地元限定なんてもったいない! 九州の味を再現したカップ麺「バリうま」4種類を徹底レビュー
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第四十八回 九州限定!東洋水産「バリうま」4品 文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。「ご当地カップ麺」をレビューする連載の第四十八回目となる今回は、東洋水産が九州限定で発売しているご当地カップ麺、「バリうま」シリーズ4品をレビューします。
東洋水産「バリうま」4品
東洋水産「バリうま」は九州限定のご当地カップ麺
九州では、他地域と比べて地場のインスタント麺メーカーが強く、福岡のマルタイ、佐賀のサンポー食品、熊本の五木食品など、全国的に知られるメーカーも多く存在しています。
カップ麺では特に、サンポー食品の「焼豚ラーメン」やマルタイの「長崎ちゃんぽん」など、どこのお店でも店頭に並ぶ大定番商品があり、独特のカップ麺文化が育まれています。
博多弁で「とてもおいしい」を意味する「バリうま」
そんな中、全国メーカーである東洋水産が、ご当地麺シリーズの「バリうま」を売り出すことで、地場メーカーに対抗しています。
「熊本風黒とんこつラーメン」、「長崎ちゃんぽん」、「宮崎風旨辛麺」、そして博多のごぼ天うどんを再現した「ごぼ天うどん」の4品。これらのカップ麺の他に、博多ラーメンを再現した袋麺「とんこつラーメン」も出ています。
今回は「バリうま」のカップ麺4種類をレビューし、地場メーカーのカップ麺に負けない魅力に迫りたいと思います。
Wニンニクのジャンキーなパンチ!「バリうま 熊本風黒とんこつラーメン」
「バリうま 熊本風黒とんこつラーメン」
まずは、「バリうま 熊本風黒とんこつラーメン」から。
2004年発売の商品で、すでに発売から16年以上経つロングセラー商品。商品名通り、熊本のご当地ラーメンである黒マー油豚骨ラーメンが再現されており、熊本ラーメンの定番カップ麺として定着しています。
熊本ラーメンとしては麺がやや太めで縮れている
まろやか系の豚骨スープに、豚骨ラーメンとしては太めの縮れ麺を合わせ、チャーシューやキクラゲなどの具が入っています。
熊本ラーメンの麺は、博多などに比べると少し太いストレート麺が使われることが多いですが、それよりもさらに太く縮れもついているため、正直なところ見た目はあまり熊本ラーメンらしくありません。
(左)黒マー油が効いたスープ、(右)フライドガーリックなどの具
スープには別添の「調味油」によって黒マー油が加わり、具として入っているフライドガーリックとともに、Wでニンニクを効かせています。マルタイやサンポー食品からも黒マー油豚骨のカップ麺は出ていますが、それらよりニンニクが強く油も多いため、かなりパンチのある味に仕上がっています。
ニンニクやアブラに加え、粒ごまも大量に入っていて、おとなしいパッケージデザインや地味な出来上がりの見た目からは想像できない、強烈にジャンキーな味。これは好きな人が多そうで、九州限定に留めておくのはもったいないです。
野菜の甘みと油の量が特徴!「バリうま 長崎ちゃんぽん」
「バリうま 長崎ちゃんぽん」
続いては、「バリうま 長崎ちゃんぽん」。長崎ちゃんぽんを再現したカップ麺で、2005年の発売から15年以上続くロングセラー商品。
九州にはマルタイの「長崎ちゃんぽん」という1976年から続く大定番のカップ麺が存在しますが、「バリうま」も多くのお店で取り扱われる定番商品となっています。(マルタイ「長崎ちゃんぽん」は以前こちらの記事でレビューしています。)
甘みが際立つちゃんぽんスープ
