クイーンのブライアン・メイ、2019年元日にNASAからカイパーベルト天体到着の探査機祝う楽曲をライブ中継
英ロックバンド、クイーンのギタリストで天体物理学博士でもあるブライアン・メイが、2019年1月1日に20年ぶりとなるソロ曲「New Horizons」を公開すると発表しました。

この日は、NASAの探査機ニューホライズンズがエッジワース・カイパーベルト天体「2014 MU69(Ultima Thure:最果ての地)」に最接近する予定で、新曲は最接近が確認される予定時刻の午前0時2分(日本時間1月1日14時2分)より、メリーランド州にあるNASAニューホライズンズ管制センターからのストリーミング中継(NASA TV)内で流されます。なお、楽曲にはニューホライズンズが2015年に冥王星に到着したときに寄せられた、スティーブン・ホーキング博士による祝福メッセージの一部も含まれているとのこと。

楽曲制作のきっかけとなったのは、NASAのニューホライズンズプロジェクトのリーダー、アラン・スターンが、ブライアン・メイに「探査機がカイパーベルトの小惑星にたどり着いたときに何かテーマ曲を流せないか」と提案したこと。
メイ本人もニューホライズンズがこれから送信してくる画像が、人類にとって最も遠い天体への接近観測のものになるという点にインスパイアを受け、本人にとってそれが自分たちの住む宇宙を理解したいという人類の欲求を象徴するように感じたとのこと。

そして、「2006年の打上げ以来、グランドピアノ大の探査機に心血を注ぎ続けて来た人々は、その探査機の"目"を通してカイパーベルト天体がどのように構成されたのかを初めて学び、太陽系誕生の謎に関する貴重な手がかりを得るだろう」と述べています。

ちなみに、ブライアン・メイがインペリアル・カレッジ・ロンドンで天体物理学を学んでいたことは、クイーンを知る人の間では有名な話で、映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観た人もご存知のはず。1970年代には惑星間塵に関する研究で2本の論文の共著者になっており、科学誌Natureにもその名前が掲載されています。ただその後、クイーンの人気のほうが"軌道に乗った"のをきっかけにミュージシャンとしての活動に集中するようになりました。

そのブライアン・メイがふたたび天文学の世界に戻ったのは、Queen + Paul Rodgarsでの活動をしていた2006年のこと。この年9月から再び博士論文に取り組み始め、スペイン領カナリア諸島にあるカナリア天文物理研究所とラ・パルマ天文台で黄道光塵雲の観測についての研究論文「A Survey of Radial Velocities in the Zodiacal Dust Cloud」を書き上げ、2007年に母校インペリアル・カレッジ・ロンドンでの審査を経て博士号を取得しています。

また、2016年にはNASAのニューホライズンズプロジェクトチームに科学共同研究者として迎え入れられ、探査機が冥王星およびその衛星カロンに接近した際は受信した画像の分析に加わり、立体視画像の制作なども行っていました。

さて、気になる楽曲のほうに話を戻すと、ブライアン・メイは自身のInstagramアカウントにて、この曲のティーザー動画を公開しています。クイーンの楽曲とはまた違うブライアン・メイのソロらしい雰囲気が、ファンに期待を抱かせます。



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