ムツミグローバルフーズネットワークの千葉プロセスセンター(TDB撮影)

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コロナで機内食需要が大幅減少

 (株)ムツミグローバルフーズネットワーク(TDB企業コード:989736445、東京都中央区勝どき6-3-2)と、関係会社の(株)フードリンケージ(TDB企業コード:960239933、千葉県八街市八街ほ427-1)は、7月16日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は井上裕明弁護士(東京都千代田区二番町3-5、半蔵門総合法律事務所、電話03-3239-0011)。債権届け出期間は8月20日まで。

 (株)ムツミグローバルフーズネットワークは、2007年(平成19年)7月に設立された水産物および食肉の卸業者。主力である水産物は、バナメイエビやイクラ、ホタテ、タコなどを築地などの水産物卸業者より仕入れ、大半を千葉県内にある自社工場にて加工し、機内食を扱う航空会社のグループ会社や国内鮮魚卸業者に販売するほか、東南アジアへ輸出も行っていた。また、食肉についても国産和牛を中心に豚肉なども取り扱い、輸出量が増加した2020年6月期には年売上高約51億9200万円を計上していた。

 しかし、2020年6月期中から新型コロナウイルス感染拡大に伴い、旅客空輸の稼働率が低下したことで、機内食向けの販売が大幅に減少。その後はコロナ禍でも好調な大手スーパーからの受注に注力したが、売り上げの過半を占めていた機内食事業向けの受注減をカバーしきれず、今年2月10日に事業を停止していた。

 (株)フードリンケージは、2009年(平成21年)5月に設立された食品の加工販売業者。

 負債は、(株)ムツミグローバルフーズネットワークが約40億円、(株)フードリンケージが約8億円で、2社合計で約48億円。