Appleの提携企業7社が「ウイグル人の強制労働」に関与していることが判明
2021年5月10日に、「Appleに部品などを納入しているサプライヤー7社が、新疆ウイグル自治区における強制労働を利用していることが判明した」と、海外メディアのThe Informationが報じました。Appleはこれまで、同社や同社の関連企業が「強制労働に関与した証拠は見つかっていない」としていましたが、この報道によりこれまでの主張が真っ向から否定された形になります。
https://www.theinformation.com/articles/seven-apple-suppliers-accused-of-using-forced-labor-from-xinjiang
Seven Apple suppliers linked to Chinese forced labor programs | AppleInsider
https://appleinsider.com/articles/21/05/10/seven-apple-suppliers-linked-to-chinese-forced-labor-programs
Apple suppliers linked to Uyghur forced labor in new report - The Verge
https://www.theverge.com/2021/5/10/22428899/apple-suppliers-china-uyghur-forced-labor-report
伝えられるところによると、ウイグル人の強制労働に関与したとされるAppleのサプライヤーはAdvanced-Connectek・Luxshare Precision Industry・Shenzhen Deren Electronic・Avary Holding・AcBel Polytech・CN Innovations・Suzhou Dongshan Precision Manufacturingの7社です。
The Informationは、特にAdvanced-Connectekについて「10年以上にわたり、Appleに地味ながら重要な部品を供給してきたのがAdvanced-Connectekです。この10年間のうち2年間、同社は新疆ウイグル自治区の工業団地にある工場を運営していました。この工業団地は、壁とフェンスで囲まれており、出入口は1つしかない場所です」と述べています。
また、7社のうち6社は、中国政府が運営する「労働プログラム」に参加している企業とのこと。イギリスのシェフィールド・ハラム大学で人権について教えているローラ・マーフィー教授は、中国の労働プログラムについて「中国政府が主催するこれらのプログラムは、地域の少数民族の人たちが参加を拒否できないようになっているため、強制労働として理解されなければなりません」と話しました。
以前から、「中国の新疆ウイグル自治区ではウイグル人の強制収容施設が急増している」と報じられており、今回The Informationが取り上げた工業団地もそうした施設の1つだと目されています。
中国のウイグル族収容施設は急速に拡大を続けているという指摘 - GIGAZINE
Appleの広報担当者はThe Informationに対して、「改めて調査を行ったところ、私たちが事業を行っているどの過程でも、強制労働が行われている証拠は見つかりませんでした。当社は今後も、労働者を保護し、労働者が尊厳と敬意をもって遇されるよう全力で取り組んで参ります」と話しています。また、中国政府は強制労働所について「新疆ウイグル自治区の人々を貧困から救うことと、テロを防ぐことを目的として設けられた職業訓練センターです」と説明しました。
Apple関連の情報を扱うニュースサイト・AppleInsiderは、「Appleは、ウイグル人の強制労働を防止する法律の制定に反対するロビー活動を展開していることが分かっていますが、中国の強制労働の恩恵を受けている企業はAppleだけではありません。今回特定された7社は、Google・Samsung・Amazon・Tesla・Dell・Lenovo・BMW・Cisco・HPなどとも取引をしています」と指摘しました。