「経験を買う」、私が鉄のフライパンを再び使い始めた理由
【心がまあるくなる話・2】 人生の中で幾度となく繰り返される物選び。使えなくなったものを買い替える時、使ったことのないものを迎え入れたいと考えた時など、その度に選択肢に迷い、なるべく失敗したくないと思いながら選んでいる。「暮らしクリエーター」の蓮花(はすはな)が、後悔しないもの選びのヒントをお届けする。
商品を買い替えるとき、いくら下調べをしても、実際には使ってみないとわからないことがほとんどだ。特に日常的に使うものは、使いやすいものでなければならない。見た目のデザインが気に入って購入しても、使いにくいものは、結果的に自然と使う頻度が減ってしまうことはよくある。
では、どうしたら見極められるのか?その答えに100%正解というものはない。自身の好みや性格によって選択肢は人それぞれだからだ。
例えば、私の場合、過去に鉄のフライパンを購入したけど使いこなせなかった。その理由に、フッ素樹脂加工のフライパンに比べて重い、くっつく、錆びる、といった難点があった。
その当時は使いにくいと感じ、鉄の良さを実感しないまま手放してしまったが、数年後にやはり鉄をもう一度使ってみたいと思うようになった。
なぜそう思うようになったのかと言うと、フッ素樹脂加工は扱いやすいが熱伝導率が弱い。それに比べて鉄は、肉がジューシーに焼けたり、野菜はパリッと、目玉焼きはカリカリに焼けたりという、鉄ならではの利点があることを知っていたからだ。
一方で、調理道具には使いやすさとは別に「始末」というのが肝心になる。洗った後に放置しても良いフッ素樹脂加工に比べ、鉄は直ぐに火にかけて水分をとばさないと錆びてしまう。そういった少しの手間が必要なのだ。
日々の使う道具に少し手間がかかることに、ほとんどの人が敬遠するだろう。もちろん、私も同じだが、手間をかける時間は暮らしの変化によって負担に感じなくなることもあるのだ。こうした視点から、使いたくなった時期に気になっているものを、再度検討してみることも良いことだと思う。
実際、私は改めて鉄のフライパンを使うようになって、過去に手放した時とは明らかに違う感覚があった。過去の私は、錆びないように気をつけることが負担に感じていたが、フライパンに油が馴染むまで使いこなすことでわかったことがたくさんあった。
過去に使いこなせなかったものを改めて使うことによって、新たな発見があった。ものを買うということは失敗もたくさんあるけれど、「経験を買う」と思うと決して無駄ではないような気がする。(蓮花)
蓮花(はすはな)
暮らしまわりを物語る「暮らしクリエーター」。日々の中で心がまあるくなるような暮らしに寄り添うモノを探し、毎日を手づくりしていくようなライフスタイルを提案している。
商品を買い替えるとき、いくら下調べをしても、実際には使ってみないとわからないことがほとんどだ。特に日常的に使うものは、使いやすいものでなければならない。見た目のデザインが気に入って購入しても、使いにくいものは、結果的に自然と使う頻度が減ってしまうことはよくある。
例えば、私の場合、過去に鉄のフライパンを購入したけど使いこなせなかった。その理由に、フッ素樹脂加工のフライパンに比べて重い、くっつく、錆びる、といった難点があった。
その当時は使いにくいと感じ、鉄の良さを実感しないまま手放してしまったが、数年後にやはり鉄をもう一度使ってみたいと思うようになった。
なぜそう思うようになったのかと言うと、フッ素樹脂加工は扱いやすいが熱伝導率が弱い。それに比べて鉄は、肉がジューシーに焼けたり、野菜はパリッと、目玉焼きはカリカリに焼けたりという、鉄ならではの利点があることを知っていたからだ。
一方で、調理道具には使いやすさとは別に「始末」というのが肝心になる。洗った後に放置しても良いフッ素樹脂加工に比べ、鉄は直ぐに火にかけて水分をとばさないと錆びてしまう。そういった少しの手間が必要なのだ。
日々の使う道具に少し手間がかかることに、ほとんどの人が敬遠するだろう。もちろん、私も同じだが、手間をかける時間は暮らしの変化によって負担に感じなくなることもあるのだ。こうした視点から、使いたくなった時期に気になっているものを、再度検討してみることも良いことだと思う。
実際、私は改めて鉄のフライパンを使うようになって、過去に手放した時とは明らかに違う感覚があった。過去の私は、錆びないように気をつけることが負担に感じていたが、フライパンに油が馴染むまで使いこなすことでわかったことがたくさんあった。
過去に使いこなせなかったものを改めて使うことによって、新たな発見があった。ものを買うということは失敗もたくさんあるけれど、「経験を買う」と思うと決して無駄ではないような気がする。(蓮花)
蓮花(はすはな)
暮らしまわりを物語る「暮らしクリエーター」。日々の中で心がまあるくなるような暮らしに寄り添うモノを探し、毎日を手づくりしていくようなライフスタイルを提案している。