新年度になにかとものが増えるせいで、4月はお部屋が散らかりがち。週末にまとめて片づけをするけど、また散らかって…の繰り返しにうんざりしている人も多いようです。

そんな片づけ「リバウンド」には、じつは原因があるんです。ものが増えず、二度と散らからない部屋にする解決法をプロに教わりました!


片づけリバウンドを防ぐ収納術を、整理収納のプロに教わりました

見た目にこだわりすぎると、散らかり「リバウンド」の原因に!



「何度片づけても元に戻る、と悩む人には共通する原因があります」というのは整理収納アドバイザーの七尾亜紀子さん。とくにやりがちな失敗が、収納の見た目だけを追求してしまい、収納や片づけ方法が自分に合っていないことによるリバウンドなのだそう。

「すてきな収納をただまねるだけではダメ。わが家の動線や生活習慣に合っていなければ、またすぐ散らかることになってしまいます」

リバウンドを重ねて「私には片づけは無理」と諦める前に、やりがちなNG収納と、解決法をチェックしましょう!

●【NG】収納雑貨を飾りすぎる


かつての七尾さんのキッチン。
「フックでキッチンツールを引っかけたり、おしゃれな収納グッズを駆使して、片づいた空間を目指したはずが…。見た目もごちゃついたうえ、使いにくくなっていました」


冷蔵庫の扉はマグネットだらけでごちゃごちゃ!

●【これで解決】
よく使うものだけを厳選して使いやすい空間に



「空中収納にこだわり、あれもこれもとつるすのは使いにくくなるだけ。出すもの、しまうものに優先順位をつけることが大事。私の場合は、よく使う鍋やキッチンツールだけは残し、その他の調理器具やエプロン、調味料類はすべてキッチンの引き出しに」
キッチンに限らず、インテリアを飾りがちなリビングも同様。出す、しまうのメリハリをつければ、自然と整って使いやすい空間になります。


壁につるしていたエプロンやレジ袋のストック、コンロ回りに置いていた調味料は引き出しにしまいました。

●【NG】目隠し収納に頼る


「ごちゃつきを手っ取り早く隠そうと、布で目隠しするのもやりがちな失敗」と、七尾さん。


子ども服をしまった衣装ケースの引き出し前面を布で隠していましたが、中が見えず、しまうのも取り出すのも面倒でした。

●【これで解決!】オープン収納で出し入れをラクに


衣装ケースをやめて、フタなしのバスケットにチェンジ。
「人別に棚の上下を分け、バスケットの左右でアイテムを分けておけば、着たい服がひと目でわかって子どもも迷いません。季節外のアイテムは奥にしまい、衣替えのときは手前のバスケットと入れ替えるだけ」。
衣装ケースに比べてアクション数が少なく、サッと取り出せるメリットも。

●【NG】収納用品をそろえる


同じグッズでそろえた収納は確かに見た目はすっきりします。でもじつはこれも要注意。
「収納用品が、中に入れるものや置く場所とミスマッチだと、ものが戻しにくく散らかる原因に!」

●【これで解決!】入れるものに合わせグッズは使い分ける


七尾さんの洗面台下の収納にはさまざまな素材や形状の収納ボックスが。
「すべてファイルボックスでそろえることもできますが、そうすると中身がわかりづらく、サッと取ることもできません。ストックのみファイルボックスに入れ、洗剤類はワイヤーカゴ、子どもも使う入浴剤は半透明のケースに…とアイテムごとに分けることで使いやすくなります」


縦に並べてしまうポケットティッシュは、高さに合うバスケットに。毎日出し入れするものではないので、フタつきでOKです。

●【NG】家じゅうラベル収納を徹底


「ラベル収納がすべてNGなわけではありません。でも場所を選ばずどこもかしこも細かくラベルをはると、ラベルどおりに戻すことが難しくなって散らかります」
ラベルをはるだけで満足していないか、要注意です。

●【これで解決!】ものの出入りの多い場所はざっくり収納がベスト!


ラベル収納をしない方がよいのは、子ども服など、数や大きさが変わりやすいもの、そしてものの出入りが多い場所。
「わが家では文房具はあえてラベルははらず、ざっくり収納に。引き出しをケースで仕切っていますが、なにがあるかはひと目でわかるし、どのケースに戻してもOKというルール。ラベルを読まなくていいので、子どもにも使いやすいんです」


ケースは2段重ねにし、上段はよく使うものを。それ以外は下段にイン。

<撮影/難波雄史 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【七尾亜紀子さん】


夫、長男、二男の4人家族。整理収納アドバイザーとしてテレビ、雑誌で活躍。近著は『自動的に部屋が片づく 忙しい人専用 収納プログラム
』(KADOKAWA刊)