16日放送、テレビ東京「追跡LIVE!SPORTSウォッチャー」に、プロ野球選手引退を発表した杉内俊哉氏を取材。引退会見前後の心境を伝えた。

「日本では例がない」という右股関節形成手術を受ける賭けに出てから、故障に苦しめられた杉内氏。今季も「良くなればどこかが悪くなる」と、ケガに悩まされ続けた。

野球が好きになっていったという息子に投げる姿を見せるべく、頑張ってきた杉内氏だが、今年8月には息子から「オレが頑張る」と打ち明けられたと明かした。「お前にはまだ早い」と返したというが、杉内氏は「本気ならうれしい」と話している。

スタジオ出演した杉内氏は、「今年ダメだったら辞める」と伝えていたとし、息子が「薄々感づいてはいたと思う」とコメント。引退を伝えた時の反応が「知ってるよ」だったと明かしたうえで、「内心は寂しかったかもしれないですけど」とつけ加えた。

引退会見直前には、番組のインタビューに「ドラえもんがいたらな…って思ったことも何回もある」とコメント。「タイムマシンに乗って何年か前に戻って、『足、気を付けてね』みたいなひと言、言ってくれる人がいたらなと思うけど、自分の性格上、静かに消えていきたいっていうのがあるから、『杉内どこいった?』みたいな感じが良いので、そうやって消えていくほうが良いな」と述べた。

会見では、決断の瞬間を問われて「心から後輩を応援するようになったというか…勝負師として違うかなというのは感じました」と涙を見せた。会見後、インタビューで「たぶん野球のことでしか泣いたことない」という杉内氏は「これからないかもしれないね、本当に泣くこと」と話している。

後輩の話で涙を流した理由を聞かれると、杉内氏は「やっぱり何か悔しさがあるんじゃない?これ(教えること)が仕事じゃないだろ、みたいな。それをやっている時点でもう終わりなのかなって。野球人としてね」と答えた。

背番号18というエースナンバーの誇りと責任をもって奮闘してきた杉内氏。巨人に18番を提示された時は「うれしかった。金額以上に背番号のほうがうれしかった。金額も『そんなもらっていいんですか』と思ったけど、背番号がね、うれしくてね」と明かす。

杉内氏は「今思うとやっぱり重かったのかなと思う。どの背番号でもそうなんだろうけど、特に18番はプレッシャーを感じた気がする」とコメント。そのうえで「FAで来て本当に良かったなと思う。後悔はぜんぜんないね、FAで。むしろ楽しかった。みんなと一緒に出会えて」と振り返った。

現在は「ほっとしていますし、寝る時に左肩を下にするとか、そういうのを気にしなくなりました」という杉内氏。引退後は、現役時代にやれなかった「バイクに乗りたい」という夢をかなえたいと述べた。