野菜がたっぷり入った長崎ちゃんぽん。アサリを中心とする魚介の旨みや、玉ねぎなどの野菜の甘みが感じられるスープが特徴ですが、「バリうま 長崎ちゃんぽん」のスープは甘みがより際立ち、多めの油と相まってまったり感のあるスープとなっています。
大定番マルタイの「長崎ちゃんぽん」は、魚介と野菜のバランスに優れ、胡椒によってキリッと引き締まったちゃんぽんスープが特徴なので、甘みやまったり感が際立つ「バリうま」とは対照的で面白いです。
注目ご当地麺の宮崎辛麺を再現!「バリうま 宮崎風旨辛麺」
「バリうま 宮崎風旨辛麺」
3つめは、「バリうま 宮崎風旨辛麺」。ここ数年で注目を集めるようになった宮崎のご当地麺「宮崎辛麺」を再現したカップ麺です。
2019年に発売された商品なので、現在の「バリうま」シリーズの中で最も新しい商品となっています。
マルタイやサンポー食品からは宮崎辛麺を再現したカップ麺は出ていないようですが、ここ数年で大手メーカーが続々とカップ麺を発売しています。
特に明星食品は、看板シリーズの「チャルメラ」で宮崎辛麺のカップ麺や袋麺を登場させたり、さらに人気店の味を再現したりと、積極的に参入しています。
本田翼さん出演のテレビCMでお馴染みかもしれませんね。踊ったり卵を浮かせたりしているやつです。商品の宣伝だけではなく、宮崎辛麺自体のPRにもなっていて、宮崎辛麺の知名度を高めそうです。
真っ赤に染まるスープ
鶏ガラベースの醤油味のスープで、表面に唐辛子の入った油脂を浮かせることで真っ赤になり、いかにも辛そうです。
激辛レベルではないものの、お子様が食べるのには注意が必要な辛さ。加えてニンニクも強めで、他社の宮崎辛麺カップ麺と比べてもハッキリした味となっています。
具として入っているのは、かきたま、ニラ、そして挽肉。宮崎辛麺と言えば表面を覆い尽くすかきたまが特徴的ですが、この商品ではそこまで多くはありません。その代わりに、カップ麺では省略されることもある挽肉がきちんと入っていました。
斜め輪切りのごぼ天の食べ応え!「バリうま ごぼ天うどん」
「バリうま ごぼ天うどん」
最後に紹介するのは、「バリうま ごぼ天うどん」。博多名物のうどんを再現しています。
2000年に発売された商品で、現行の「バリうま」シリーズ最古参。パッケージデザインからも明らかですが、「バリうま」シリーズでありながら「赤いきつねと緑のたぬき」シリーズでもある商品です。(以前こちらの記事で「バリうま ごぼ天うどん」とサンポー食品の「ごぼう天うどん」と比較をしています。)
あっさり味のつゆにごぼ天が6個も!
昆布やかつお節に加え、さば節を加えることで、魚のダシが強く、甘みを抑えた博多らしい味のうどんつゆとなっています。あっさり味。合わせる麺は博多うどんのやわらかい食感とは違い、やや固め。
最大の特徴は、なんと言ってもごぼ天がたくさん入っていること。ものすごいボリュームです。このごぼ天だけでも食べる価値が十分あります。
(左)斜め輪切りの大きなごぼ天、(右)七味唐辛子
カップ麺の天ぷらは、かき揚げ状の丸いものが多く、九州で定番のサンポー食品「ごぼう天うどん」でもごぼうの入ったかき揚げが用いられていますが、「バリうま」で使われているのは斜め輪切りの分厚いごぼう天。ごぼうの味や歯応えを丸々楽しめます。この天ぷらはオリジナリティが高いです。
ライバル商品と一線を画す「バリうま」
九州限定の「バリうま」シリーズ4品を食べてきましたが、いずれもライバル商品とは一線を画す特徴を持った商品。
特に、「熊本風黒とんこつラーメン」のジャンキーなニンニクと、「ごぼ天うどん」の大きなごぼ天はオススメです。
いつでも手に入れられる九州の方はもちろん、スーパー等の九州フェアやネット通販で手に入れられるので、九州外の方にも是非オススメしたいカップ麺でした。