国内シェア約70% 世界の「OIGO」として知られる

(株)老子製作所(TDB企業コード:370007954、資本金1250万円、富山県高岡市戸出栄町47−1、代表老子祥平氏ほか1名)は、6月28日に富山地裁高岡支部へ民事再生法の適用を申請し、同日保全処分を受けた。

 申請代理人は斉藤寿雄弁護士(富山県高岡市広小路27−1カネソビル、斉藤・加藤法律事務所、電話0766-23-3776)ほか1名。

 当社は、1868年(明治元年)創業、1946年(昭和21年)4月に法人改組した梵鐘製造業者。梵鐘製造では国内最大手で、これまで数万個以上の梵鐘を製作し、大型和鐘の製造技術は世界でもトップクラスと称されていた。日本国内のみならず海外でも相応の知名度を有しており、国内最大手で全国シェアの70%を占めているほか、銅像や仏像、モニュメントを含む社寺建築金物の製作なども行っていた。これまでの納入実績には、「広島平和の鐘」「国連の鐘」「皇居二重橋青銅製高欄」「沖縄平和祈念堂梵鐘」「靖国神社国旗掲揚塔」「長野善光寺忠霊殿相輪」などがある。高い技術力が裏づけとなって全国各地の寺院から受注を得て1989年3月期には年売上高約11億400万円を計上していた。

 しかし、リーマン・ショック後に各寺院などからの受注が伸び悩み、売り上げは低迷。原材料価格の高騰などもあり収益面も低調で、長年にわたり債務超過の状態が続いていた。さらに昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い受注は低調で、世界初となる鋳物のウイスキー蒸留器の開発にも取り組んだものの、2020年3月期には年売上高約約2億1000万円までダウン。年商を大幅に上回る金融機関からの借入金も重荷となっていたことで自力再建を断念し、民事再生法の適用を申請することとなった。

 負債は約10億6000万円(金融債務約6億3000万円を含む)。

 債権者説明会は7月5日午後3時。