30代からの終活。家族のために「もしもノート」に書くべきこと
いざというときのため、残された家族に重要な情報を書き残しておく「エンディングノート」。
「実際に書いてみると、今までの暮らしの棚卸ができ、日々の暮らしを見直しする機会にもなります」というのは、ライフオーガナイザーの佐藤美香さん。
お母様を亡くした経験から導き出した書き方を、詳しく伺いました。
エンディングノートと聞くとまだまだ先のもの、自分には関係のないものと思っていませんか?
今回は、30代で書き始め、自分なりに使いやすくカスタマイズしてきた「これさえあれば大丈夫!」なファイルについて、ご紹介いたします。
●エンディングノートを書くことのメリット
残された家族が手に取るのが楽しくなるような表紙に
私が34歳のときに、母が亡くなりました。病気が見つかってから、3年後のことでした。
亡くなる前に準備しておけることもあったと思いますが、病気の母を前にすると口に出すことすらできませんでした。結果、母が亡くなってから、これでよかったのか? と答えの出ない問いを繰り返すことになりました。
自分の子どもたちに同じ思いをさせないためにも、もしもの備えとしてエンディングノートを書き始めてみることに。「もしもの備え」は、日々の管理にも、未来の計画にも、役立つことに気がつきました。
また、元気なときだからこそ、冷静に考えることができること、書くことで当たり前の日常に感謝できることも、大きなメリットだと感じました。
●市販品にはない自分が欲しい情報をプラス
私は市販のエンディングノートの記入欄に必要事項を記入した後、さらに母が亡くなったときに自分が知っておきたかったと思った情報を記入しています。
家族のための情報ファイルでもあるので、表紙は家族写真にして、楽しさもプラス。
・住所録
名前の横にニックネームや旧姓をプラス。家族も知っている相手であっても、本名を知っているとは限りません。普段呼んでいるニックネームや旧姓を横に書いておくだけで、家族にもわかりやすく、連絡も取りやすくなると考えました。
また、関係性もプラス。高校同級生、バイト仲間など、関係性がわかっていれば、最低限の連絡ですみます。写真の裏面に名前を記入して、はりつけたり挟んでおくのもいいですね。
・預貯金
口座番号だけでなく、なにが引落しされているか、忘れがちな年払いの引落し日と金額、年払いの支払いのために、月々いくら積立ておくかも記入。
・葬儀をどうしたいか
「この花は好きではない」「湯灌は入院生活が長かった場合のみでよい」など、かなり細かく書いています。聞きづらいことだからこそ、本人が意思をしっかり伝えておくことが大切です。
●書いて終わりにならない見直すための仕組み
1度書いて、そのまま放置では意味がありません。年を重ねるごとに、自分の考えも、暮らしも変わります。
見直す仕組みとして、毎年届く年金の通知や、保険の明細も、一緒につづるようにファイルにしました。通知が届く時期の公共料金の明細や携帯買い替え時の書類も一緒入れておけば、諸手続きを1度ですますことができます。日々管理しなくてはいけない書類と一緒にすることで、見直す習慣にもつながるのです。
ただ年に数回のこととはいえ、毎回穴をあけるのは面倒。また、通知や明細はサイズもバラバラなので、クリアポケットの上から入れるタイプのものと、横から入れるものを2種類使っています。
●エンディングノートで、「今」を大切にできます
このファイルをつくったことは、久しく会っていない友人に連絡することや、行きたかった場所に出かけるきっかけとなりました。日々当たり前と思っていたことや、限りある時間が、とても大切であることを再確認できたのです。
少し手間はかかりますが、ぜひ挑戦してみてください。
●教えてくれた人
【佐藤美香さん】
夫と長女高校1年生、二女中学1年生、三女3歳の5人家族。ライフオーガナイザー、冷凍生活アドバイザー、リユースマスターの資格を生かして片づけ作業、イベントや講座などを行っている。ブログ「愛家」
を更新
「実際に書いてみると、今までの暮らしの棚卸ができ、日々の暮らしを見直しする機会にもなります」というのは、ライフオーガナイザーの佐藤美香さん。
お母様を亡くした経験から導き出した書き方を、詳しく伺いました。
これさえあれば大丈夫!日々の管理と「もしも」の備えファイル
エンディングノートと聞くとまだまだ先のもの、自分には関係のないものと思っていませんか?
今回は、30代で書き始め、自分なりに使いやすくカスタマイズしてきた「これさえあれば大丈夫!」なファイルについて、ご紹介いたします。
残された家族が手に取るのが楽しくなるような表紙に
私が34歳のときに、母が亡くなりました。病気が見つかってから、3年後のことでした。
亡くなる前に準備しておけることもあったと思いますが、病気の母を前にすると口に出すことすらできませんでした。結果、母が亡くなってから、これでよかったのか? と答えの出ない問いを繰り返すことになりました。
自分の子どもたちに同じ思いをさせないためにも、もしもの備えとしてエンディングノートを書き始めてみることに。「もしもの備え」は、日々の管理にも、未来の計画にも、役立つことに気がつきました。
また、元気なときだからこそ、冷静に考えることができること、書くことで当たり前の日常に感謝できることも、大きなメリットだと感じました。
●市販品にはない自分が欲しい情報をプラス
私は市販のエンディングノートの記入欄に必要事項を記入した後、さらに母が亡くなったときに自分が知っておきたかったと思った情報を記入しています。
家族のための情報ファイルでもあるので、表紙は家族写真にして、楽しさもプラス。
・住所録
名前の横にニックネームや旧姓をプラス。家族も知っている相手であっても、本名を知っているとは限りません。普段呼んでいるニックネームや旧姓を横に書いておくだけで、家族にもわかりやすく、連絡も取りやすくなると考えました。
また、関係性もプラス。高校同級生、バイト仲間など、関係性がわかっていれば、最低限の連絡ですみます。写真の裏面に名前を記入して、はりつけたり挟んでおくのもいいですね。
・預貯金
口座番号だけでなく、なにが引落しされているか、忘れがちな年払いの引落し日と金額、年払いの支払いのために、月々いくら積立ておくかも記入。
・葬儀をどうしたいか
「この花は好きではない」「湯灌は入院生活が長かった場合のみでよい」など、かなり細かく書いています。聞きづらいことだからこそ、本人が意思をしっかり伝えておくことが大切です。
●書いて終わりにならない見直すための仕組み
1度書いて、そのまま放置では意味がありません。年を重ねるごとに、自分の考えも、暮らしも変わります。
見直す仕組みとして、毎年届く年金の通知や、保険の明細も、一緒につづるようにファイルにしました。通知が届く時期の公共料金の明細や携帯買い替え時の書類も一緒入れておけば、諸手続きを1度ですますことができます。日々管理しなくてはいけない書類と一緒にすることで、見直す習慣にもつながるのです。
ただ年に数回のこととはいえ、毎回穴をあけるのは面倒。また、通知や明細はサイズもバラバラなので、クリアポケットの上から入れるタイプのものと、横から入れるものを2種類使っています。
●エンディングノートで、「今」を大切にできます
このファイルをつくったことは、久しく会っていない友人に連絡することや、行きたかった場所に出かけるきっかけとなりました。日々当たり前と思っていたことや、限りある時間が、とても大切であることを再確認できたのです。
少し手間はかかりますが、ぜひ挑戦してみてください。
●教えてくれた人
【佐藤美香さん】
夫と長女高校1年生、二女中学1年生、三女3歳の5人家族。ライフオーガナイザー、冷凍生活アドバイザー、リユースマスターの資格を生かして片づけ作業、イベントや講座などを行っている。ブログ「愛家」
を更新