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日弁連は3月4日、2019年の弁護士に対する懲戒請求事案の集計結果を公表した。懲戒請求件数は4299件で、朝鮮学校に関する声明をめぐってインターネット上の呼びかけに応じた大量懲戒請求が計上された2018年と比較して、3分の1程度となった。

2010年から2017年にかけて、請求件数が1800件から3800件程度で推移する中、2019年に4000件を超えた理由について、会見した日弁連の佐熊真紀子事務次長は「複数の会員に対する同種内容の懲戒請求が合計1900件あった」と指摘した。

1900件は、2017年から2018年にかけての大量懲戒請求をめぐり、損害賠償を求めて提訴、和解した弁護士やその代理人らに対するものとみられる。

2019年10月に約100人から374通の懲戒請求を受けた北周士弁護士によると「最初の朝鮮学校をめぐる懲戒請求を出した人物と、2019年に請求を出した100人は多くが重複している」という。請求内容は「和解は詐欺行為」「公助良俗に反する和解内容がある」などとするものだが、懲戒請求書の中で具体的な内容には触れられていないという。北弁護士は「弁護士の業務そのものを妨害する意図でなされたものと考えている」としている。

2019年に実際に懲戒処分が出された件数は、95件(2017年106件、2018年88件)。戒告62件、1年未満の業務停止25件、退会命令7件、除名1件。佐熊事務次長は「(会員数に対する懲戒件数は)2018年が0.21%だったが、2019年は0.22%。他の年と比較して大きな変化はなかった」と総括した。

各弁護士会で「懲戒しない」と決めた件数は1万1009件で、前年の朝鮮学校に関連した請求の結果が出た影響とみられる。