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日本弁護士連合会(日弁連)は12月25日の定例記者会見で、これまで募集してきた「憲法動画コンテスト」の入賞作品を発表した。また、「桃太郎」など物語のキャラクターをモチーフに制作された裁判員制度10周年の記念動画も紹介された。

●「桃太郎」の鬼の裁判員裁判でわかりやすく伝える

10周年を迎えた裁判員制度について、刑事調査室嘱託の趙誠峰弁護士は「10周年で、裁判の良くなった点や課題も浮き彫りになっている」とし、改めて市民に対して刑事裁判の成果や課題を伝える必要性があるとした。

そこで「こ難しくなく、みんなが興味深く見てもらえるもの」という狙いから動画の形をとった。刑事調査室室長の河津博史弁護士によると、日弁連は作品に込めるメッセージを用意したうえで制作会社に依頼し、法律監修としても関わった。

全3話の動画は25日から日弁連のYouTubeチャンネルで公開されている。

第1話のモチーフとなったのは昔話の「桃太郎」だ。宝物を強奪したなどの罪に問われた鬼の裁判員裁判を法廷画アニメで描いた。趙弁護士は「見ていただいて感じてもらうのが一番だと思う。鬼とは見た目で何かやったんだろうと思われがちなのを、本当にそうなのかと描きたかった」と話し、「バズることを期待しています」と付け加えた。

なお、第2〜3話のモチーフは赤ずきんが選ばれている。

●基本的人権動画コンテストに8歳から74歳まで応募

続いて、日本国憲法企画「憲法動画コンテスト〜伝えませんか? あなたの瞳に映る人権の姿〜」の入賞作品も発表された。

日本国憲法の基本原理の1つ「基本的人権の尊重」をテーマとして、人権の大切さを表現する動画を6月から募集。8人の映像のプロが審査した70作品の中から、大学生・社会人の部、高校生以下の部の2部門で入賞作品が決定した。

金賞に輝いたのは、大学生・社会人の部は松本京冴さん(19)の「見えているなら」、高校生以下の部の山田淳也さん(15)の「スマホ男」だった。

憲法問題対策本部事務局長の川上詩朗弁護士は、8歳から74歳までの応募があり、特に10〜20代の若い人たちの応募が多かったと説明する。昨年の作品はポエム。一昨年はポスター。

今回は動画というフォーマットで「動画を作るのは絵よりハードルが高い。そんなに数が集まらないと思っていたが、70という数字はまあまあ集まったと私自身は思っております」と語る。若い層に憲法への問題意識を広げるきっかけとなったと評価した。

来年1月25日に弁護士会館2階講堂「クレオ」で表彰式が開催され、入賞作品も上映される。