新型コロナワクチン接種の直後にクルマの運転は大丈夫!? 気をつけるべき注意点とは

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接種後の副反応には要注意! クルマの運転は大丈夫?

 諸外国に比べ、当初遅れが見られた我が国の新型コロナワクチン接種ですが、2021年春にまず医療従事者や高齢者など、優先すべき人々への接種がはじまりました。その後同年6月ごろには対象が一般市民にも拡大し、現在は全国各地で接種が本格化しています。

東京・大手町にある自衛隊東京大規模接種センター。2021年8月下旬まで運用する予定だ

 ただワクチンは、新型コロナウイルスへの感染や重症化を防ぐというメリットがある一方で、接種後に発熱や痛みなどの「副反応」が現れることがあり、その程度は個人個人により違いがあることも知られています。ではワクチン接種を受けた当日にクルマを運転しても大丈夫なのでしょうか。

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 厚生労働省は「新型コロナワクチンQ&A」という特設サイトにおいて、「ワクチンを接種した日は、車を運転できますか」という質問に対し、「ワクチンを接種した後の体調が良好であれば、基本的には運転をしても問題はありません。ただし、体調に不安がある場合は運転を控えることが大切です」という答えを掲載しています。

 また一方で、別の「ワクチン接種後、生活上で注意することはありますか」という質問については「接種部位の痛みが出たり、倦怠感、発熱、頭痛や関節痛などが生じることがあります。できるだけ接種当日・翌日に無理をしないですむように予定を立てておくとよいでしょう」とも答えています。

 つまり厚生労働省は、ワクチン接種後の運転について、「基本的に問題ないが、体調の変化があれば控えるべき」と考えていることがわかります。

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 ではワクチン接種により、実際にどのような体調の変化が現れるのでしょうか。1回目の接種を受けた男性(50代)は、体調の変化について、次のように語ります。

ワクチン接種を受けたのは、6月の平日です。午前中に接種を済ませた後、とくに違和感などはなく、オフィスに戻り、いつものように仕事しました。ところが夕方になり、体調に変化が現れました。立ち上がったときに軽いめまいやふらつきを感じるようになったのです。帰宅後にクルマで夕食の買い物に出かける予定でしたが、危ないかなと思い、歩いて行ける範囲で済ませました」

 このように副反応は、遅れて発生することもあるため、接種当日はしっかりと様子を見たほうがよさそうです。

2回目の接種ではより免疫反応が起こりやすい

 また新型コロナワクチンは2回の接種を済ませることで有効な免疫を獲得することとなりますが、1回目のワクチン接種で体内にいくらかの免疫が生まれるため、2回目の接種でより免疫反応が起こりやすくなり、発熱や倦怠感、関節痛などの症状が出やすいとされています。

コロナワクチン接種の直後に運転しても大丈夫なのだろうか

 すでに2回の接種を済ませた医療従事者の女性(30代)は、自身に表れた副反応を振り返ります。

「1回目の接種後は、接種した部位にしばらく腫れと痛みが残ったくらいで、ふだんの生活にはまったく問題はありませんでした。しかし2回目は接種後にすぐに発熱した後、これまで感じたことがないくらいのだるさに見舞われ、何をするのもおっくうでした。じつは自分より早く2回目の接種を終えた同僚からは副反応について聞いていたのですが、これほどとは思いませんでしたね」

 この副反応は翌日にも続いたそうです。

「朝起きてもだるさが残り、微熱が下がりませんでした。副反応に備え、お仕事をお休みにしておいてよかったと思います。当日、翌日ともクルマを運転する予定はありませんでしたが、もし運転するとしたらかなり不安を感じていたでしょう」

 もちろん、接種したその日はクルマで出かける予定を入れないという安全策がとれるなら、問題はありません。しかし接種会場にクルマで向かうケースではどうでしょう。

 ワクチン接種による副反応は個人差があり、先に紹介したように1回目でめまいを感じた人もいれば、問題なかったという人もいます。ただ「アナフィラキシーショック」、つまりワクチンが身体に入ってから短時間で起きることのある、激しいアレルギー反応の発生も考慮に入れると、やはり接種会場にひとりでクルマを運転して向かうことは、ある程度のリスクをともなうと考えるべきでしょう。

 ワクチン接種に際しては、できるだけ徒歩や公共交通機関でアクセスできる接種会場や医療機関を選ぶこと、もしクルマ社会となっている地方在住でそれが難しければ、家族など信頼できる人に送り迎えをお願いするといった対策をとってはいかがでしょうか。