「異常なし」でも要注意?!健康診断

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 年1回の健康診断。

結果が「異常なし」だとホッとしますね。でも、基準値内でも注意が必要なことがあるのです。

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「数値が高い」だけでなく「低すぎ」も要注意

血液検査や尿検査でわかる、さまざまなデータは今の健康状態を知る大きな手掛かりになります。

基準値より高い場合や低い場合は、「要再検査」「要精密検査」となり、基準値内であれば「異常なし」と判定されます。

一般に、数値は高いと危険、低ければ低いほど健康と思っている人が多いようですが、そうではないことに注意が必要です。

例えば、コレステロール。悪玉コレステロールとも呼ばれるLDLコレステロールにも、必要なコレステロールを全身に届ける役割があります。また、ヘモグロビン値が低いのは鉄分不足、ALP値が低いのは亜鉛不足など、必要な栄養が不足しているサインであることも。

高い数値だけでなく、低すぎる数値にも注目しましょう。

睡眠や食事などの生活習慣を整えても、体の不調が改善されない……そんな人は、検査数値を見直してみましょう。

基準値内であっても、急な変動はありませんか?

基準値の下限、あるいは上限に近い場合は、何らかの不調を引き起こしている場合があるのです。

気をつけたい項目を見ていきましょう。

・LDLコレステロール
LDLコレステロール(悪玉コレステロール)も、低すぎる場合は病気が隠れている可能性も。「甲状腺機能亢進症」ではLDLコレステロールを過剰に消費するため、不足傾向に。また、「肝硬変」や「肝炎」など肝臓の病気の場合も、LDLコレステロールが産生されず数値が低下します。

・中性脂肪
中性脂肪は体のエネルギー源。数値が高いともちろん肥満状態を表しますが、低すぎると元気がなくなることに。正常値内でも数値が低く、疲れやすい、体力がないと感じている人は、中性脂肪不足かも。

・HbA1c
HbA1cは糖尿病かどうかがわかる数値。基準値内でも、高い人は血糖が慢性的に高めの傾向があります。この場合、「糖化」といわれる現象が全身で起きている可能性が。糖化は肌老化の原因にもなります。

・総蛋白
タンパク質は体のあらゆる部位をつくる成分。基準値内であっても「総蛋白」が低い場合は、栄養不足になっている可能性が。食生活を見直してみましょう。

・AST/ALT
肝機能の指標「AST」と「ALT」は、いずれもビタミンB6と結びつくことで酵素として働く体内成分。ALTのほうがASTより3以上低いなら、疲労の原因となるB6不足の可能性があります。

・γ-GTP
お酒を飲む人が気にする数値ですが、タンパク質摂取不足でも低くなります。低タンパクは、やる気が出ない、疲れやすい、むくみやすいといった不調の原因になることがあります。

・尿酸
「尿酸」が高いと痛風になることは知られていますが、尿酸には活性酸素を消す働きがあります。数値が低い人は「酸化ストレス」が強く、サビが進んだ体である可能性が。酸化は老化の最大要因なので要注意です。

[文:銀座血液検査ラボ -ketsuken-]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。