ThinkPad X1 Carbonが働き方改革に最適PCと言われるわけとは? レノボのテレワーク課題解決への取り組み

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レノボ・ジャパンは6月25日、「ThinkPad X1シリーズ新製品発表会」を開催し、テレワークを支援する
「ThinkPad X1 Carbon」
「ThinkPad X1 Yoga」
モバイルモニター「ThinkVision M14」
これらを発表した。

ThinkPadブランドといえば、プログラマーやライター業などの法人やビジネスパーソンに人気が高いパソコンだ。




法人向けを視野にいれ、業務での利用ニーズを満たすため幅広い適応性とスペック、堅牢性を重視しているため、デザイン面では派手な装飾や奇抜さはない。しかしながら、キーボードの打鍵感や静音へのこだわりなど、人とPCのインターフェイス部分の作り込みは使う人間にも周囲の環境にも優しいことで知られている。

今回は、フルスペックのモバイルPC「ThinkPad X1 Carbon」(2019年モデル)について紹介したいと思う。




ThinkPad X1 Carbonは、良い意味で変わらないデザインによりビジネスシーンにおいて活躍しているモデルだ。モビリティが高い筐体に早い段階で14インチディスプレイを搭載し、オフィスでも出先でも変わらない操作性とパフォーマンスの良さを提供している。

2019年モデルは、さらに本体が薄くなり約40gの軽量化を果たしている。一見変わっていないようだが、着実にモバイルPCとしての特徴に磨きをかけている。

というのも、冒頭で示したテレワークに向けた施策の集大成とも言うべきPCがThinkPad X1 Carbonなのである。

テレワークとは、働きやすさを重視し生産性を向上するために、
・自宅や外出先
・サテライトオフィス
といった離れた場所でも、会社のオフィスと同等の仕事ができるようにする。

これは厚生労働省が推進する働き方改革において、働く人が働き方を選べるようにすることで、中小企業の雇用問題や、個々の事情により働けない人を支援する取り組みの1つでもある。

現在は、モバイル通信回線とPCやスマートフォンを用意すれば、自宅や営業先などで仕事をすることも可能ではある。
とはいえ、高性能なPCが必要な業務であっても重くては持ち運ぶのが辛いのでは意味がない。また、小型PCやスマートフォンのように小さくて持ち運びは楽だが、画面やキーボードが小さく使い辛いことから生産性が落ちてしまうようでは、機材選択が良いとは言えない。

そこでテレワークに最適なPCとしては、
・オフィスのPCと同等の使いやすい大画面
・モバイル利用でも最適な軽さ
・使いやすいフルピッチのキーボード
・静かな場所でも周囲に迷惑をかけない静音性が高いキーボードやタッチパッド
これらを備え、総合的にバランスが取れたPCこそが必要となるのである。

法人向けPCの市場にはライバルが多い。
各社がいかに業務にフィットするPCを作れるか、常に競い合っている。
例えば、
・性能や機能を抑えて価格でアプローチするのか
・オフィス環境をそのまま持ち出せる高性能モバイルPCを、どのようにして作るのか
法人ニーズの分析と製品の仕様での「さじ加減」が、各社の腕の見せ所でもある。





そのさじ加減は、PCがどのように使われているのかを知る必要がある。これまではオフィスワークにおける創る業務がメインであったが、テレワークの要素であるコラボレーションツールの快適な実現が必要であるとレノボは分析する。

テレワーク用途の中でも、重要なのがモバイル通信だ。
LTE搭載PCは、法人向けの分野では当たり前となりつつある。
外出先での公衆無線LANサービスの利用は経済的だが、様々な人が同じネットワークで繋がるためセキュリティーに関して問題があり、利用するにはリスクが高い。
そこで法人向けには、単体で通信が可能なLTE対応モデルの需要があるのだ。

もう一つ、セキュリティーに関しては、カメラの問題もある。
リーモートワークなどで需要となるビデオ会議といった用途では、内蔵のカメラを使用することがある。円滑にコミュニケーションを取る手段として、また業務遂行の上で必要なカメラだが、セキュリティーリスクを負う場合もある。


スイッチを切り替えてカメラ部分に赤丸の“フタ”をした状態


ThinkPad X1 Carbonには、こうしたリスクを軽減するために物理的にカメラを使用できないようにするための「ThinkShutter」が搭載されている。
これも、ユーザーニーズを研究したからこそ生まれた機能である。

スライドスイッチ式のThinkShutterは、カメラにフタをすることでプライバシーとセキュリティーを保護するという、至ってシンプルな機構だが、企業もユーザーも物理的にカメラを遮断することを確認できるため、安心して使うことができるというわけである。

さらに、外出先での使用で懸念されるのが
「のぞき見」だ。
こちらも「ThinkPad Privacy Guard」搭載モデルならボタン一つでディスプレイの視野角を狭めて、のぞき見の防止が可能となる。ユニークな機能としては、のぞき見をされているとアラートを出して自動的にのぞき見防止機能を働かせることもできる。
従来は、プライバシーフィルターなど、後付けのフィルターを貼って対応していたのだが、のぞき見されていない時でも画面が暗くなるため使い勝手も低下してしまっていた。

こうした外出先でも安全・安心して使えるニーズにハードウェアとソフトウェア両面から対応しているのがThinkPad X1 Carbonの特徴であり、使い勝手の良さになっている。

さらにThinkPad X1 Carbonでは、
ビデオ会議における課題を解決し、円滑に業務が遂行できる、2つのハードウェア改革を行っている。

一つが、内蔵マイクの見直しだ。
従来はPCを利用者と相手という利用シーンを想定したマイク配置だった。
しかし現在は、サテライトオフィスなどで利用するケースも多く、PC利用者だけではなく会議に同席者の発言も拾わなければならない。
ここで問題となっていたのが、周囲の人の声をマイクが拾ってくれないことだ。
これまではPC利用者が発言を聞き取り、代弁しなければならないなど、手間がかかっていた。

そこで、内蔵マイクの構造を見なおしたのだ。
360°マイクを4つ搭載し、これで集音し、ソフトウェアで周囲の人の声を確実に拾いあげて相手に伝えることに成功している。




そしてもう一つの改革が、内蔵スピーカーの見直しだ。
従来はバッテリーや端子類のレイアウトなどが優先され、あまったスペースにスピーカーがレイアウトされていた。
しかし今回は、ビデオ会議の音声をしっかりと聞き取れることを重視した。
高音用のツィーターと低音用のウーハーを左右に2つずつ、合計4つのスピーカーユニットをレイアウトすることを前提にして、本体設計がされているのである。

こうすることで、音がこもることなく明瞭な音の再現が可能となった。
さらに業務に使用できるこのスピーカーは、Dolby Atmosに対応しており、4K IPS液晶搭載モデルならDolby Visionによる映像と合わせて、プライベートではシアターとして、業務利用では高画質・高音質なプレゼンテーションにも利用だ。

このようにThinkPad X1 Carbonは、オフィスでも外でも変わらない使い勝手を提供するだけではなく、テレワークで必要な機能・課題解決に取り組んだことで、レノボ流にPCの価値を高めたのである。


執筆  mi2_303