写真・アフロ

 五輪での試合をめぐって、日韓のネットであらぬ争いが起こってしまった。

 7月28日におこなわれた卓球女子・伊藤美誠(みま・20)と韓国代表のチョン・ジヒ(28)による一戦。試合は伊藤が勝利したものの、試合中に伊藤がテレビカメラによる照明がまぶしいとして審判に訴える一幕があった。

『デイリー新潮』によると、このカメラマンは情報番組『スッキリ!』(日本テレビ系)のクルーであったことが判明。同カメラマンはスポーツ選手取材の勝手を把握していなかったという。日本テレビ側も事実関係を認めたとしている。

「しかし、これが報じられる前、日本のネット上では『韓国のテレビ局による妨害行為のはずだ』と憶測が飛び交ったんです。なかにはそれらしい解説までつけた動画も出回るほどで、多くの “嫌韓” によって拡散され、真に受ける人も大勢いました」(政治部記者)

 いわゆる “ネット右翼” たちは、まったくのフェイクニュースを拡散してしまったというわけだ。当然、韓国側も反論に出た。

「『韓国メディアが伊藤を妨害した』という噂が出回ったことについて、『ソウル新聞』も『日本のネット民たちが「日韓戦」というだけで無理に作り上げた憶測だった』と報じています。『(妨害は韓国メディアによるものではないという事実を)わかっていたけど黙っていた』という声や、『本当に図々しい』という批判もネット上では上がっています」(現地ジャーナリスト)

 真相が明らかになった後、日本のネット上でもさまざまな声があがっている。

「情報拡散に加担した人物たちは、素直に誤情報を拡散したことを謝罪する人もいれば、『疑われるような関係性を築いてきたのはどっちだ』とあくまで自分たちを正当化している人もいます」(前出・政治部記者)

 国民感情が高ぶる五輪期間中だからこそ、情報の発信・拡散には注意が必要だ。