苦手な家事を手放す方法。メモとふせんでサクサク整理できた
毎日やらなければいけない家事、なんだか憂鬱…。それは、自分に合わないやり方を無意識に続けているからかもしれません。新生活を機に、ぜひその無意識なやり方を手放してみませんか?
毎日の家事を無理なく続ける工夫を発信している整理収納アドバイザーの三條凛花さんに、手放すための方法を教えてもらいました。
その家事のやり方、自分に合っていないかも…?(※写真はイメージです)
私は日々、「とっておき家事」という取り組みをしています。これは、1日1つ、普段の家事に加えて、なにか特別なことをしようというものです。
特別なことと言っても、毎日くり返すものでなければなんでもかまいません。たとえば、いつもと違う料理家さんのレシピを試すとか、捨てるのがめんどうに感じるものの捨て方を調べるとか、めんどうに感じる家事が発生したときにやり方を見直してみるとか、ささいなことでよくて、とにかくなにか特別なことをやるようにしています。
じつは、私はもう5年以上続けているので、これまでに2000個近い小さな家事をこなしてきたことになります。
さて、このとっておき家事を通して、私はいろいろな家事のやり方を見直してきました。たとえばものの定位置、家計管理の方法、買い出しの方法、消耗品の在庫管理方法など。すると、あることに気づきました。すぐに効果が出るものと、いくら軌道修正しても効果が出ないものがあるのです。
後者については、そもそも「目指す方向性」が自分に合っていないのが原因でした。しかも、厄介なことに、自分ではそのことに気づいていないのです。だから、大きな軌道修正をできず、小さな軌道修正しかできず、効果が出ないという状況でした。
では、どうしたらやっている方向性が自分に合わないと気づき、それを手放すことができるのでしょうか?
ここで役立つのが「3ルートメモ術」という方法です。
●やらない、好きじゃない、できないで分析できる自分に合わないこと
3ルートメモ術は、自分が今行っていることの方向性を分析するものです。3つの枠に沿って書き込むと、問題点が見えてきます。
なにかを手放すときの方向性は3つあります。「やらない」「好きじゃない」「できない」です。3ルートメモ術の「ルート」は、この3つの方向性を指しています。
それぞれのルートにはこんな意味があります。
(1) やらない
自分にとっては意味がないから、自発的にやらないと決める。
(2) 好きじゃない
自分の好みのやり方ではないから、やらないと決める。
(3) できない
自分の性格やライフスタイルを考えると、ハードルが高く感じられるから、やらないと決める。
●3つ折りにした紙に書き込むだけでかんたんに分析できる
3ルートメモ術に必要なのは、紙とペン、それからふせんです。
まずは、紙を3つに分けるため、折り目を入れます。
3つに分けた欄のいちばん上に、それぞれルートの名前を入れておきましょう。左からそれぞれ「やらない」「好きじゃない」「できない」と書いていきます。
行きづまっていることについて、思いつく限りのやり方をふせんに書きましょう。
ここでは例として、家計簿のやり方について考えてみたいとおもいます。
「エクセル入力」「市販の家計簿」「オリジナルフォーマットの家計簿」「スマホアプリ」「Webサービス」「ノートにレシートをはる」というように。やるかやらないか、好きか好きじゃないかにとらわれず、とにかく書き出してみましょう。
ふせんをひとしきり書いたら、自分にとって3つのルートのどれに当てはまるかを考えながら貼っていきます。
そして、どうしてそのルートだと思ったのか理由を書いていきましょう。
すべてを書いてみたら、どれにも当てはまらなかったものか、「好きじゃない」のものを中心にチェックして、自分に合うやり方を決めます。
●メモのおかげで、手書きの家計簿をやめる決意が
これは、手書き家計簿をやめて、スマホアプリに挑戦する、という結論を出したときのメモです。
私はノートを使ってなにかを書くのが好きです。
だから、無意識のうちに「手書き」を好きなこととして定めていました。やり方は変えるとしても、手書きは候補からはずせずにいました。
でも、3ルートメモ術を使うと、それは今の自分に合わないことがわかります。変に完ぺき主義なところがあるので、市販のものだと自由度の低さが気になる。かといって、自分でつくってみたら調整の大変さで挫折してしまう。
また、小さな子どもがいて、毎日書き込む時間はほとんど取れないことも大きな理由です。こうして書き出してみて初めて、手書きをやめて、スマホアプリを使うという大きな軌道修正にたどりつくことができました。また、もしもそれでも手書きにこだわる場合、なにから始めたらいいのか? という課題も見えてきました。
ここでは家計簿をテーマにして、やり方をしぼりだしてみましたが、なにかにストレスを感じていることならなんにでも応用できます。
もちろん、このように手間をかけなくても、いい方法が見つかることもあります。でも、試行錯誤してもうまくいかないときは、自分のなかで「当たり前」になっている価値観を手放さなければ改善しません。そういうときは、ぜひこのメモ術を活用して、向き合ってみてくださいね。
●教えてくれた人
【三條凛花さん】
ライター、整理収納アドバイザー。夫、長女、長男の4人+2猫暮らし。家事をムリせず楽しく続ける工夫を発信。著書に『もっと動ける私になる! 魔法の家事時間割
』(扶桑社)、『時間が貯まる 魔法の家事ノート
』(扶桑社刊)、『365日のとっておき家事 もっと暮らしやすい家と時短のしくみづくり
