神戸シヤツ本店

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新型コロナが影響、出店先の百貨店休業などで先行きの見通しが立たなくなった

(株)神戸シヤツ(TDB企業コード:530181107、資本金1000万円、兵庫県神戸市中央区三宮町3-1-6、代表吉兼裕美氏)は、6月30日付で事業を停止し、事後処理を宮本次郎弁護士(兵庫県神戸市中央区多聞通3-2-9、宮本法律事務所、電話078-351-2220)に一任、自己破産申請の準備に入った。

 当社は、1951年(昭和26年)7月創業、74年(昭和46年)4月に法人改組したワイシャツのオーダー加工縫製業者。「神戸シャツ」の屋号で神戸元町の百貨店前に本店を構え、熟練の職人技術によるオーダーシャツの販売を行い、多数の財界人や文化人からも愛用されていた。長年の実績で7万人以上の「紳士録」(顧客リスト)を有し、受注に即応できる体制を構築。神戸本店のほか東京、広島、札幌の百貨店内にも出店し、98年2月期には年売上高約4億4800万円を計上していた。

 しかし、その後は個人消費の低迷に伴い、特に中高年の男性層をターゲットにした高級紳士用品の需要は大きく減退。当社の売り上げも落ち込み、百貨店に出店していた各店舗も相次いで閉鎖、2020年2月期の年売上高は約8500万円にとどまっていた。収益面でも家賃や人件費の負担が重く、赤字計上を散発し債務超過に転落。厳しい資金繰りを強いられるなか、神戸本店での営業に集中するとともに経費削減などでしのいでいたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により神戸元町の百貨店なども休業を余儀なくされ人通りは大きく減少。ここに来て先行きの見通しが立たないことから事業継続を断念し、今回の事態となった。

 負債は現在調査中だが推定5000万円。