が高まる。3位には甲子園経験なし、大学時代は怪我と手術で公式戦登板ナシという異色の社会人・柴田大地さんを指名。ドラフト参考動画の投球のなかでも、抜きん出たノビを感じさせる苦労人に対して、競馬界隈からも「柴田大知が野球を始めたらしいぞ」「登場曲はGIのファンファーレにしよう」「変化球の名前はマイネルスプリットとかでどうだ」などのワチャワチャが。



オリックス・バファローズ

順位が上になったことでドラフトがやりづらくなるという副反応みたいなものを抱えて臨む2021年のオリックス。ファンからは「ウチは12球団並べたときに、大体この位置ってのが決まってるんだけど、今年は場所が違ってて見づらい」「え!?ウチが最初に入札するんじゃないの!?」「オリックスがまだ入場してこないんですが欠席ですか?」などの声も。そんななか球団サイドは落ち着き払ったもので、1位で椋木蓮さんを一本釣りして柿木蓮を抱える日ハムに早速一泡吹かせると、即戦力を中心に手堅い指名。上位球団の風格が漂ってきた。

↓写真見ただけで「オリックスかな?」と感じるくらいにはオリックス風味アリ。



今年もこうして多くの若き才能をプロ野球はお迎えすることになりました。今日の時点では全員がスター候補で、全順位が大成功。答えが出るのは5年後くらいからです。すべての選手が素晴らしい結果を残せるとは限りませんが、後悔のないほどのチャレンジをして未来に向かっていってほしいもの。「プロ野球」で過ごす時間が素晴らしいものとなりますように!


西武民にとっても希望の持てる2021年の終わりとなって、よかったです!