』がある。ブログ:「365日のとっておき家事」
毎日の家事を無理なく続ける工夫を発信している整理収納アドバイザーの三條凛花さんに、手放すための方法を教えてもらいました。
自分にやり方が合わない家事の気づき方。無駄な行動を手放す「3ルートメモ術」
その家事のやり方、自分に合っていないかも…?(※写真はイメージです)
私は日々、「とっておき家事」という取り組みをしています。これは、1日1つ、普段の家事に加えて、なにか特別なことをしようというものです。
特別なことと言っても、毎日くり返すものでなければなんでもかまいません。たとえば、いつもと違う料理家さんのレシピを試すとか、捨てるのがめんどうに感じるものの捨て方を調べるとか、めんどうに感じる家事が発生したときにやり方を見直してみるとか、ささいなことでよくて、とにかくなにか特別なことをやるようにしています。
じつは、私はもう5年以上続けているので、これまでに2000個近い小さな家事をこなしてきたことになります。
さて、このとっておき家事を通して、私はいろいろな家事のやり方を見直してきました。たとえばものの定位置、家計管理の方法、買い出しの方法、消耗品の在庫管理方法など。すると、あることに気づきました。すぐに効果が出るものと、いくら軌道修正しても効果が出ないものがあるのです。
後者については、そもそも「目指す方向性」が自分に合っていないのが原因でした。しかも、厄介なことに、自分ではそのことに気づいていないのです。だから、大きな軌道修正をできず、小さな軌道修正しかできず、効果が出ないという状況でした。
では、どうしたらやっている方向性が自分に合わないと気づき、それを手放すことができるのでしょうか?
ここで役立つのが「3ルートメモ術」という方法です。
●やらない、好きじゃない、できないで分析できる自分に合わないこと
3ルートメモ術は、自分が今行っていることの方向性を分析するものです。3つの枠に沿って書き込むと、問題点が見えてきます。
なにかを手放すときの方向性は3つあります。「やらない」「好きじゃない」「できない」です。3ルートメモ術の「ルート」は、この3つの方向性を指しています。
それぞれのルートにはこんな意味があります。
(1) やらない
自分にとっては意味がないから、自発的にやらないと決める。
(2) 好きじゃない
自分の好みのやり方ではないから、やらないと決める。
(3) できない
自分の性格やライフスタイルを考えると、ハードルが高く感じられるから、やらないと決める。
●3つ折りにした紙に書き込むだけでかんたんに分析できる
3ルートメモ術に必要なのは、紙とペン、それからふせんです。
まずは、紙を3つに分けるため、折り目を入れます。
3つに分けた欄のいちばん上に、それぞれルートの名前を入れておきましょう。左からそれぞれ「やらない」「好きじゃない」「できない」と書いていきます。
行きづまっていることについて、思いつく限りのやり方をふせんに書きましょう。
ここでは例として、家計簿のやり方について考えてみたいとおもいます。
「エクセル入力」「市販の家計簿」「オリジナルフォーマットの家計簿」「スマホアプリ」「Webサービス」「ノートにレシートをはる」というように。やるかやらないか、好きか好きじゃないかにとらわれず、とにかく書き出してみましょう。
ふせんをひとしきり書いたら、自分にとって3つのルートのどれに当てはまるかを考えながら貼っていきます。
そして、どうしてそのルートだと思ったのか理由を書いていきましょう。
すべてを書いてみたら、どれにも当てはまらなかったものか、「好きじゃない」のものを中心にチェックして、自分に合うやり方を決めます。
●メモのおかげで、手書きの家計簿をやめる決意が
これは、手書き家計簿をやめて、スマホアプリに挑戦する、という結論を出したときのメモです。
私はノートを使ってなにかを書くのが好きです。
だから、無意識のうちに「手書き」を好きなこととして定めていました。やり方は変えるとしても、手書きは候補からはずせずにいました。
でも、3ルートメモ術を使うと、それは今の自分に合わないことがわかります。変に完ぺき主義なところがあるので、市販のものだと自由度の低さが気になる。かといって、自分でつくってみたら調整の大変さで挫折してしまう。
また、小さな子どもがいて、毎日書き込む時間はほとんど取れないことも大きな理由です。こうして書き出してみて初めて、手書きをやめて、スマホアプリを使うという大きな軌道修正にたどりつくことができました。また、もしもそれでも手書きにこだわる場合、なにから始めたらいいのか? という課題も見えてきました。
ここでは家計簿をテーマにして、やり方をしぼりだしてみましたが、なにかにストレスを感じていることならなんにでも応用できます。
もちろん、このように手間をかけなくても、いい方法が見つかることもあります。でも、試行錯誤してもうまくいかないときは、自分のなかで「当たり前」になっている価値観を手放さなければ改善しません。そういうときは、ぜひこのメモ術を活用して、向き合ってみてくださいね。
●教えてくれた人
【三條凛花さん】
ライター、整理収納アドバイザー。夫、長女、長男の4人+2猫暮らし。家事をムリせず楽しく続ける工夫を発信。著書に『もっと動ける私になる! 魔法の家事時間割
』(扶桑社)、『時間が貯まる 魔法の家事ノート
』(扶桑社刊)、『365日のとっておき家事 もっと暮らしやすい家と時短のしくみづくり
』がある。ブログ:「365日のとっておき家事」