iFixit、PS5とDualSenseコントローラーを分解。X線透視や電源ユニット内部まで確認
iPhoneやMacBookなど、人気のデバイスが出るとバラさずにはいられないIT解体修理屋iFixit。最新の獲物はPlayStation 5です
PS5といえば、10月上旬にすでに生みの親であるソニーが自ら分解動画を公開し、巨大な冷却用の両吸込型シロッコファンからこれまた巨大なヒートシンク、そしてメイン基板などを順次分解し、基板上に独特の形状に配置されたRAM、カスタム仕様のSSDコントローラーやAMD製のSoC/GPUといった主要パーツなどについて解説をしていました。
しかしiFixitはそれだけでは物足りないとばかりに、まず初っぱなから伝家の宝刀、X線装置にPS5をかけてその内部を透視。冷却ファンの大きさや、まるで高速道路の立体的なインターチェンジのように縦横に走るヒートパイプなどが、どのように内部に折り重なり、どのように機能しているかを想像しやすく提示しています。
また、曲面を多用したデザインが見た目にも異質だとしつつも、その表面を挟み込む白いパネルが工具もなく簡単に取り外せるところや、冷却機構のメンテナンスのしやすさなどを高く評価。ただし、冷却ファン組み付けにトルクスねじを使っている点については「なんでそんなところのセキュリティを高める必要があるのか?」と疑問を呈しました。一方で、巨大な両吸込型シロッコファンを採用している点については、低回転で大きなエアフローを得られるため静音性に優れるからだと解説を添えています。
内蔵の光学ドライブについては、設計面では交換が可能ではあるものの、Xbox Series Xのそれと同様、メイン基板とペアリング設定がされているため、仮にユーザーが互換品を手に入れて交換できたとしてもディスクを読み取ることはできないとしました。ただし、もとのドライブから基板を取り外して交換品に移植した場合は使える可能性はあるかもしれません。
分解を進めていくとようやくメイン基板が顔を見せます。最も重要なAMDのプロセッサーの表面にはフォーム材で覆った冷却効率を上げるための液体金属があります。自作PCなどではシリコングリスが一般的に用いられるこの部分を液体金属にすることで、冷却効率を高め、高速な演算処理や高いグラフィック性能を維持できます。ソニーはこの材料をチップ表面から漏らさないようにする機構の特許を申請済みです。
iFixitは、さらに、ソニーの分解動画では紹介されなかった電源ユニットもそのケースを開け、中身を確認しています。その容量はわずか350W。それだけでなく、PS5は高負荷時でも消費電力が200W前後で安定しているとする検証動画への参照を示しました。ゲームを目的としてPCを組んだことのある人なら、PS5の省電力さがわかるはずです。
DualSenseコントローラーは、iFixitの評価ではバッテリー交換が比較的簡単だとのこと。内蔵のリチウムイオン電池は容量がDualShock 4の3.7Whから5.7Whへと増加していますが、これは新しく追加されたアダプティブトリガーやハプティックフィードバック機能のためと考えられます。