ビタミンってたくさん種類があるけど、それぞれの特徴や効果が知りたい!

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健康を維持するために必要な栄養素である「ビタミン」。とはいえ、ビタミンBやCなど、アルファベットで細かく分類されています。はたして、ビタミンはそれぞれ、どのような役割を持っているのでしょうか。また、体調によって意識的に摂った方がいいビタミンがあるのかも気になるところです。今回は、「管理栄養士」の坂本さんに、ビタミンの種類と特徴などについてお話を伺ってきました。

監修管理栄養士:
坂本 圭子(管理栄養士)

病院や介護老人保健施設、保健センターで働いた経験を経て、フリーに転身。現在はアレルギーやヴィーガン対応のレシピ提案、トレーニングジムの食事指導、執筆、サプリメントの企画開発などに携わっている。

ビタミンは脂溶性と水溶性合わせて13種類

編集部

ビタミンって、たくさん種類がありますよね。

坂本さん

そうですね。ビタミンは、脂溶性と水溶性に区別されています。脂溶性ビタミンが4種類、水溶性ビタミンが9種類、計13種類のビタミンが存在します。それぞれのビタミンがいろいろな食材に入っているため、すべてを1日で摂取するのは難しいと言われています。

編集部

脂溶性と水溶性で、なにが違うのでしょうか?

坂本さん

脂溶性ビタミンは、油に溶けやすく、水に溶けないビタミンのことです。他方、水溶性ビタミンは、水に溶けてしまうため、余分なものは尿などから排出されてしまいます。また、熱に弱いので、加熱調理すると破壊されてしまうのが特徴です。

編集部

ビタミンを体内でつくることはできないのですか?

坂本さん

たしかに一部のビタミンは体内で合成することができます。しかし、ほとんどのビタミンはつくることができないため、食べ物から栄養を摂取する必要があります。

油と一緒に摂取したい脂溶性ビタミン

編集部

それぞれのビタミンの種類について、詳しく教えてください。まずは、脂溶性ビタミンから。

坂本さん

ビタミンA、D、E、Kが脂溶性ビタミンです。ビタミンAは、にんじんやレバー、ビタミンDは干しきのこや魚介類に含まれています。ビタミンEはアーモンドなどのナッツ類や植物油、ビタミンKはほうれん草やモロヘイヤなどの緑黄色野菜や海藻類です。

編集部

効率よく脂溶性ビタミンを摂取する方法はありますか?

坂本さん

先述したとおり、脂溶性ビタミンは油に溶けるため、油と一緒に調理すると吸収率が高まります。例えば、ほうれん草やにんじんは、肉や魚、オリーブオイルなどと一緒に炒めるといいでしょう。また、魚介類であれば揚げ物にしてもいいと思います。

編集部

脂溶性ビタミンを摂ると、体にどのような効果がありますか?

坂本さん

水に溶けない脂溶性ビタミンは、脂肪組織や肝臓に貯蔵することができます。ビタミンAは皮膚や粘膜を正常に保つ、DやKは骨や歯を形成する、Eは血液の流れを活発にするといった役割があります。それぞれ体の機能を正しく動かすのに必要な栄養素なので、しっかりと摂取する必要があるでしょう。

編集部

脂溶性ビタミンが不足するとどうなるのでしょうか?

坂本さん

不足したときの症状はそれぞれ異なります。例えば、ビタミンAが欠乏すると角膜が乾燥するため、暗い場所でものが見えづらくなる「鳥目」になる可能性があります。ほか、ビタミンDは、「くる病」という骨の病気に、ビタミンEは「運動機能の低下」、ビタミンKは「内出血」や「骨粗しょう症」などを発症しやすくなると言われています。

水溶性ビタミンは少しずつ頻繁に摂る

編集部

もう一方の水溶性ビタミンには、どのようなものがありますか?

坂本さん

ビタミンC、ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、葉酸が水溶性ビタミンです。水溶性ビタミンは先ほども述べたように、尿などから排出されたり、加熱で破壊されたりします。そのため、一気に大量摂取してもあまり効果はありません。一度の摂取は少量、その代わり摂取頻度を増やして、バランスよく摂る必要があります。

編集部

たくさん種類がありますが、代表的なものをいくつか教えてください。

坂本さん

よく聞くのは、ビタミンCですよね。柑橘類や芋類に多く含まれ、メラニンの生成を抑制します。なお、芋類はデンプンに囲まれているため、破壊されにくく比較的摂取しやすくなっています。豚肉などに含まれるビタミンB1は、糖質代謝を高める効果があります。また、アリシンが含まれる玉ねぎと一緒に食べると、より代謝の働きがアップします。タンパク質の代謝に関わるのは、ビタミンB6です。筋肉をつけたいときやダイエットにおすすめですね。鶏肉などに多く含まれています。

編集部

水溶性ビタミンが不足するとどうなりますか?

坂本さん

こちらもビタミンにより異なりますが、ビタミンCは「歯ぐきから出血しやすくなる」、B1は「口内炎」や「運動障害」、B6は「神経炎」、B12や葉酸は「貧血」、ビオチンやパントテン酸は「皮膚炎」などを引き起こす可能性があります。

編集部

最後に、読者へのメッセージがあれば。

坂本さん

バランスのいい食事が重要なのは当然ですが、すべてのビタミンを食べ物から摂取するのは大変だと思います。そのため、不足しているビタミンはサプリメントで補うのもおすすめです。また、紹介したような症状が出た場合、ビタミン不足が原因の可能性があるので、食事やサプリメントなどで栄養を補うようにしましょう。それでも改善されない場合は医師に相談です。

編集部まとめ

ビタミンには脂溶性と水溶性で分類されており、それぞれ「油に溶けやすい」、「水に溶けやすい」などといった特徴がありました。また、食べ方や調理法にも注意が必要なことに加え、ビタミン不足によって体に及ぼす影響なども様々なことが分かりました。それぞれの特徴をしっかりと知った上で、自分に不足しているビタミンを、積極的に摂取していきましょう。