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「怒り出すと謝罪しても1〜3時間説教される」「頭がおかしい、言われなければ気づかないなど、責めるような言動や暴言を吐く」。こうした夫の行動は「モラハラ(モラル・ハラスメント)」に該当するのか? そんな質問が弁護士ドットコムに寄せられました。

相談者によれば、夫は「小さい事ですぐ怒り、怒りだすと謝罪しても許してくれず1〜3時間説教される、謝罪だけしても説教は続くし、反論したら自分が悪いのに反論するなと言われ余計長引く」といいます。

この相談者に限らず、「数時間、説教された」「夜になっても寝かせてもらえなかった」という長時間説教型のモラハラと思われる相談は少なくありません。

●「長時間説教は典型的モラハラ行為」

モラハラに詳しい高木由美子弁護士は「長時間説教は典型的モラハラ行為です。些細なことを理由に妻が謝罪するなど従うまで説教し続け、酷いときは明け方まで続くこともあります」と指摘します。

そもそも「説教」の内容にも問題がありそうですね。

「このような夫は、自分のことしか考えず、妻を対等なパートナーとして認めず、全て自分の思いどおりにコントロールしようとします。自分が常に正しく、妻は劣っていて、自分は妻を教育している、妻のために説教してあげているという意識もあります。

実際にあった例ですが、妻がママ友とファミリーレストランでお茶をし、後で夫に支出を報告したそうです。すると、夫はわざわざそのファミリーレストランのホームページでメニュー価格表を調べ、妻が注文した飲み物がそのファミリーレストランで一番安いメニューでなかったことに激怒し、『無駄遣いするな』と朝まで説教したという例がありました」

●「誰のおかげで食べていけると思ってるのか」  

説教に正当性がないのだとすれば、対応のしようがありませんね。

「モラハラ夫は、お金にうるさく、趣味など自分のためには湯水のようにお金を使うのに、妻子が使うことには異様にケチということもよくあり、それが説教のきっかけになっていることも多いです。

『誰のおかげで食べていけていると思ってるのか』というのもモラハラ夫の頻出ワードで、妻が家事や育児をしてくれているから夫は働くことができているという意識は皆無です。

モラハラでの離婚も可能です。モラハラ夫は、このようなエピソードが数えきれないほどあります。妻は離婚が頭にちらついたときから、モラハラエピソードを記録するよう心掛けると良いと思います。説教や暴言の音声が取れればベストですが、日記や手帳への記録も十分証拠になると思います」

【取材協力弁護士】
高木 由美子(たかぎ・ゆみこ)弁護士
第一東京弁護士会所属。米国・カリフォルニア州弁護士
事務所名:さつき法律事務所
事務所URL:http://www.satsukilaw.com/