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2018年12月4日にスタートし、わずか10日間で終了したQRコード決済「PayPay」の「100億円あげちゃうキャンペーン」。PayPayで支払った金額の20%相当(月最大5万円相当)のPayPayボーナスが付与され、しかも抽選に当たれば全額(1回最大10万円相当)が戻ってくるとあって、家電量販店では“PayPay祭り”ともいうべきすさまじい状況となりました。日本中に大きなインパクトを与えたキャンペーンだったといえます。

キャンペーンでばらまかれた100億円は、いよいよ1月8日から1月10日にかけて順次、各ユーザーのPayPay残高に付与されます。

ただ、1回の買い物で複数回の決済がなされるトラブルが発生したり、クレジットカードの不正利用がニュースになったりと、不安を感じさせることもありました。また、新たなキャンペーンが始まる気配はなく、PayPayのポイント還元が通常の0.5%相当にまで縮小されたこともあり、「もらったPayPayの残高を使い切ったらPayPayの利用を終わりにしよう」と考えている人は少なくないでしょう。

これまでにない大盤振る舞いのキャンペーンの手応えはどうだったのか、ユーザー離れを防ぐための第2弾キャンペーンの実施はあるのかなど、気になるところをPayPayの広報担当者に直撃しました。

○12月上旬は日本中が“PayPay祭り”に

まず「100億円あげちゃう」というインパクトのあるキャンペーンを実施した理由を聞いてみました。「PayPayはスマホ決済の事業者のなかでも後発で、10月にサービスを開始したばかりの会社です。ユーザーや加盟店を大きく拡大するためには思い切ったキャンペーンが必要と考え、実施することを決めました」とのことです。

キャンペーンは発表直後から話題になりましたが、実際にはスタートしてからがそれ以上にすさまじい状況となりました。キャンペーン初日の朝から、SNSには抽選が当たって全額還元になった人の歓喜のコメントやスクリーンショットが相次ぎ、加盟店のビックカメラやソフマップなどにはお客さんが殺到。会計待ちの長い列ができたほか、人気商品は品切れが続出するほどでした。テレビのニュースや情報番組でもこぞって紹介されるなど、まさに“PayPay祭り”という言葉がふさわしい状況でした。

これほどの反響を予想していたかどうかの質問には、「まったく予想していなかった」といいます。「予想を上回る多くの方にご利用いただいたことでサービスが利用しづらい状況が発生し、ご迷惑をおかけしました。今後はこのようなことがないよう、サービスの改善に努めていきます」とのこと。キャンペーンでのユーザー獲得数などの目標は設定していなかったものの、「ユーザー、加盟店ともに大きく伸ばすことができました」と手応えを語ります。

○不正利用防止の仕組みを矢継ぎ早に投入

しかし、反響があった反面、キャンペーンの特典を悪用した転売や、クレジットカードの不正利用などのトラブルも明るみに出ました。「クレジットカード不正利用のおもな原因は、悪意ある第三者が何らかの方法を用いて外部から入手したクレジットカード情報をPayPayで利用した可能性が高い、と考えております」と広報担当者。これらの問題については、すでに以下の3つの対応がなされています。

○キャンペーン第2弾はしばらく実施しない見込み

今回のキャンペーンをどう評価しているかを尋ねたところ、「システム障害などの諸問題を考えれば、決して成功だったはいえません。ただ、お客さまに安心してご利用いただくための課題や改善しなければならない点が浮き彫りとなったことは、一つの成果だと考えます。今回の失敗を真摯に受け止め、サービスの改善に努めてまいります」とのこと。

今後の動きについても、「現在は、システム障害やクレジットカードの不正利用問題などの改善策を早急に講じなければならない状況にあります。よって、当面は利用を促進する施策よりも優先して、お客様に安心してご利用いただくための対策を進めてまいります」とコメントしました。このことから、大規模な第2弾キャンペーンはしばらく実施されないとみられます。

PayPay以外のQRコード決済にも注目しておきたい

PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」で一気にQRコード決済の認知度が高まったことを受け、先行する「LINE Pay」や「楽天Pay」、「Origami」などでも追従するようにキャンペーンを実施し、巻き返しを図っています。一方で、早くも終了するサービスがあるなど、淘汰も始まりつつあります。2019年は、QRコード決済の真価が問われる年になりそうです。

PayPayの次なるキャンペーン情報はもちろん、そのほかの決済サービスの動きからも目が離せません。